森保Jは今がバブル! 欧州市場でこれから始まる日本人争奪戦、円安の影響で「6割安」
第2次森保ジャパンが、6月のキリンチャレンジカップで2連勝を飾った。15日に中米のエルサルバドルを6-0で一蹴し、20日に大阪・吹田で行われた南米ペルー戦でも試合のペースを握り続け、終わってみれば4-1の完勝劇である。
この日、森保一監督(54)は先発6選手を入れ替え。前半22分にエルサルバドル戦で出番のなかった左SB伊藤洋輝(24=シュツットガルト)が、得意の左足ミドルを炸裂させて先制弾。代表10試合目の初ゴールだ。
同37分にはMF三笘薫(26=ブライトン)が追加点。後半18分、その三笘が左サイドを崩してMF伊東純也(30=スタッド・ランス)の3点目を好アシスト。さらに同30分、途中出場のFW前田大然(25=セルティック)が相手DFの不用意なパスを奪い、GKとの1対1を冷静に制し、カタールW杯クロアチア戦以来の代表3得点目を挙げた。
試合後の森保監督は「南米の強豪相手に選手たちが(ボールを)つないで勝つということを表現してくれた」とご満悦の表情。続けて「我々がやってきたことに選手が自信を持ってくれる結果となったと思います」と珍しく相好を崩した。
親善試合を終えた参加選手たちはそれぞれの拠点に戻るが、これからは「バブル人気」の日本代表選手たちの熾烈な争奪戦がスタートするといわれている。元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏が言う。
「昨秋のカタールW杯でW杯優勝国のドイツ、スペインを撃破して日本サッカーが注目され、W杯後に三笘が英プレミアでブレーク。日本人選手に対する評価が、どんどんアップしていった。さらにもうひとつ、円安の影響も大きい。欧州では選手の移籍金、年俸などユーロでの支払いとなるのですが、欧州クラブにしてみたら、日本人選手は円安なので<6割ほど安く買える>という感覚です。これも日本人選手人気を後押ししています」
鎌田大地は今オフの目玉商品に
今オフの移籍当確選手といえば、イタリア・セリエAの強豪ACミラン入りが秒読みのMF鎌田大地(26=フランクフルト)である。
ペルー戦後に欧州に戻り、ミラノで最終的なメディカルチェックを行い、今月中に正式契約を交わすともっぱらだ。現地イタリアでは「ミランは7月20日に米国ツアーに出発して23日にスペインの名門レアル・マドリードと対戦。鎌田の新天地デビューとなる可能性もある」と報じられている。
鎌田は独1部フランクフルトで2021-22年シーズンのEL優勝の原動力となった。契約が満了して移籍金の必要のないフリー選手として今オフの目玉商品となり、欧州の名だたる強豪が争奪戦を展開。来季のCLに出場するミランとの契約は4年契約・年俸4億5000万円の大商いである。
前半22分、MF遠藤から横パスを受けて利き足の左足でゴール左に強烈先制ゴールを決めたDF伊藤洋輝(24=シュツットガルト)も移籍市場で注目を集める一人だ。
所属する独1部シュツットガルトでは左CB、左SB、左ウイングと複数ポジションをこなせる身長188センチの大型選手として欧州内での評価は高く、英プレミアの名門トッテナムへの移籍が、英国内で取り沙汰されている。
今回の親善試合で改めて存在感を誇示した三笘とMF久保建英(22=レアル・ソシエダ)はどうなりそうか。
「三笘がプレーする英プレミアのブライトンは来季ELに出場。久保はスペイン1部ソシエダードで来季CLに出場。2人とも移籍する、しないと周辺は騒がしいが、個人的には今オフは所属クラブにとどまり、UELやUCLで活躍して自身の価値をより高め、来季以降にステップアップしていくのがベストだと思います」(中山淳氏)
欧州での日本人人気は、代表歴の浅い選手にまで及んでいる。
オーストリア1部LASKに所属するFW中村敬斗(22)は今季31試合14得点7アシストと好パフォーマンスを披露。G大阪から移籍金4200万円で欧州に渡り、現在の移籍金相場は11億円と実に「27倍」にまで高騰した。
3月のウルグアイ戦で代表デビューし、15日のエルサルバドル戦が代表2試合目の新参者に過ぎないが、15日の英有力メディア「デーリー・メール」が「英プレミアにドイツ、フランスにオランダの計9クラブが注目している。そこに英プレミアの強豪リバプールがリストアップして参戦」と報じて話題になった。
MF旗手怜央(25=セルティック)も、夏の英プレミア入りがウワサされている。日本人選手バブルはこれから本番を迎えそうだ。