ライバルは久保建英と伊東純也! 「俺のコース」堂安律、新生森保ジャパンで右サイドのレギュラー争いを制するか?
日本が誇るアタッカーの堂安律が、3月に行われるキリンチャレンジカップ2023に向けた日本代表に招集された。堂安は今季からドイツ・ブンデスリーガのフライブルクで主力としてプレー。11月に行われたFIFAワールドカップカタール 2022でも日本代表をベスト16に導く活躍を披露するなど、充実したシーズンを送っている。
今回のキリンチャレンジカップを前に、堂安の今季のクラブでの活躍と、現代表での立ち位置について振り返っていく。
クラブ史上2位の移籍金で加入。すぐさま攻撃の中心に
堂安は昨夏、3シーズン在籍したPSV(うち1シーズンはビーレフェルトへのレンタル)を退団し、ブンデスリーガのフライブルクに加入した。この取引にはクラブ史上2位の移籍金となる850万ユーロ(当時のレートで約11億9000万円)が支払われており、クラブが堂安に対して非常に大きな期待を寄せていたことが伝わるだろう。
こうした期待に応えるように、堂安は開幕から右サイドハーフのレギュラーに定着し、ここまでリーグ戦全試合に出場。3得点3アシストを記録している。ガンバ大阪やオランダ時代から得意としているカットインシュートや、鋭いドリブルでの仕掛けを武器にチームの攻撃を牽引。守備でも前線からのチェイシングや、自陣深くへのプレスバックが光る。攻守のさまざまな場面で貢献度が高く、チームに欠かせない存在である。
一方で昨年9月以降、なかなか得点を奪えない状態が続いており、やや心配な部分もあった。しかし24節のホッフェンハイム戦で約半年ぶりに得点を記録し、長いトンネルを脱出した。この得点が決勝点となってチームは勝利を手にしており、唯一の不安要素も払拭できたのは朗報だ。ここからの得点量産にも期待がかかる。
狙うは右サイドのレギュラーポジション
これまでの代表での実績と、今回の招集メンバーを考慮して、現代表での堂安の立ち位置について考えてみよう。
堂安は代表デビュー以降、常に右サイドのアタッカーとして計算されている。森保ジャパン発足時は4-2-3-1の右サイドハーフのレギュラー格だったが、伊東純也の台頭によって序列が低下。3バック採用時には伊東がWBに回るため、共存が可能になるが、そうでない場合はポジションが被ってしまい、ベンチスタートになる。実際、4試合に出場して2得点という結果を残したFIFAワールドカップカタール 2022でも、先発は2試合のみだ。こうした状況を踏まえると、まず狙いたいのは右サイドハーフの完全なレギュラー奪取となる。
今回の招集メンバーにおいて、右サイドハーフでのプレーが予想される選手は先述した伊東、世代別から共にプレーする久保建英の2人が挙げられる。伊東は所属するスタッド・ランスで攻撃の中心に君臨して高いパフォーマンス。久保もレアル・ソシエダでレギュラーを掴み、チームの攻撃を牽引する活躍を見せている。ただし久保に関してはトップ下や左サイドハーフで起用される可能性もあるため、実質的なライバルは伊東になる可能性が高い。
伊東はスピードを生かした縦への突破を主体とするプレースタイルで、中央へのカットインを好む堂安とは全くタイプが異なる。堂安がポジション争いに勝利するためには、スペースが無い状態でのプレーやカットインといった伊東にはない武器をアピールする必要があるだろう。
強烈なカットインシュートでチームを勝利に導く
堂安は鋭いドリブルと高いシュートセンスを備え、カットインシュートという十八番の形を持っている選手だ。日本代表においても、ファイナルサードで違いを作る働きが期待されている。FIFAワールドカップカタール 2022のような自身のゴールでチームを勝利に導く活躍が、ウルグアイ、コロンビアと対戦するキリンチャレンジカップでも見られるのではないだろうか。
(ABEMA/ブンデスリーガ)