【ナビスコカップ決勝|採点&寸評】試合を支配した小笠原。流れを引き寄せた序盤は無双状態 SOCCER DIGEST Web 10月31日(土)16時14分配信

勝利を大きく引き寄せる2点目を挙げた金崎も高評価。

【チーム採点・寸評】
鹿島 7
攻守を素早く切り替えて相手を圧倒した前半は無得点ながら、後半に効率良く3ゴール。プレーの質、試合運び、ともに相手を上回って完勝。

G大阪 5
前後半を通じて鹿島の猛攻撃に晒されて3失点。前半の好守がなければ5点以上奪われても不思議はないほど守備組織を崩された。一方の攻撃で“決定機”と呼べるのは宇佐美のドリブルシュートぐらい。スコア、内容のいずれの面でも完敗を喫した。

【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 6
枠内シュートはほとんど打たれず、ビッグセーブはなし。それでも堅実なクロスへの反応を見せ、最後尾でしっかり支え続けた。

DF
22 西 大伍 6.5
粘り強い対応で右サイドを固め、宇佐美のドリブルに手を焼くシーンはわずか。縦へボールを運ぶ際には上手さを見せた。

14 ファン・ソッコ 6.5
勝利を大きく引き寄せるヘディングでの先制点は、まさに値千金の一撃。本業でも隙を見せず、陸空ともに危なげなく撥ね返した。

3 昌子 源 6.5
身体をしつこく当てて、見事にパトリックを抑え込んだ。攻撃のセットプレー時にはターゲットとしても存在感が際立った。

16 山本脩斗 6.5
攻守のバランスが秀逸で、対面する阿部にほとんど仕事をさせず。逆サイドにボールがある際のスライドも滑らか。

MF
20 柴崎 岳 6.5
シンプルにプレーし、リズムを作る。わずかな隙を見逃さないスルーパス、果敢な攻め上がりなど随所で攻撃の持ち味も発揮。

40 小笠原満男 7
チームを力強く牽引し、高精度のCKでゴールも演出。鋭い出足とアグレッシブなボール運びで良い流れを引き寄せた序盤は無双状態だった。

25 遠藤 康 6.5(66分OUT)
右サイドでタメを作り、前線の金崎と好連係を築く。相手の虚を突くスルーパスでも魅せ、足りないのはフィニッシュの精度だけ。

13 中村充孝 6.5(69分OUT)
ドリブルでのカットインなど、遠藤とは違った側面で攻撃を活性化。守備も献身的にこなし、素早く帰陣していた。

FW
33 金崎夢生 7
獰猛にゴールを狙いつつ、ポストや組み立てもハイレベルにまっとう。執念のヘディングで追加点を挙げ、勝利を決定付けた。

18 赤崎秀平 6(81分OUT)
裏へ抜け出す動きは非常にシャープ。“ニューヒーロー”らしいフレッシュなプレーは好印象だが、ゴールが欲しかった。

交代出場
MF
7 カイオ 6.5(66分IN)
トドメの3点目を冷静に射抜いたほか、得意のドリブルで相手を混乱に陥れる。終盤は、ショーの主役のよう振る舞った。

FW
34 鈴木優磨 6.5(69分IN)
球際で逃げずに戦う姿勢を貫く。カイオへ正確なサイドチェンジを2本届け、いずれも決定機に結びついていた。

MF
4 山村和也 6(81分IN)
最終ラインの前で防波堤に。シンプルなつなぎにも無難に参加し、狙いどおりにそつなく試合を終わらせた。

監督
石井正忠 7
一点を奪った後に攻撃的選手を次々に投入する“畳み掛ける”采配が奏功。終盤もリスク管理しながらカウンターを発動させた。

G大阪らしい攻撃は見せられず。昨年の決勝MVP・パトリックは完全に沈黙。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
序盤からシュートの雨を浴びるも粘り強く対応。72分には金崎のシュートを至近距離で止めるビッグセーブを見せるも、終盤に2点を追加されて万事休す。

DF
14 米倉恒貴 5
身体を投げ出す守備に加え、1対1の肉弾戦で激しさも見せたが、攻撃面は精彩を欠いた。藤春に比べれば安定感はあったものの、物足りなさは否めない。

5 丹羽大輝 5
40分のピンチはギリギリのところでクリア。気持ちのこもった守備は見せたが、以降も鋭い攻撃を受ける時間が長く続き、組織を立て直せないまま終始劣勢となった。

3 西野貴治 5(30分OUT)
負傷を抱える岩下に代わって先発も、序盤から鹿島の猛攻に晒されて苦戦。最終ラインかのつなぎも安定せず、30分に早々と交代を余儀なくされた。

4 藤春廣輝 5
攻撃の起点となる鹿島の遠藤をなかなか捕まえ切れず。終盤はカイオに決定的なパスを通されるなど、守備に追われて攻撃に力を割けなかった。

MF
15 今野泰幸 5
25分に中村を倒して警告を受け、以降はやや激しさを抑える無難な対応に終始。こぼれ球の回収役に徹した感もあるが、展開に工夫を欠いた。

7 遠藤保仁 5.5
12分に中村のミドルを頭でクリアする“1点分”の好守。藤春に通したスルーパスは一級品だったが、それ以外ではG大阪らしい崩しを見せられず。

13 阿部浩之 5(65分OUT)
守備面で奮闘するも、パスミスからカウンターを浴びるなどプレー精度は今ひとつ。崩しの局面でも変化を加えられないまま途中交代となった。

11 倉田 秋 5.5(78分OUT)
前線からの守備に加え、幅広く顔を出して攻撃にも関与し、良いアクセントになっていた。交代後に攻撃が停滞した事実が、倉田不在の影響を物語る。

39 宇佐美貴史 5
23分に60メートル近く独走してシュートもGK正面。ただし、これが最大にして唯一の見どころ。後半は絡む回数が少なく、影響力の乏しい“死に駒”と化した。

FW
29 パトリック 4.5
昌子らに競り負ける場面が多く、思うようにシュートも打てず。CKの守備でも金崎への寄せが一瞬遅れて失点するなど、攻守両面で減点材料ばかりが目立った。

交代出場
DF
8 岩下敬輔 5(30分OUT)
右足首の負傷を抱えながら強行出場。後方からの指示とビルドアップで最終ラインを落ち着かせたが、後半一気に崩れて3失点と統率し切れなかった。

MF
19 大森晃太郎 5(65分OUT)
阿部に代わって右MFでプレー。前回大会同様に流れを変える役割を期待されたが、押し込まれる展開のなかで存在感を失った。

FW
9 リンス -(78分IN)
1点ビハインドの78分に投入されるも、直後に2失点で出鼻をくじかれた。素早い寄せで闘志は感じさせたものの、肝心のゴールにはつながらず。

監督
長谷川健太 5
西野を早々に諦めて岩下を投入し、守備の安定化とビルドアップの強化を図る。一定の効果は見られるも、最後まで敗勢を立て直せず。交代策も奏功しないままタイトルを逃した。

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