神戸の初優勝か、横浜FMの連覇か。それとも大逆転での優勝か。残り5試合、J1の頂点に立つのはどのチームか|Jリーグ
【国内サッカー・Jリーグ ニュース】シーズンの終盤までやってきた明治安田生命J1リーグ。残り5試合となった中、優勝を手にするのはどのチームとなるか。上位3チームを中心とした優勝争いを展望する。
残り5節となり優勝争いが大きな注目を集めている。近年、優勝争いの常連だった川崎フロンターレが早々に脱落したなか、連覇を目指す横浜F・マリノスと初優勝を狙うヴィッセル神戸が優勝争いを牽引。両チームが勝ち点を落とし始めると、中位チームが必死の追い上げで勝ち点差を縮め、最後の最後までわからない展開となっている。
現在、勝ち点「45」で8位につけるアビスパ福岡より上のチームにはまだ優勝の可能性が残されているが、勝ち点「58」で首位に立つ神戸が残り5試合で勝ち点を5つ積み上げると、現在4位の鹿島アントラーズ以降のチームの優勝が消滅する状況となる。そういった状況を考えると、首位の神戸、2位の横浜FM、3位の浦和レッズの3チームによる戦いとなることが濃厚だ。ここからの熾烈な戦いを勝ち切り、優勝を手にするのはどこのチームになるのか。3チームにフォーカスし、今後の日程も踏まえてJ1優勝争いを展望していく。
1位:ヴィッセル神戸(17勝7分5敗:勝ち点58)
最も優勝に近い位置にいるのは順位通り神戸だ。序盤から好調を継続してきた神戸は、大きく下降線を辿る時期もなく、安定して勝ち点を積み重ねてきた。直近5試合にしても上位陣では最も勝ち点を稼いでおり、状況を考えても神戸が優勝の最有力となる。特に前節の首位攻防戦となった横浜FM戦に勝利した意味は大きく、このペースを落とさずにいけば初の優勝が見えてくると言っていいはずだ。
ただ、残り5試合に関して難しい試合を残しているのも事実としてある。鹿島、湘南ベルマーレ、浦和、名古屋グランパス、ガンバ大阪と続くが、鹿島と浦和、名古屋はわずかに残された優勝の可能性を繋ぐためにもモチベーション高く挑んでくることは明らか。また、湘南は残留争いの真っ只中におり、勝ち点に対する執着はかなりのものを持ってくるだろう。こういったチームとの対戦で勝ち点を落とすことになれば、苦しい状況になってもおかしくはない。厳しい試合を勝ち切っていくためにも、今季、ここまでリーグ最多得点を奪っている大迫勇也の活躍が最後まで必要になることは間違いない。
2位:横浜F・マリノス(16勝6分7敗:勝ち点54)
連覇を狙う横浜FMは序盤戦こそ少し躓いたが、第11節以降の10試合で8勝を手にするなど圧倒的な強さを披露し、一時は首位に立つ時期もあった。ただ、第21節で神奈川のライバルである川崎Fに敗れて以降、8試合で3勝2分3敗となかなか勝ち点を伸ばすことができていない。そして前述した通り、前節は神戸との大一番で敗戦。JリーグYBCルヴァンカップでも逆転で敗れ、怪我人も増加と、苦しい状況に追い込まれているのは間違いないだろう。
それでも、残り5試合の対戦カードは、難敵揃いとはいえ神戸のような難しい戦いが待っているわけではない。北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡、セレッソ大阪、アルビレックス新潟、京都サンガF.C.と続くが、札幌、新潟、京都は残留争い中ではあるものの、残り5試合でいくつか勝ち点を積み上げれば残留が決まる状況。福岡とC大阪に関しても優勝争い中ではあるが、対戦する時には可能性が消滅していることもあり得る。モチベーションでは上回れる可能性が高く、そこでしっかり勝ち点を積み上げていけるかがポイントになる。鍵を握るのは得点ランキング2位のアンデルソン・ロペス。ここぞでどれだけのゴールを決められるか注目だ。
3位:浦和レッズ(13勝11分5敗:勝ち点50)
大逆転での優勝に望みを残しているのは3位につける浦和だ。開幕2連敗を喫した時には心配の声が上がったが、そこからチーム力を高めながら急上昇。直近10試合で2敗と安定して勝ち点を積み重ねることができている。リーグ最小失点のデータが示す通り、難しい試合を引き分けで終えることで勝ち点を得てきたからこそここまで順位を上げてきており、残り5試合でも負けないサッカーで上位との差を縮めていきたいところだ。
また、この3チームの中で最も勢いがあると言ってもいい。先日のルヴァンカップ準決勝では横浜FMを相手に逆転勝利。決勝進出に繋げた。AFCチャンピオンズリーグでもいい位置につけており、多くの選手を起用しながら勝利を積み重ねているのは大きなプラスだ。加えて、残り5試合の中に神戸との直接対決を残していることも大きい。柏レイソル、鹿島と、残留争い、優勝争いの真っ只中にいるチームとの試合を終えた先に、神戸との一戦が待つ。ここまでにしっかりと後ろについていることができれば、大逆転の可能性が見えてくる。ラスト2試合も福岡、札幌と難敵だが、最後まで勝ち切ることでチャンスを手繰り寄せたい。キーマンは守備の要となるアレクサンダー・ショルツ。攻守に大きな貢献を期待したい。