Jリーグ最強FWは誰だ!? 能力値ランキング1~10位。最恐のストライカーが大集結!

明治安田生命Jリーグには、様々な特徴を持つ選手が活躍している。サッカーという競技の特性上、彼らの能力を数値化するのは極めて困難であることを承知の上で、フットボールチャンネルでは今季のスタッツを中心に様々なデータを集計し、5項目の能力に分類して数値化してランキングで紹介する。(5月1日時点でリーグ戦の出場時間が450分以上の選手が対象。データは11日時点)

10位:パトリック

所属クラブ:京都サンガF.C.

生年月日:1987年10月26日(35歳)

今季リーグ戦成績:11試合4得点0アシスト

ブラジル出身のパトリックが初めて日本に来たのは2013年で、Jリーグでのプレーは11年目となる。今季は通算5クラブ目となる京都サンガF.C.に加入し、11試合で4得点を挙げている。10月には36歳になるが、年齢を感じさせないエネルギッシュなプレーを見せている。

最大の特徴は、やはり身長189cm、体重82kgの巨体から繰り出されるパワーだ。空中戦勝利数はリーグ最多の92回を記録しており、攻撃の起点となるロングフィードの受け手としてはもちろん、セットプレーでは攻守において重要な役割を担っている。スピードでは標準より劣るものの、「82」という「フィジカル」はFWとしては最高値となっている。

パワーに目が行きがちだが、決定力にも秀でている。今季は15本のシュートで4得点を記録しており、左足で2得点を記録している。その裏にはシンプルなパワーだけでなく、相手のマークを外す巧妙な動きやシュートコースを作る細かいフェイントなど、ストライカーとしての技が光る。

9位:レオ・セアラ

所属クラブ:セレッソ大阪

生年月日:1995年2月3日(28歳)

今季リーグ戦成績:12試合5得点1アシスト

横浜F・マリノスで2シーズン連続2ケタ得点を記録したレオ・セアラは、今季加入したセレッソ大阪で早くも5得点を記録している。マリノス時代は夏場に得点を量産しているだけに、これからさらに調子を上げていく可能性もあるだろう。

最大の特徴は得点力の高さで、「攻撃」は「76」という高い数値になった。今季は5得点中4得点を頭で決めているが、フィニッシュパターンが豊富で、パンチ力のあるミドルシュートも魅力。178cmと上背はないが、身体の強さも特徴で、ボールを収める能力も高い。時速34.4kmのトップスピードはリーグでもトップクラスの数字で、「フィジカル」も高い数値となった。

ファウルの多さは、前線からの守備で貢献している証でもある。「スキル」は若干低い数値となったが、敵陣でのキープ力やクロスに合わせる動きはうまく、センターフォワードとしては素晴らしいパフォーマンスを発揮していることがスタッツからも分かる。

8位:山岸祐也

所属クラブ:アビスパ福岡

生年月日:1993年8月29日(29歳)

今季リーグ戦成績:12試合6得点0アシスト

流通経済大学出身の山岸祐也は、J2で7シーズンプレーした経歴を持つ。ザスパクサツ群馬、FC岐阜、モンテディオ山形でJ2通算26得点を記録し、2020年途中に加入した福岡のJ1昇格に貢献。昨季は自身初の2ケタ得点をマークし、福岡のエースに君臨している。

身長183cm、体重80kgの恵まれた体格を特徴としている。純粋なスピードこそないため、「フィジカル」は「73」という数値に留まったが、日本人FW屈指の強さが魅力だ。最前線で守備のタスクをこなしつつ、得点機を逃さない獰猛な一面も持つストライカーだ。

クロスに合わせる形を得意としており、今季もヘディングから2得点を決めている。相手の死角に潜り込んで点で合わせたり、ペナルティーエリアの外から走りこんでワンタッチで決めたりと、相手が掴みづらいフィニッシュパターンを持ち合わせている。立派な体躯を持ちながら、駆け引きにも長けた点取り屋と表現することができる。

