120分の死闘の末に年間3位のG大阪が勝利 ミシャ体制の浦和はまたもリーグ制覇ならず Soccer Magazine ZONE web 11月28日(土)17時9分配信

延長後半に藤春、パトリックが2ゴール G大阪がCS決勝へ

 Jリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝が28日、埼玉スタジアムで行われ、ファーストステージ王者で年間2位の浦和レッズと、昨季三冠王者で年間3位のガンバ大阪が激突した。

序盤から一進一退の攻防が繰り広げられたゲームは、ホームの大歓声を背に受ける浦和が主導権を握り、G大阪がカウンターを仕掛ける予想通りの展開。浦和は 前半14分、柏木のCKのこぼれ球を李が左足のダイレクトボレーで狙う。地面にたたきつけられたシュートは高くバウンドし、これを浦和のキャプテン阿部が 頭でコースを変えて狙ったが、ゴール左へわずかに逸れた

一方のG大阪も反撃。同18分にカウンターからパトリックがドリブルで持ち上がると、並走していた阿部へラストパス。ダイレクトで右足を振り抜いた強烈 な一撃は、ゴール左ポストを叩いた。その後も攻守が目まぐるしく変わる展開が続いたが、0-0のままハーフタイムを迎えた。

スコアが動いたのは後半2分。浦和が低い位置でパスを回していたところに、G大阪が激しくプレス。那須が森脇へ送った縦パスを大森が素早い出足でカット すると、中央に待っていた今野へ。これを今野は倒れ込みながらも正確なシュートでゴール右隅に決めて、G大阪が先制した。

ズラタンの魂のヘッドで浦和が追いつく

 失点後、浦和も一気に攻撃へとスイッチを切り替える。後半5分にはオーバーラップした槙野のパスを梅崎がゴール正面から左足でシュート。日本代表GK東 口の素早い反応によって防がれるが、その2分後にも武藤が左足でG大阪ゴールを強襲。さらに同14分には右サイド森脇のクロスに、李が中央で合わせたが、 ヘディングシュートはうまくヒットしなかった。

得点が必要な浦和は、後半18分に大きく動く。梅崎に代えてズラタン、那須を下げて青木を投入。ボランチに入っていた阿部を最終ラインに下げ、より攻撃的な布陣へ変更すると、この交代策が実を結ぶ。

後半27分、右サイドの関根が粘ってCKを獲得。すると、柏木の正確なキックにまずは森脇がヘディングシュート。これはバーを叩いたが、こぼれ球をズラタンが頭で押し込み1-1の同点に追いついた。

一気に勢いを得た浦和は同30分に宇賀神に代えて、ベテラン平川も投入。ペトロヴィッチ監督はこの段階で交代枠を使いきる勝負の采配を振るった。やや劣勢になったG大阪は、パトリックの推進力に頼る攻撃が目立つばかりで、先制点以降は決定機がないまま試合が進んでいく。

そして後半終了間際、浦和が猛攻を仕掛ける。ラストプレーで、森脇のクロスに武藤が完璧なヘディングで合わせるも、GK東口の好セーブに遭いゴールならず。1-1のまま、試合は延長戦に突入した。

あわやオウンゴールから決勝点

 延長戦開始と同時にG大阪は最後の交代として、先制点の起点を作った大森に代えて19歳の井手口を投入。互いに死力を尽くして、勝利を目指した。

浦和は後半終了間際から、再三サイドで素晴らしいドリブル突破を見せていた関根を中心に攻撃を演出。ボールも圧倒的に支配していた。G大阪も変わらずパトリックにボールを集めるが、両者共に次第に疲れを見せており、シュートを決め切ることができない。

このままPK戦に突入かと思われた延長後半13分、G大阪はドラマティックな展開で勝ち越しゴールを奪う。DF丹羽がGK東口へのバックパスを誤り、あ わやオウンゴールというキックミスを犯す。頭上を越えたボールはゴールの左ポストを叩き、間一髪のところで失点を免れた。そこから一気に切り替えて攻撃に 転じると、最後は米倉のクロスから左サイドバックの藤春が利き足ではない右足でボレーシュートを叩き込み、勝ち越しゴールを奪った。

さらに終了間際のアディショナルタイムには、遠藤のパスからパトリックが追加点を奪い勝負あり。G大阪が3-1で120分の死闘を制し、昨季三冠王者が広島とのCS決勝に駒を進めた。

敗れた浦和は、ファーストステージを制しながらも年間3位のG大阪に敗れて、2006年以来のリーグ制覇ならず。来日10年目を迎えたペトロヴィッチ監督は、広島時代からの悲願であるJリーグ優勝を、またも目前で逃すことになった。

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