YS横浜の福田翔生、5年目で初ゴール「やっと決められた」…実兄はG大阪の湧矢、兄弟でゴールラッシュの1週間

◆明治安田生命J3リーグ 第2節 YS横浜1―3鳥取(11日・ニッパツ)

YS横浜は鳥取に逆転負けし、開幕2連敗となった。前半12分に今季J3今治から加入したFW福田翔生(21)が5年目で初ゴールを決めたが、後半に3失点で敗れた。鳥取は開幕2連勝となった。

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5年分の苦労が詰まった、初ゴールだった。2トップを組んだFW萱沼優聖がくさびのパスを受けて、前に運びながらキープ。相手DF2人を引きつけてできたスペースに走り込んで、スルーパスを受けた。「(足元で)止めようと思ったけれど、打っても食いつかれると思った。だから外に流して、シュートコースを作っていい形で決められた」そのままダイレクトで打たず、右サイドにずらしてやや難しい体勢から放ったシュートは、逆サイドのゴールネットを揺らした。

イレブンに囲まれて、祝福を受けた。「5年目になってやっと決められた。これまで泣きそうでした。めちゃくちゃ苦しい思いをしたので。やっと報われたじゃないですけれど、満足しているわけでは無くて、やっとプロとしての一歩を踏み出せたかな」感慨に浸りつつ、すぐに続けた。「でもチームが勝たないと意味が無い。勝てるようにもっとゴールを取らないといけない」と自身に言い聞かせた。

東福岡高から19年に当時JFLの今治入り。J3昇格後も無得点のまま、昨季限りで契約満了となった。そこで声をかけてくれたのがYS横浜だった。再起を期す新天地で出会った星川敬監督からの指導が、プロ初ゴールに結びついた。「今、一番成長させてもらっていると思う。自分のストロング、苦手なところにもアドバイスをくれて。今日もその得点だった。星川(敬)さんの支えがゴールにつながったので、感謝しかない」と口にした。

チームメートで元日本代表のMF松井大輔は福田について「最初に見たときに、化けると思った。彼の今からの練習の成果、モチベーションにかかってくると思う。チームから、2、3人とJ1、J2に上がれるといい。若い選手が何かを得て上に上がって欲しい」とポテンシャルの高さに期待を込める。この日、福田のパスが松井につながり、決定的なチャンスにもなった。

兄弟でうれしい1週間にもなった。兄はG大阪のFW福田湧矢。首痛で出遅れた今季は、初出場したルヴァン杯・京都戦(8日)で1ゴール1アシストと結果を出した。「兄ちゃんや家族とは毎日、LINEをしています。兄ちゃんが復帰して決めたので、兄ちゃん様々です」と満面の笑み。祝福されたか聞かれると「もう、みんなめっちゃ喜んでいました」とさわやかな笑顔を見せた。

それでもまだ1ゴール。チームが、自身がはいあがるためには結果が必要だ。「結果が出たのは大きい。自分の中で重いものが全部取れたので、もっといろんなことができそう。もっともっと上にいきたい」と言葉に力を込めた。「チームを勝たせられるように、もっと貪欲に、結果にこだわってやっていきたい」23日には22歳になるFWの逆襲が始まった。(田中孝憲)

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