決勝の勝率62.5%対66.7%の激突! 鹿島対G大阪のナビスコ杯決勝を5つの視点で展望 Soccer Magazine ZONE web 10月30日(金)17時20分配信

「オリジナル10」の名門同士

 日本サッカーにおいて、すっかり「秋の風物詩」となったヤマザキナビスコカップ決勝が、10月31日の13時5分に埼玉スタジアムでキックオフされる。 今年決勝に進んだのは、鹿島アントラーズとガンバ大阪。ともに1992年の第1回大会から出場している「オリジナル10」の伝統あるクラブであり、数々の タイトルを獲得してきた名門同士の対決となった。今季も鹿島はセカンドステージ2位、G大阪は年間3位とチャンピオンシップ出場権獲得を争う位置につけて いる。

そんな両チームが、リーグ3大タイトルの一つを懸けて激突。ここでは、その大一番の見どころを、過去の大会記録を眺めながら5つのポイントに絞って展望してみたい。

[1]ナビスコカップ決勝では初顔合わせ

 これまで多くのタイトルを獲得してきた両チーム。過去にナビスコカップ決勝には、鹿島が8回、G大阪が3回進出しているが、意外にもこの舞台で対戦するのは今回が初めてとなる。

両チームの通算対戦成績は、鹿島から見てリーグ戦(J1)が25勝8分17敗、ナビスコカップが4勝2分3敗と、いずれも上回っている。ただ、G大阪が J1に復帰した昨季からの2シーズンの成績では、鹿島から見てリーグ戦が1勝0分3敗、ナビスコカップが0勝0分1敗と、G大阪が優勢だ。

果たして、今回の大一番ではどのような結果になるだろうか?

[2]連覇に挑むG大阪 過去3チームが達成

 ナビスコカップを連覇したチームは、[表1]のとおり、過去に3チーム存在する。1992~94年まで3連覇したV川崎(現・東京V)、2005~06年の千葉、2011~12年の鹿島だ。

一方で、決勝に進出しながら連覇を逃したケースもある。4連覇を目指した1996年のV川崎、2003年の鹿島、2004年の浦和の3チームだ。V川崎 が3連覇をしているため、決勝に連覇を狙うチームが登場したのは延べ7回あり優勝が3度。ほぼ五分五分と言えるデータのなか、G大阪は史上4チーム目の連 覇を達成できるだろうか。

[3]6度目の優勝を狙う鹿島 決勝の勝率は62.5%

 J1リーグ優勝7回を筆頭に、国内3大タイトル16冠の鹿島は、[表2]のとおりナビスコカップでも最多となる5度の優勝を経験している。決勝進出8回も断トツの数字で、勝率は62.5%と大舞台での勝負強さが垣間見える。

一方のG大阪は、これが4度目の決勝進出で過去に2度優勝。決勝での勝率は66.7%とほぼ互角の数字だ。データ上でも、今回の両者の対戦は拮抗(きっこう)したものとなっている。

[4]ニューヒーロー賞のいるチームの勝率は?

 1996年から創設されたニューヒーロー賞は、大会開幕時点で23歳以下の選手を対象に選ばれるもので、過去に多くのA代表経験者が受賞してきた“登竜門”的な賞となっている。受賞者は決勝前に発表され、今年は鹿島の赤崎秀平が選出された。

歴代受賞者を示した[表3]のとおり、決勝進出チームで受賞者がいたケースは、過去19大会中14回。そのなかで、ニューヒーロー賞の選手がいたチームが優勝したのは9回で、勝率64.3%だった。鹿島にとっては吉兆と言っていいデータだろう。

[5]やはり気になる決勝の観客動員数

 Jリーグバブルがはじけて以降、ナビスコカップ決勝はリーグカップということもあり、イベントとしてそれほど盛り上がるものではなかった。国立競技場での一発勝負が定着して以降で見ると、2000年大会では2万人台を記録している。

潮目が変わったのは2002年、初タイトル獲得を目指す浦和が初の決勝に進出してからだ。関東圏の鹿島との一戦ということもあり、国立には56,064人の観衆が詰めかけた。

そこから3大会続けて浦和が決勝に進出し、毎年のように大入りが続くなか、試金石となったのが2005年の千葉とG大阪の決勝。初タイトルを狙う両チームの対戦は、当初リーグ関係者もチケットの売れ行きを心配していたが、結果的に杞憂(きゆう)に終わった。

秋の風物詩となったナビスコカップ決勝は、日本サッカーにおいて一大イベントに定着したが、昨年に国立が改修工事に入り、会場が埼玉スタジアムになった影響か、観客数は3万人台となった。

名門同士となる今年の一戦。まだチケットは販売中だが、果たしてスタンドは、赤と青に染まるのだろうか。

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