「メッシ、エムバペらとJ2戦士デュークが肩を並べた!」「SHONOさんが“話題の美女”に…」マンガで描くW杯GSエモいシーン
日本列島を熱狂の渦に巻き込むカタールW杯。日本代表の戦いぶりと32カ国グループステージの名シーンやトピック、ハイライトを漫画家・千田純生さんに描いてもらいました(全2回)
熱い戦いを見せているのは、日本代表だけではありませんでした。グループステージに出場した32カ国、そしてサポーターの方々も特大のインパクトを残しています。Twitterで逐一試合結果イラストを描いているので……自分が見た中でエモかったシーンを、取り上げてみましょう!
1)輝く10代vsベテラン勢、やるじゃんアジア!
カタールW杯、日本代表は長友佑都選手や吉田麻也選手、酒井宏樹選手ら30代の経験ある選手、遠藤航選手や伊東純也選手に南野拓実選手らリオ五輪世代、そして堂安律選手や三笘薫選手、冨安健洋選手といった東京五輪世代の各世代が融合しあって好チームになっています。世代間でのアツいチームワークはもちろんのこと、ワールドクラスに目を移すと綺羅星のごとく新世代と大ベテランが頑張っています。
ティーンエイジャーの代表格で言えば19歳のムシアラ(ドイツ/バイエルン)とベリンガム(イングランド/ドルトムント)、18歳のガビ(スペイン/バルセロナ)でしたね。
日本を苦しめたムシアラのアタッキング能力、そしてグループステージで強烈なゴールを叩き込んだベリンガムとガビを見て「うわ、久保(建英)くんより全員年下じゃん!」と衝撃を受けた新規ファンも多かったのではないでしょうか。
その一方で“おじさん”たちも負けてません。マンチェスター・ユナイテッドとの契約解除騒動で“お騒がせ”になったクリスティアーノ・ロナウド(37歳)がポルトガル代表として5大会連続ゴールを挙げれば、スペインのラ・リーガを長年沸かせたペペやダニ・アウベス(どちらも39歳)もピッチに登場。健在ぶりと今なお血気盛んな様子を見せてくれました。
そして何より、4年前のロシアW杯MVPであるクロアチアのモドリッチです。37歳なのに4年前とほとんど変わらないようなハードワークとパスワーク。ちょっとヒゲは生えているけどいまだに若々しいそのプレーぶりには……決勝トーナメント1回戦、日本にとって最大級に警戒する相手ながら感服するばかりでした。
1つスーパーゴールを挙げるとすると? そりゃもう…
その一方で今大会は中東カタール開催ということもあって「アジアの躍進」が目立ちました(開催国カタールの3連敗は残念でしたが)。その火付け役となったのはサウジアラビア。優勝候補アルゼンチンに先制点を許しながら、アルドサリらのファインゴールによって2-1で逆転勝ち!
「大喜びした皇太子がロールスロイスくれるんじゃないか説」まで出ましたね、否定してましたけど(笑)。
あとサウジと言えば……アル・ヒラル所属の選手が多いです。なので浦和サポの妻氏は“ACL決勝で当たるかもしれない”とガチで分析するような視線で食らいつくように見てました。
日本代表は#1で触れた通り、ドイツとスペインを下しましたし、韓国は〈バットマン〉になったソン・フンミンの秀逸パスを受けたファン・ヒチャンの一撃で、ロナウド擁するポルトガル相手に2-1!
オーストラリアを含めればアジア勢初となる3カ国の決勝トーナメント進出。ラウンド16でそれぞれ悔しい結果に終わりましたが、今後の未来を明るく照らすものになったのではないでしょうか。
1つスーパーゴールを挙げるとすると? そりゃもう、リシャルリソンの“あのバイシクル”一択でしょう(笑)。
2)美しい各国サポーターも話題+FIFA会長は退屈?
