【番記者の視点】川崎、いまだ外国籍選手の得点ゼロ 「個の力」がないとこの先も厳しい
◆明治安田生命J1リーグ▽第22節 川崎3―4G大阪(6日・等々力陸上競技場)
川崎は2点差を追いつく意地を見せたが、後半51分の失点でG大阪に3―4で敗れた。
追いついたが追い越せず、突き放されての黒星。悔やまれる敗戦となった。
* * *
G大阪を見ていると、やはり外国籍選手の「個の力」は大きいと感じざるを得なかった。
ボールが収まる1トップに、GKを裏街道でかわしてしまうブラジル人。ネタラヴィのプレーは日本人にはなかなか出来ないし、ダワンに関しては、全人類の身長177センチの中で、最も空中戦に強いのではないか。
川崎はこの日、FWレアンドロダミアンがリーグ戦初先発、そしてFWマルシーニョが約3か月ぶりの出場となった。負傷からの復帰自体は朗報であり、それぞれの個性も一定程度出ていたが、2人の活躍からゴールは生まれず。マルシーニョは前半限り、ダミアンも後半18分に交代となった。トップコンディションはこれからだろう。
ここまでJ1全18クラブのうち、外国籍選手にリーグ戦のゴールがないのは川崎、新潟、鳥栖の3クラブだけ。選手の実績や人件費を考えれば、外国人枠の活用という点で、川崎が最も“誤算”のシーズンを送っていると言える。
フィールドプレーヤーで言えば、シミッチこそフル稼働しており、ここまでのチーム内MVP級の活躍をしている。一方でダミアン、マルシーニョ、ジェジエウは大半の試合を負傷欠場。チャナティップもリーグ戦無得点のまま退団となった。
それでいて7位というのは、もしかしたら褒められたものなのかもしれないが、何はともあれ、2人は戻った。ジェジエウの復帰も、そう遠くはないはずだ。ダミアン、マルシーニョの復帰によって攻め手が広がり、攻撃の選択肢が増えることは、2人がともにピッチに立った前半の45分間を見ても明らかだ。
リーグ戦優勝はかなり厳しいが、少しでも上の順位で終えなければならない。組み合わせを考えても、天皇杯は少なくとも決勝までは行かないと。外国人選手のパフォーマンスは、その大きなカギを握る。(川崎担当・岡島智哉)