「究極のプレーメーカー」に進化した長谷部誠。フランクフルトの名手たちと共にJリーグ勢に立ちはだかる【注目選手紹介】

DF長谷部誠

チーム最年長、そしてブンデスリーガ全体でも最年長でありながら第一線で活躍し続ける、文字通りのレジェンド。それがアイントラハト・フランクフルトにおける長谷部誠の純然たる評価である。

2016シーズンから2018シーズンの間にクラブを率いたニコ・コヴァチ(現ヴォルフスブルク監督)から3バックのリベロの才能を見出された長谷部は、その後、アディ・ヒュッター、そして現任のオリヴァー・グラスナーへと指揮官が移り変わっても、その栄誉ある任務を遂行し続けている。30代後半に差し掛かったことでフィジカル面の不安が囁かれる中、長谷部はその懸念を卓越したスキルと研ぎ澄まされた読みで相殺し、さらなる進化を遂げた感がある。

その中で、今の長谷部の最大のストロングポイントは豊富な経験に裏打ちされた抜群の判断力だ。攻撃面では相手がバランスを崩しているエリアを瞬時に探し当て、そこへピンポイントでフィードパスを送る。また、守備面は危険信号が灯っているエリアを把握してパワーとスピードを兼ね備えた相手FWよりも速く動き出して未然にピンチを防ぐ。浦和レッズ在籍時代の長谷部は主にミドルエリアで能力を発揮するアタッカーだったが、アイントラハトでの長谷部は最後方で究極のプレーメーカーとしてピッチに君臨している。

今回の日本ツアーでは重厚さと軽やかさを共存させる長谷部のプレーを、ぜひとも堪能していただきたい。

MFセバスティアン・ローデ

DFエヴァン・エンディカ

エヴァン・エンディカは若くして将来を嘱望されてきたストッパーで、現在のアイントラハト・フランクフルトのバックラインには欠かせない主力選手だ。

利き足の左足を駆使したビルドアップワークは正確で、積極的に攻撃へ関与する挙動は躍動感に溢れている。また、跳躍力の高いヘディングは力強さをも備えており、相手陣内でのセットプレーでは貴重な得点源となり、自陣ゴール前では勇壮な防波堤としてそびえ立つ。

昨季まではチームのサイドアタックを活性化させていた左MFフィリップ・コスティッチの能力を活かす黒子役としても尽力したが、今季途中にコスティッチが移籍してからは、よりバランスを重視するようになり、攻撃特性の高いルカ・ペッレグリーニを上手くコントロールして左サイドを締める挙動も目立つようになった。良い意味で落ち着きが生まれたことで、エンディカが守るフランクフルトの左サイドは守備面の強度を一層増した感がある。

MFエリック・エビンベ

MFルカ・ペッレグリーニ

今季途中にフィリップ・コスティッチと入れ替わる形でユヴェントスからレンタル移籍してきたルカ・ペッレグリーニは、かなり攻撃に特化したタイプのサイドアタッカーだ。左サイドでボールを保持したら高確率で敵陣へ打って出て独力打開を図り、強引に縦へ侵入していく。また、多少遠い位置からでもシュートを放つ積極性もあり、対戦相手が少しでもプレッシャーを緩めれば遠慮なくアタックを浴びせていく。

チームメイトも徐々にペレッグリーニの個性を把握してきたようで、彼を生かすようなコンビネーションワークが見られるようになってきた。単独で相手陣内へ侵入していく彼に対して適切なサポート角度を維持し、いつでもフォロー&カバーできる構えを取っている。多少のバランス不備があっても、味方がそれを相殺することでペレッグリーニの能力が光る。彼のような“突貫小僧”が活躍できる素地があるのが、今のアイントラハト・フランクフルトの強みでもある。

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