【G大阪】8戦不敗のポヤトス監督「毎年1~3位に入れるように」一時最下位も中長期政権へ意欲
ガンバ大阪の就任1年目、ダニエル・ポヤトス監督(45)が10日、クラブを常勝軍団に導く心意気を示した。大阪・吹田市内での練習後、取材に応じた。
「僕が本当に、このクラブに植え付けたいのはアイデア、さまざまなプレースタイル、変わらない哲学などすべて。『(周囲から)ダニエル監督はこんなことを蓄積して、作り上げていったよと(言われるように)』。毎年1~3位に入れるようなチームにしたい。そこで毎年、戦えるチームになれば、いつか、必ず王者にもなれる」
チームの最近の成長ぶりについて問われ、その延長線上で出たコメントがこれだった。
スペイン人のポヤトス監督は、決して大風呂敷を広げる性格ではないが、最近の快進撃でチームへの自信をつかんだようだ。
リーグ戦でG大阪は12位につけるが、今最も強いチームの1つかもしれない。5月28日の新潟戦から4連勝、1分けをはさんで現在3連勝中。ここ8試合を7勝1分けで乗り越え、短期間で勝ち点22の荒稼ぎをした。
開幕から14試合で1勝4分け9敗、一時は最下位に沈んだが、まったく立ち位置が変わった。ボールも保持でき、状況に応じてロングボールやカウンターも使える。残り12試合。上位フィニッシュも十分ありえる状況になった。
指揮官は「バンブー(竹)と同じで、節までいくとグンと伸びていく。節までいくのに時間と労力がかかる。このプロセスは2、3年は継続していきたい。このチームで作り上げていきたい」などと、来季以降へのチーム作りにも言及した。このままいけば、中長期政権の樹立も現実味を帯びてくる。
ここまで劇的に1つのチームを改善した経験があったのかと、問われた指揮官は即座に「ノー、ノー」と答えた。ただ、不振がどれだけ続いてもチームを客観的に見ていた。
「G大阪は(近年は)主に日本人監督が務めて、新しい私の考えを、選手は頭の中で変えないといけなかった。変えるには時間が必要で、違いを植え付けていくのに時間がかかった。変わることに対し、少し怖がってしまう選手がいた」
次節12日はアウェー横浜戦。首位神戸と同じ勝ち点44で並ぶ2位が相手で、前年王者だ。G大阪が最後に負けたのは、5月20日のホーム横浜戦までさかのぼる。今季2度目の4連勝を懸け、指揮官は断言した。
「我々は一体感を持った守備が成長している。ホームでは負けない雰囲気がつくれており、アウェーになっても、同じパーソナリティーを持って、同じ流れをつくれるかは、自分たちの挑戦になる」
どんな相手にも真っ向勝負ができるG大阪は、前節川崎Fに続き、横浜も撃破すれば、勢いは本物になる。現在ベスト8に進むルヴァン杯への追い風にもなりそうだ。