ゴールなくACL敗退…ガンバ宇佐美「海外再挑戦」封印の波紋 日刊ゲンダイ 10月23日(金)9時26分配信

G大阪のFW宇佐美貴史(23)が21日、地元でのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦・広州恒大(中国)戦で後半15分に交代出場。26 分と39分にシュートを放ったが、いずれもゴールの枠内を捉えきれず、試合はスコアレスドロー決着。2試合合計スコア1-2でG大阪の準決勝敗退が決まっ た。

高校2年でG大阪のトップチームとプロ契約を交わした宇佐美は11年6月、欧州を代表する名門バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に引き抜かれるも、鳴かず飛ばず。移籍したホッヘンハイムでも控えに甘んじ、13年6月に当時J2の古巣G大阪に復帰した。

Jリーグではゴールを量産。15年3月にはハリルホジッチ監督から2年半ぶりに代表メンバーに招集され、同月27日のチュニジア戦で初招集から4年越しの代表デビューを果たし、4日後のウズベキスタン戦で代表初ゴールを決めている。

そんな宇佐美は帰国した当初、海外再挑戦を口にしていた。周辺では「欧州再挑戦の可能性あり」ともっぱらだった。ところが今年夏ごろから再挑戦の話が聞かれなくなり、最近で「海外移籍には興味がない。日本代表のためにずっとJリーグでプレーする」と言い始めていた。

「それもこれもハリルホジッチ監督が原因です。浪人中のGK川島の例を挙げるまでもなく、ハリルは、所属クラブのレギュラー以外の選手は代表に呼ばないの が基本方針ですから。国内組は、どうしてもJリーグで安定した結果を出して代表に定着したいという意識に凝り固まってしまうのです」(Jリーグ関係者)

これに「良くない傾向」と警鐘を鳴らすのは、サッカージャーナリストの中山淳氏だ。

「宇佐美は、18年ロシア大会の主軸FWになってもらわないと困る選手ですが、欧州リーグの厳しい世界ではなく、Jリーグでプレーを続けていても伸び悩 み、アジアレベルの選手止まりという危険性をはらんでいる。そうなると日本代表の停滞まで招くのは必至。Jリーガーたちに“国内で数字を残そう”という風 潮の蔓延は、非常に危ういことであると思います」(中山氏)

G大阪-広州恒大戦を現地で視察したハリルホジッチ監督。広州恒大戦でパッとしなかった宇佐美をつかまえて「海外に行って鍛え直せ」とゲキを飛ばしたらどうなのか。

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