クラブの命運握る1カ月 8番勝負に臨む福岡 「このゲームがどれだけ大事か分かっている」初戦はG大阪
J1福岡の長谷部監督が約1カ月で8試合を戦う超過密スケジュールを全力で走りきることを誓った。31日はホームでG大阪と対戦。29日にオンライン取材に応じた長谷部監督は「選手のコンディションを見てになるが、先のことよりも目の前に全力を尽くす。先のことを考えると全部うまくいかなくなる」と、悲願の初タイトルが懸かるルヴァン・カップ準決勝と天皇杯準々決勝も含む「試練の8番勝負」に一戦必勝の覚悟を決めた。
G大阪戦は新型コロナウイルスの陽性者が多く出た影響などで8月6日の開催が中止となり、31日に組まれた。降格圏にいたG大阪はその間、片野坂監督から松田監督に交代。27日の名古屋戦では2-0で勝ち、松田体制初勝利を挙げた。
現在12位の福岡と同16位のG大阪との勝ち点差は3。長谷部監督は「このゲームがどれだけ大事なのか選手は分かっている。(松田監督に代わって)期間が短いはずなのに、前監督から大きく(戦い方が)変わっている」と守備の整備に定評がある指揮官が率いる相手を警戒した。
クラブの命運を握る1カ月になるかもしれない。G大阪戦から中2日でホームで迎える名古屋戦など、10月1日の神戸戦までリーグ戦5試合は勝ち点が近いクラブとの対戦が多く、結果次第では残留争いに巻き込まれかねない。さらに初の4強が懸かった天皇杯のJ2甲府戦、ルヴァン・カップ準決勝・広島戦のホーム&アウェーも組まれる。
長谷部監督は「(多くの陽性者が出た新型コロナウイルスから)回復者のコンディションは上がっている」とチーム状態は上向きつつあることを強調。26日の鳥栖戦が約1カ月ぶりの出場となったDF奈良は「チームが良かった時の粘り強さが出てきたという感覚でいる」と終盤の相手の猛攻を守り切り、1-1で試合を終えた鳥栖戦で堅守復活の手応えを得た。
多くの離脱者が出る中でルヴァン・カップは逆境をはねのけて4強入りを決めた。長く苦しいマラソンのような超過密スケジュール。その出口に光があることを信じて走り続ける。