7位:キャスパー・ユンカー

所属クラブ:名古屋グランパス

生年月日:1994年3月5日

今季リーグ戦成績:12試合5得点2アシスト

浦和レッズから期限付き移籍で名古屋グランパスに加入したキャスパー・ユンカーは、ここまで5得点を挙げている。昨季は得点力不足に悩んだ名古屋にとってはこれ以上ない補強となり、上位躍進のキーマンとなっている。

リーグ4位となる1試合平均シュート数2.8本を記録し、枠内シュート19本はリーグトップで、「攻撃」は「76」という高い数字となった。出し手にも回れる器用なセンターフォワードに比べると、「スキル」の面では若干劣る面があるが、フィニッシャーとしての活躍は申し分ない。

堅守速攻を信条とするチームスタイルゆえ、アタッキングサードにおけるスプリント回数はリーグ11位の106回を記録しており、カウンターにおけるユンカーの存在は脅威となっている。空中戦勝率は33.3%と心許ない数字で、「フィジカル」は若干低い数字となったが、ファストブレイクの先鋒としての役割を十二分に果たしており、名古屋のスタイルに見事に合致している。

6位:ナッシム・ベン・カリファ

所属クラブ:サンフレッチェ広島

生年月日:1992年1月13日(31歳)

今季リーグ戦成績:11試合1得点0アシスト

昨季は25試合で5得点、今季は11試合で1得点。FWとしては物足りない数字だが、6位にランクインしたのには理由がある。なにより、1得点にもかかわらず11試合で先発起用されていることが、ベン・カリファの貢献度の高さを証明している。

空中戦勝率が52.2%と高く、被ファウル数はリーグ5位の27回を記録している。敵陣で攻撃の起点となるだけでなく、90分平均のシュート本数も2.9本と多く、枠内シュート率は50%を超える。フィニッシュの数で言えば申し分なく、「スキル」の面でも良い数字を残しているが、得点数の少なさが「攻撃」の低さに反映されている。

荒いプレーで警告を受けることも少なくないが、リーグ8位のファウル数、68.2%のタックル成功率は、「守備」における貢献度の高さを示している。ベン・カリファと交代で入ることの多いドウグラス・ヴィエイラが5得点を挙げているが、トータルで見た貢献度という点で、ベン・カリファがチームに与える影響は大きいと言えるだろう。

5位:イッサム・ジェバリ

所属クラブ:ガンバ大阪

生年月日:1991年12月25日(31歳)

今季リーグ戦成績:9試合1得点0アシスト

イッサム・ジェバリは北欧や中東でプレーした経験のあるFWで、昨年にはチュニジア代表としてFIFAワールドカップに出場している。今季加入したガンバ大阪でも能力の高さを見せており、見事に4位にランクインしている。

得点数はわずか1だが、フィニッシュ以外の部分では軒並みリーグ上位の数字を残している。ピッチを広く動いてボールを引き出して味方と繋がるのがうまく、ロングパス成功率80%という数字の通り、展開力もある。ゴール前に留まるセンターフォワードというよりは、「スキル」と「IQ」に秀でた万能フォワードと言えるだろう。

実績やポテンシャルを考えればトップを争ってもおかしくないのだが、肝心の「攻撃」が「68」とやや物足りない数字となった。1試合平均で2.0本のシュートを放っているのだが、シュート決定率はわずか5.6%。ジェバリのゴール数が増えていけば、ガンバが浮上のきっかけを掴むことができるかもしれない。

4位:アンデルソン・ロペス

所属クラブ:横浜F・マリノス

生年月日:1993年9月15日(29歳)

今季リーグ戦成績:12試合7得点2アシスト

サンフレッチェ広島、北海道コンサドーレ札幌でプレーした経験を持つアンデルソン・ロペスは、昨季加入した横浜F・マリノスで11得点を挙げてリーグ優勝に貢献した。今季はここまでリーグ戦全試合に先発しており、キャリアハイを更新するペースでゴールを量産している。

最大の特徴はボックス内における強さで、ヘディングでの得点数はリーグ2位の3得点。シュート数29本で7得点と決定力の高さが目立っており、「攻撃」はリーグ最高値の「82」となった。純粋なスピードはあまりないため「フィジカル」は若干低いものの、身長185cm体重82kgという巨体を活かした迫力あるプレーが魅力だ。

