【J1採点&寸評】広島×G大阪|第1ステージ優勝へのサバイバル合戦はG大阪に軍配 SOCCER DIGEST Web 5月11日(月)0時15分配信

A代表に初選出された浅野はボックス内で前を向けず…。

【試合内容】
序盤は互いに守備に軸足を置きつつ、攻撃のチャンスを窺う様子見の展開。10分過ぎから広島が相手のプレスをいなしながら、両サイドを起点にG大阪のゴールに迫るも、決定的な場面は作れず、スコアレスで前半を折り返す。
広島は59分に浅野を投入して膠着状態を打開しようと試みるが、その1分後に試合が動く。森崎和が宇佐美からボール奪取したプレーがファウルと判定されてFKを献上。ゴール前で清水のクリアが甘くなったところをリンスに決められ先制を許してしまう。

その後、広島はミキッチ、ドウグラスを投入し、G大阪ゴールに襲い掛かるが、最後まで相手の堅い守備を崩せず。第1ステージ優勝を懸けた大事な一戦に敗れ、連勝は5でストップ。一方のG大阪は消化試合がひとつ少ないながら勝点で広島に並び、3位に浮上している。

【チーム採点・寸評】
広島5.5
攻守にアグレッシブなプレーを展開し、「五分の戦いはできていた」(森保監督)。ただ、不運とも言える判定から失点したのが響き、連勝は5でストップ。第1ステージの優勝争いから一歩後退してしまった。

G大阪6
昨季採用した広島対策のシステムではなく、4-4-2の正攻法で勝負。指揮官曰く「プレー自体のキレはここ数試合で一番良かった」。シュートは7本に抑えられたが、限られたチャンスをきっちりとモノにして、広島戦での相性の良さを感じさせた。

【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人6
ハイボールの処理はパーフェクト。90+2分、決められればダメ押しとなるピンチで大森のシュートを防ぎ、最後までチームを鼓舞した。

DF
4 水本裕貴5.5
フィールドプレーヤーによるフル出場のJ1記録(126)に並ぶも、失点のシーンでは岩下に空中戦で敗れてしまい、自ら華を添えられず。

5 千葉和彦6
川崎戦同様、中央に入ってくるパスを完璧に封殺。ピンチを招くシーンもほぼ皆無で、憎いほどの冷静な対応から攻撃へとつなげた。

33 塩谷 司6
G大阪の2トップにスピードとフィジカルで互角の勝負。攻撃では両チーム最多のシュート6本を放ち、ゴールへの意欲を感じさせた。

MF
6 青山敏弘 6
上手く最終ラインからボールを引き出し、スペースに配球。惜しいミドルシュートも放ったが、チームの苦境を救えず悔しさを滲ませる。

8 森崎和幸 5.5
スピードに乗る宇佐美相手に見事なインターセプトをしたかに見えたが、判定はファウル。結果、失点につながるFKになってしまった。

18 柏 好文 6
試合途中に右足を縫うほど激しいマークを受けながらフル出場。スピードと鋭い切り返しで丹羽を揺さぶり、再三ボックス内に侵入した。

27 清水航平 5
裏のスペースのリスクマネジメントを行ないながら、推進力で右サイドを活性化。ただ、痛恨の判断ミスでクリアが甘くなり、失点を招いてしまった。

24 野津田岳人5.5
豪快なミドルシュートで攻撃にアクセント。球際への積極的な姿勢も忘れず、エネルギッシュなプレーを見せたもののゴールは奪えなかった。

30 柴崎晃誠 5.5
開始直後に決定機を迎えるも、ヘディングシュートはクロスバー直撃。中盤以降はトラップミスも多く、相手に持ち味を消されてしまった。

FW
11 佐藤寿人 6
相手CBと駆け引きをしながらも、フォアプレスとプレスバックを徹底。ルーズボールにはスライディングで身を投げ出すなど、ファーストDFとして奮闘した。

交代出場
FW
29 浅野拓磨 5.5
自慢のスピードで会場を沸かせた一方、ボックス内で思うように前を向けず。警戒する相手を打ち崩せず、試合後は反省の弁が続いた。

MF
14 ミキッチ 6
反撃ムードが高まるチームの推進力となり、スピードで藤春を振り切って前線にクロスを供給。しかし味方に合わず、単発に終わった印象が強い。

FW
9 ドウグラス 6
高さとフィジカルの強さでパワープレーを展開。終了間際にはバイシクルシュートを試みて執念を見せるも、ゴールはこじ開けられなかった。

監督
森保 一 6
勝利を奪うべく、迷わず攻撃的なカードを3枚切る。「選手は今できることを出し尽くしてくれた」だけに、最低でも勝点1が欲しかった。

3試合ぶりの無失点試合に大きく貢献した守護神をMOMに選出。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6.5
終盤、押し込まれる時間帯が続くなか、俊敏にセービング。公式戦で3戦ぶりに無失点で切り抜け、日本代表候補“らしさ”を見せた。

DF
4 藤春廣輝 5.5
清水の攻撃に対して受け身に回る。持ち上がるシーンは数回あったが、大森との連動性に欠け、迫力あるアタックは繰り出せなかった。

5 丹羽大輝 6
リーグ戦では今季初のSB起用。自身のサイドを狙われ、何度も柏のスピードに振り切られそうになるも、最後の一歩で踏み留まった。

6 金 正也 6
両サイドから次々と放り込まれるクロスボールに対応。浅野の細かい動きにもしっかりと食らい付き、中央にスペースを許さなかった。

8 岩下敬輔 5.5
左膝の状態が万全でないなか、3戦ぶりにスタメン復帰。アシストこそしたが、持ち前の激しさは陰を潜め、迫力のなさが目に付いた。

MF
7 遠藤保仁 5.5
全体の位置関係を細かく把握。バランスを取りながら細かく修正して対応していたが、守備の時間が長く攻撃のスイッチを入れられず。

15 今野泰幸 6.5
遠藤と縦関係を築いて攻守にバランスを生む。青山に対してはマンツーマン気味に付き、地味ながらチームに流れを呼び込んだ立役者。

13 阿部浩之 5.5
時にはトップの位置に入るなど宇佐美と流動的にポジションチェンジしながらチャンスを探るが、柏のカバーリングに体力を消耗した。

19 大森晃太郎 5
動き出しが鈍く、局面に顔を出す回数は片手で数えられる程度。47分にようやく巡って来た決定機でも、シュートをふかしてしまった。

FW
9 リンス 6
パトリックに代わって2トップの一角へ。機動力を活かしてゴール前には顔を出し、数少ないチャンスを仕留め殊勲の決勝点を挙げる。

39 宇佐美貴史 5.5
中盤あるいはサイドに移ってボールを受け、起点になろうと試行錯誤。後半はボール奪取から果敢に仕掛けたが、ゴールは奪えなかった。

交代出場
MF
11 倉田 秋 5.5
76分、裏に抜け出した藤春が放ったシュートのこぼれ球に詰めるも、ゴールはならず。見せ場はこのワンプレーのみだった。

DF
33 小椋祥平 ―
“守備固め”で登場。投入後は終始押し込まれる展開のなか、周囲と連係してカバーし合い、ミスもなく、なんとか無失点で凌ぎ切った。

FW
29 パトリック ―
右足かかとを痛めているため先発を回避。カウンターの起点としてボールを収め、90+2分には相手DFを引き付けて決定機を作った。

監督
長谷川健太 6.5
万全の状態ではない愛弟子の岩下を起用し、守備から入る戦術が奏功。堅実なゲームプランを貫き、見事アウェーで勝点3を奪取した。

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