不振のG大阪に完封負け「工夫ないと点入らない」MF稲垣は単調に終わった攻撃に唇かむ【J1名古屋】

◇27日 J1第27節 名古屋0-2G大阪(豊田スタジアム

歓喜に沸き立つ青と、悲嘆に沈む赤。スタンドに現れた順位表の上下と逆のコントラストが、名古屋イレブンの顔をうつむかせた。序盤の失点を有効に使われた、完封負け。「始めの入りが、試合を分けた。入りがよくなかった」。長谷川監督は悔しさを押し殺すように言葉を絞り出した。

指揮官が表情を曇らせたのは、前半3分の攻防。グランパスはFW永井が抜け出すも、決めきれない。直後、G大阪・パトリックに粘り腰で突破されて先制被弾。序盤に流れを失った。「それ(理由)がわかれば簡単、ではないけど…」。MF稲垣の口調は厳しかった。

後半は手をこまねいた。引いて守るG大阪を前に、グランパスはエリア手前までは運ぶも、得点を奪えないまま時間は過ぎる。「出ている選手の特長をどう出していくか、どう連係を出していくかをもっと具体的にやれれば。何か1つスペシャルなものとか工夫がないと、簡単に点は入らない」と、稲垣は単調に終わった攻撃に唇をかんだ。

後半42分にはG大阪のFW鈴木武蔵に移籍後初ゴールを許した。「あそこで右足を振らせてはいけない。ああいうところから決めきる力はある選手。もう少し寄せるとかはできたと思う」と長谷川監督。焦りと疲労を突かれ、万事休した。

リーグ終盤に降格圏と極度の不振にあえいでいたG大阪に、ショッキングな完封負け。「相手の対策も大事になると思うが、自分たちの良さ、やりたいことをどうやって表現できるのか。そこにもしっかり向き合わないといけない。両方の軸を持って準備したい」と稲垣。この日味わった「3分の悪夢」を糧にするほかに、取るべき道はない。

https://www.chunichi.co.jp/chuspo

Share Button