【開幕特集】既存戦力と新戦力を融合させてJ1昇格へ。大分トリニータを勝利に導くのはストライカーの長沢駿 | J2リーグチーム紹介
2023シーズンの明治安田生命J2リーグ各クラブとキーマンを紹介する。
チーム紹介
昨季は下平隆宏監督を招聘して1年でのJ1復帰を目指したが、序盤戦は多くの試合が重なり、新たなチーム戦術がなかなか浸透しないまま苦しい時期を過ごすことになった。それでも後半戦に入ると徐々にチーム状態が好転。自動昇格圏にはあと一歩届かなかったが、J1参入プレーオフ圏内の5位でフィニッシュした。最終的にはロアッソ熊本に阻まれ、J1復帰を成し遂げられなかったが、後半戦にチームが出来上がっていったことは今季に生かしたいところだ。
今オフは7得点を奪った呉屋大翔や主将を務めた下田北斗らがチームを離れて戦力ダウンは否めないが、池田廉や大分U-18出身の茂平などスタメン争いに加わっていける選手たちを獲得し、新たな競争を生み出そうとしている。
既存戦力の奮起と新戦力の勢いをうまく融合させ、今季こそはJ1昇格へのシーズンとなるか。大分にとって重要な1年が幕を開ける。
注目選手紹介
●FW 20 長沢駿
生年月日:1988年8月25日(34歳)
昨季成績:23試合8得点
昨季は9年ぶりとなったJ2の舞台でも能力の高さをしっかりと示した。負傷の影響もあり決して多くの試合に出られたわけではないが、リーグ戦に限っては23試合8得点を記録。192cmの長身を生かしたヘディングと巧みなボール捌きを見せるポストプレーでストライカーとしての役目を果たし、前線からの守備にもいとわない姿勢を見せてチームの勝利に貢献した。
今季は自身に次ぐ得点数を記録していた呉屋が移籍。得点を期待したい時に、やはり長沢が頼りになることは間違いない。戦術的な動きはもちろんだが、ストライカーとしての力をいかに発揮できるかがポイントになるだろう。
これまで自身のリーグ戦最多ゴールは、ガンバ大阪所属時の2017年にJ1で記録した10ゴール。試合数はJ2の方が多くなるだけに、自身のシーズン最多得点を超えることでチームをJ1昇格に導いていきたい。
●MF 6 弓場将輝
生年月日:2002年5月13日(20歳)
昨季成績:25試合3得点
豊富な運動量と的確なパス出しで攻守に貢献できる左利きのボランチだ。大分のアカデミー出身で2020年に高校3年生ながら2種登録された弓場は、その年のJリーグYBCルヴァンカップでデビュー。プロ1年目となった2021年は、リーグ戦の出場がなく悔しさを味わったが、昨季はシーズン途中からスタメンで抜擢され始めると存在感を発揮し、中盤の主軸の一人となった。
まだ20歳ながら中盤で囲まれても慌てない落ち着きを備え、ボールを受けて前へと上がっていく推進力を持つ弓場は、飛躍の1年を終え、今季さらなるステップアップの年に臨む。活躍次第ではパリ五輪世代の年代別代表にも入っていける可能性がある。1番のアピール場所である大分で他を圧倒するようなパフォーマンスを見せ、チームに多くの勝利をもたらすことで自身の価値を証明していきたい。