W杯を見聞きして楽しいのは、ピッチだけではありません。#1でも触れた通り、知り合いのマリサポがカタールの地へと飛んでいるんですが……僕のスマホで確認すると、各国の“器量よし”な方々とばかり写真撮っています(笑)。
それはさておき、メキシコの覆面レスラー、ベルギーの悪魔ツノなどのように、32カ国それぞれのアイデンティティを感じるようないでたちで応援するサポーターの姿は、もはやお馴染みですよね。このような感じで観客席が“異文化ごちゃまぜ”になることって、とても平和なことだよなあ……と思いを強くします。
さらに今回はイスラム教国の民族衣装である「トーブ」という長袖だったり、「ゴトラとイガール」という“頭に巻く布と留め具”を着用している人も多かった記憶が。あとは現地の人とブラジル人サポーターが試合会場外で“友好ダンスバトル”をやっている姿がFIFA公式ツイッターでアップされていました。
ダンスと言えば……個人的に強烈な印象に残っているのは、セネガルのサポーター集団。顔面ペインティング、パンツがセネガルカラー、さらに上半身に1人ずつ「SENEGAL」のつづりを大きく書いて、キレッキレのダンスを披露していました。
そしてJリーグサポ代表として特大のインパクトを残したのは、今やお馴染みのSHONOさん。ドイツ戦の国際映像で彼女の熱烈応援する姿が映り、SNSがバズったことで有名になりましたが、筋金入りのジュビロ磐田サポ(レアル・マドリー、グティも大好き)。サッカー番組にも出るなど、その熱量はガチです。こういったサッカー愛あふれる人たちが取り上げられることで、Jリーグ(来年に入るとすぐ開幕ですよ! )も海外サッカーにも注目が集まってほしいな……と!
そんなアツいサポーターが数々いる一方で、対照的なのがFIFAのインファンティーノ会長。カタールが各会場のアクセスがいいこともあってか、とにかくいろんな試合に顔を出している印象です。でもなんか、基本的に浮かない顔……カタール開催による問題提起の報道が数々あるのは僕も周知ですが――その表情は「え、試合、退屈なの?」とも(苦笑)。相当疲れているのかなあ、とちょっと心配になります。
3)ファジアーノが“PSGとバルサに肩を並べた”件
サッカーの話題に戻りましょう。SHONOさんの話題が出たところで……Jリーガーも大活躍しています。「権田修一や谷口彰悟、酒井宏樹とか頑張ってるもんねー」と皆さん言ってくれるかとですが……外国人Jリーガーもしかりです。
例えば韓国代表だとクォン・ギョンウォン(G大阪)、オーストラリア代表ならトーマス・デン(新潟)。かつて在籍した選手にレンジを広げれば、ポルトガル戦でゴールを決めたキム・ヨングォンもそうです。あとはチョン・ウヨンもキム・スンギュもファン・ウィジョもナ・サンホも……ホントは全員挙げたいんですが(笑)、彼らもまたJリーグで得たものをカタールの大舞台で見せてくれているんだと感じています。
Jリーガーとしての存在感を最も大きく見せたのは、オーストラリアのミッチェル・デュークでしょう。チュニジア戦では値千金の決勝ゴールをゲット。なお11月26日に開催された4試合のプレイヤーオブザマッチと所属クラブを並べると……。
フランス2-1デンマーク:エムバペ(PSG)
アルゼンチン2-0メキシコ:メッシ(PSG)
ポーランド2-0サウジアラビア:レバンドフスキ(バルサ)
オーストラリア1-0チュニジア:デューク(ファジアーノ岡山)
ファジアーノがPSG、バルサと肩を並べる日が来るとはすげえ……!!
クラブの公式ツイッターさんも大喜びしてましたね(笑)。その一方でドイツ、ウルグアイ、ベルギーの優勝候補がグループステージ敗退の憂き目にあったのも衝撃でした。ルカク推しの妻氏も、クロアチア戦であまりに持っていないルカクの姿にはもらい泣きをしていました。
さて最後に触れるのは……やはり判定でしょう。「三笘薫選手の“1ミリ折り返し”VAR」が日本だけでなく世界中で大きな話題となっていますが、大会ごとにテクノロジーがサッカーの結果に直結するようになっているんだな、と感じています。
もっとも判定によるテクノロジーで驚いたのは、開幕戦のカタールvsエクアドルでのこと。開始早々にゴール前の混戦からエクアドルのバレンシアがゴールを陥れましたが、「半自動オフサイドシステム」によって結果的にゴール取り消し。試合によっては「片腕だけ出ている」状態でオフサイドとなるなど、とんでもなく厳密になってきたんだなと。
「すごい時代だよねえ」
このように妻氏に向けて話すと……
「このCG、インチキできないかしら」
そ、そこで“マリーシア”しようとする発想はなかった(笑)。
進化が続くサッカーと、どの大会でも変わらない祝祭感のW杯。決勝トーナメントに入って熱さを増す戦いを寝不足上等で追っていこうと思います! (日本代表グループステージ激闘編につづく)



