【G大阪】中2日でもチーム最多走行距離!圧巻のハードワークで存在感を示すファン・アラーノ。決定力が加われば鬼に金棒だ

すでにアシストはマーク

[J1第28節]G大阪0-3鳥栖/9月3日/パナソニックスタジアム吹田

入団会見で10得点を目標に掲げた鈴木武蔵と、ゴールとアシストを合計して「10ゴールポイント」を目標に掲げた食野亮太郎

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そんな二人とは対照的に、具体的な数字は挙げなかったものの「自分のスタイルとしてはオフェンシブな選手。ただ、ディフェンシブな部分でもチームのためにプレーできるように頑張りたい」と鹿島アントラーズからの電撃加入直後の会見でこう話したファン・アラーノは、早くもガンバ大阪に欠かせない存在になりつつある。

現在、ガンバ大阪には5人のブラジル人選手が在籍するが、パトリックやレアンドロ・ペレイラ、ウェリントン・シウバはストロングポイントとウイークポイントを併せ持つ選手。松田浩監督は、その強みに目を向けて起用を続けているが、本来の理想に関しては「パーフェクトなことを言えば攻撃も守備もやってくれれば一番いいし、それを期待したい」と明かしている。

そんな指揮官の懐刀として、期待通りのパフォーマンスを見せているのがJ・アラーノだ。

松田監督の就任後、新たに採用した4-4-2のフォーメーションで両サイドハーフは戦術理解度の高さとハードワークが求められるが、J・アラーノは食野とともにファーストチョイスとしてサイドで奮闘。

9月3日に行なわれたサガン鳥栖戦では、中2日の過密日程にもかかわらず、走行距離はチーム最多の11.7キロをマーク。「連戦なので疲れはある。ただ、プロのアスリートはそれを乗り越えないといけないし、ピッチ内では戦ったが、結果が出なかった」と試合を振り返った。

試合後のスコアだけを振り返れば0-3で完敗に思われがちだが、失点はいずれもがビルドアップのミスから始まった自滅に近い失点。そして前半はむしろG大阪が効果的な攻撃を繰り返していた展開だった。

「前線の選手にはゴールを決める責任もある。チャンスを決めきれなかったことで、後ろに負担を与えてしまった」とJ・アラーノは悔やんだが、10分にはダワンが素早くFKをリスタート。抜け目なく最終ラインの裏に抜け出したJ・アラーノがGK朴一圭との一対一でシュートを打ちきれず、1点を追う24分にも鈴木が落としたボールからフリーでシュートを放ったが朴に難なくキャッチされていた。

ブラジル時代に在籍したコリチーバではセグンド・ボランチ(攻撃的ボランチ)も務め、パスと機動力を最大の持ち味にするJ・アラーノ。すでにアシストという結果は残しているブラジル人MFだが、鹿島時代から決定力については改善の余地が残されている。

鳥栖に敗れたことで再びプレーオフ圏内となる16位に転落したG大阪。残された6試合は、いずれも重圧がかかる戦いだ。ブラジル時代には残留争いの経験がないと話すJ・アラーノだが「ブラジルの試合はいかなる試合であろうとプレッシャーがかかっていた。その経験を活かしてチームを助けたい」。

圧巻の献身性を見せているJ・アラーノに、これ以上を求めるのは酷かもしれない。ただ、王国生まれのハードワーカーに決定力が加われば、文字通り鬼に金棒である。

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