後方からのビルドアップを多用するマリノスでは、自陣に降りてパスコースを作るなど、アタッキングサード以外での仕事も多い。そういった臨機応変な仕事ぶりが「IQ」の高さに反映されている。トップ3とはやや差があるものの、マリノスが求める“9番”という役割を高いレベルでこなしていることは確かだ。

3位:町野修斗

所属クラブ:湘南ベルマーレ

生年月日:1999年9月30日(23歳)

今季リーグ戦成績:11試合6得点2アシスト

昨季はリーグ戦で13得点を挙げる飛躍のシーズンを送り、サッカー日本代表のFIFAワールドカップメンバーにも名を連ねた。その活躍は一時のものではなく、今季も6得点2アシストと結果を残している。日本代表ではまだ明確な結果を残していないが、Jリーグ屈指のストライカーへと成長している。

アタッキングサードにおけるクオリティの高さが、能力値ランキング上位に名を連ねた理由だ。シュートパターンが豊富で、あらゆる形からのゴールを決めることができる。枠内シュート数はリーグ2位の16本で、ミドルレンジからでも狙える精度の高いキックを持つ。さらに、「攻撃」と並んで「スキル」でも自己最高値を記録しており、味方を活かす能力にも長けている。ボールを収める能力も高く、チャンスクリエイト数はチーム最多の20本をマークしている。

185cmという恵まれた体格を持つ町野は、ゴール前に留まるだけでなく、サイドやライン間でボールを受けて起点となるプレーにも長けている。状況に応じたプレー選択の質が、「IQ」の高評価につながっている。

2位:鈴木優磨

所属クラブ:鹿島アントラーズ

生年月日:1996年4月26日(27歳)

今季リーグ戦成績:12試合6得点3アシスト

小笠原満男が背負った背番号40を受け継いだ鈴木優磨は、鹿島アントラーズの大黒柱となった。昨季前半はゴールを量産した上田綺世のパートナーとして、今季は自らも得点を重ねる万能ストライカーとして、唯一無二のパフォーマンスを見せている。

あらゆるスタッツでリーグ上位に名を連ねており、数字上からも総合力の高さがうかがえる。空中戦勝率は55.4%、タックル成功率も83.3%と高く、「守備」での貢献度も高い。FWの選手としてはパスでも軒並み高いスタッツを記録しており、「スキル」も高い数値となった。

特筆すべきは勝負強さだ。試合を動かすゴールを決めるだけでなく、決定力が高い。ピッチを広く動き回りながらも、決定的な場面では必ずゴールを狙えるポジションにいるのは「IQ」の高さゆえ。シュート19本は決して多くないが、決定率31.6%という数字は得点数上位陣の中では抜きんでている。チームが苦しく、大事な場面で決めてくれる頼もしい存在になっている。

1位:大迫勇也

所属クラブ:ヴィッセル神戸

生年月日:1990年5月18日(33歳)

今季リーグ戦成績:12試合9得点1アシスト

ドイツで7年半プレーした大迫勇也は、2021年夏にJリーグに復帰している。ヴィッセル神戸では負傷もあり、万全のコンディションではない中でプレーする時期もあったが、今季は開幕から好調を維持している。

首位を走る神戸では3トップの中央で起用され、既に昨季を上回る9得点を挙げている。ゴールパターンが豊富で決定率も28.1%と高く、さらに1試合平均のチャンスクリエイト回数はリーグ5位の2.8回。得点力に加えて、チャンスメイクの部分でのクオリティの高さが、「78」を記録した「攻撃」の高さにつながった。「スキル」も高く、敵陣でのパス成功数はFW登録でダントツの323回をマークしている。

ポストプレーがうまく、空中戦勝率も45.1%と高い。「フィジカル」は「82」と高くなっている。タックル成功率は66.7%と高く、守備での貢献度も高い。パスコースを限定するプレスや味方を活かすランニングなど、数字に表れない部分の活躍が、「IQ」の高さを物語っている。

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