G大阪、19歳DF中野伸哉の獲得発表…若手タレントの積極確保は海外移籍のサイクル加速と関連
G大阪は8日、鳥栖よりDF中野伸哉(19)を期限付き移籍で獲得したと発表した。移籍期間は24年1月31日まで。背番号は33。中野はG大阪を通じ「G大阪という素晴らしいクラブに来ることができて大変うれしく思います! G大阪のために覚悟を持ってプレーします!」などとコメントした。期限付き移籍となるが、完全移籍のオプションが付帯しており、両クラブ間では移籍金なども合意済みとなっている模様だ。
中野は鳥栖ユース時代の20年、16歳11か月15日でJ1デビュー。翌年の開幕戦、17歳6か月10日で元日本代表MF稲本潤一の記録を更新する史上最年少でのJ1開幕スタメンを果たした。21年には東京五輪を目指すU―24日本代表に17歳で飛び級選出。東京五輪出場は果たせなかったが、24年パリ五輪出場も期待される有望株だ。左利きだが右サイドでもプレー可能で、左右のサイドバック、及び3バックの一角でプレー経験がある。
G大阪は現在、DF半田陸(21)が左ひ骨の骨折で離脱中とあり、右サイドバックの補強が急務だった。さらにベスト8まで進出しているルヴァン杯は、21歳以下の選手を最低一人は先発起用するという規定がある。ベスト16までは半田が起用され続けたきたため、中野の加入はその意味でも大きい。8戦負けなし(7勝1分け)で12位まで浮上したリーグ戦も含め、さらなる上位進出へ向けた動きとなった。
中野は鳥栖を通じてもコメントを発表。ジュニアユース時代から7年半過ごしたクラブへの感謝とともに、さらなる飛躍に向けた決断であることを明かした。「サガン鳥栖から海外に行くと自分の中で決めていたのですが、今シーズン試合になかなか絡めず思うように結果を残すことができなくて悔しい思いでした。なので、ここで一度環境を変え努力し、ひたむきに頑張ってきます。海外に行くという目標は変わらずあるのでブレることなくサッカーに取り組みます」。今季はリーグ戦4試合出場のみとさらなる出番を求めてきた中で、移籍を決断したとみられる。
G大阪は昨夏に東京VからMF山本理仁(21、今夏にベルギー1部・シントトロイデンへ期限付き移籍)、山形からDF半田を獲得するなど、近年は若いタレントの積極確保に成功。日本代表MF堂安律=現ドイツ1部・フライブルク=を筆頭に、数々の選手を欧州に送り出してきた実績が、将来的に海外移籍を狙う選手たちにとって魅力のひとつとなっている。ただ山本理は在籍1年で移籍し、今夏は半田にもスコットランド1部・ハーツから獲得オファーが届くなど、若手有望株の海外挑戦へのサイクルは早まっている。もはや避けることが難しい海外への流出も見据えた上での補強戦略となっている。



