パリ五輪目指すU―21日本代表の大岩剛監督が発足から1年を総括「進むべき道、目指すところが見えた」
24年パリ五輪を目指すサッカーU―21日本代表の大岩剛監督が26日、オンライン取材に応じ、チーム発足からの1年を総括。「ファン・サポーターのみなさんの目に留まるような活動をしながら、結果もレベルアップも求めていきたい」と来季活動への決意も口にした。
昨年12月に正式に立ちあがったチームは、3月のU―23ドバイ杯、6月のU―23アジア杯に臨み、9月と11月には欧州遠征で計4試合を戦った。9月に予定されたアジア大会(中国・杭州)は新型コロナウイルスの影響で1年延期となったが、無事に13試合を終え、8勝2分け3敗。「我々のグループは前線から激しくプレスをして、後ろからボールを握って主導権を握ることを1年間通してやってきた。1年通して選手も理解しはじめて、プレーしはじめて、来年につながるような1年だった。そこも頭の片隅に入れながらW杯を見て、日本人として進むべき道、我々が目指すところが少しだけ見えたのかな」。トライ&エラーを繰り返した1年に、前進を感じているようだ。
特に11月のU―21スペイン戦は、0―2で敗れたものの、チームに大きな衝撃を与えた。「我々が支配する時間と相手の時間があった中、彼らの戦術以上に個人戦術でやられてしまい、こちらはやれなかった」と強烈な”個”を痛感。粘り強い守備をかいくぐる突破力、多彩なパス、レンジの広さ、シュートの威力…あらゆるレベルの高さを見せつけられた。
日常から個を磨くことは前提としつつ、「何もないところから得点を生み出す特別な力は我々の世代で多くは望めない。グループとしてどう動くか、90分という時間とピッチの中で、ここであれば何をしなければいけないか、それぞれが明確であって、少しずつ相手に合わせることで、2人、3人にもなる。戦術的なところを変えることで何ができるか把握すること、迷わせること、プランを含めていろんな国にぶつけて準備しなければいけない」と得られた一つの指標を元に、先を見据えた。
MF山本理仁(G大阪)はスペイン戦を終え、「スコア以上の差。一人一人の能力が高いことは当たり前で、チームとしてボールを動かすところははるかに上をいっていたし、90分間ずっとジャブを打たれた感じ」と語っていた。選手にとっても来季以降の糧となる一戦になったことは間違いない。一方、その後のポルトガル戦は終盤の得点で2―1と勝利。「勝つことで自信をつけなければいけない」(大岩監督)と欧州強豪相手に勝ちきり、一つの結果もつかんだ。
また、大岩監督は現地視察したカタールW杯で「一日本人としていろんなことを考えさせられた」という。何より「W杯という独特のステージがどれくらいの影響があるのか、まざまざと体験した。サポーターも含めてあの雰囲気は1点で全然変わるし、日本が戦った4試合を見ても、1点取ること、1点奪われることでサッカーの局面がどんどん変わると感じた」と4年に一度の大舞台の空気感を肌で感じた。コロナ禍で観客の詰めかけた会場で戦うことがほとんどない世代だが、そうした環境下の戦いに順応するため、よりピッチ上での柔軟な判断力も求められる。
23年はパリ五輪1次予選も始まる。東京五輪が延期となった影響で、準備期間は歴代の五輪チームよりも短い。さらに複数の大会が同時期に開催されるため、主軸となるメンバーがありつつ、いかにラージグループの全体レベルを上げていくかも大事なポイントとなる。9月の欧州遠征で初招集された関西学院大FW木村勇大の名を例に挙げ、「彼は来年から正式に京都の一員となるけれど、日常が変わる。毎日練習でよりレベルの高い選手で気づき、成長につながっていく」と期待を込めた。J2東京Vから札幌に移籍を発表したDF馬場晴也のように、カテゴリーを上げる選択をする選手も出てくる節目のオフ。来春からJリーガーになる大学生もあわせて、引き続き動向を追うつもりだ。
パリ五輪世代は3月に欧州遠征を予定。これまでは強豪国とのアウェーでの対戦を強く望んできたが、11月には国内で初の親善試合(静岡)も行われる。U―22日本代表となる新たな1年へ、「いろんな輝きが見えるような選手がチームに入ってほしいし、出てきてほしい。一つの活動で変化が起きることは期待したい。結果を求めながらレベルアップも求める。1試合1試合を重要なものにしたい」とチームとしてさらに前進することを誓った。



