マーケティング面では大成功! パリSGのジャパンツアー、仏メディアはどう評価した? 最も熱意に溢れた選手に挙げられたのは――

パリ・サンジェルマンは7月20日から始まったジャパンツアーで3試合を行ない、川崎フロンターレに2-1、浦和レッズに3-0、そしてガンバ大阪に6-2と3連勝を飾った。

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世界のサッカー界をリードするリオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペといったスーパースターの他、トップレベルの選手が勢揃いしたドリームチームの来日ということで、上記の3試合はもちろん、有料の公開練習も多くの観客を動員し、さらにピッチ外での行動も逐一報じられるなど、その人気と注目度の高さが随所から窺えた。

フランスのラジオ局『france bleu』は「日出づる国への旅は、あらゆる点で成功を収めた」と今回のジャパンツアーを評価。「パリSGの魅力を広めるという作戦も成功。そのやり方はシンプルなもので、試合だけでなく、公開練習を実施することで、日本の多くのファンを魅了した。大阪ではパリの選手たちのウォームアップが2万人を超える観客を集めた」「最終的に、今回の日本との新たなパートナーシップによって、パリSGには1000万ユーロ(約13億円)以上の収益がもたらされた」と伝えている。

このように、マーケティングの面で次にも繋がるであろう大きな効果を得たジャパンツアーだが、パリSGはこの先、7月31日にリーグアンの前年度王者として、国内カップ戦王者のナントと対戦するスーパーカップをイスラエルのテルアビブで戦った後、6日から新シーズンのリーグアンに突入する(開幕戦はクレルモンと対戦)ということで、チームにとっては重要な調整の場でもあった。

クリストフ・ガルティエ新監督を迎えた新生パリSGは、15日のクビイ=ルーアン戦(2-0)を皮切りに、今回のJリーグ勢との3試合によってチーム作りを行なってきた。これについては現地メディアが検証を行なっており、ジャパンツアーで見えてきたチームの収穫や課題などを指摘している。

まずフランスのサッカー専門サイト『football.fr』は、「ジャパンツアーでの7つのレッスン」と題した記事の中で、リールとニースでは4-4-2を採用してきたガルティエ監督がパリでは3-4-1-2を基軸としそうだと報じ、日本での3戦で試合ごとに各選手がフィジカル面でも連係面でも力をつけている印象を受けたと綴っている。

選手については、まずネイマールが日本ではG大阪戦の2ゴール&アシストなどの活躍を見せるなど、退団の噂など去就が注目される選手のプレーではなかったとして、新シーズンに向けて最も熱心な選手と評した他、昨季はレンタルに出されたパブロ・サラビア(スポルティング)、アルノー・カリムエンド(ランス)が得点を挙げるなど、マウロ・イカルディよりも機能したことを指摘した。

さらに『football.fr』は、MFのヴィチーニャについても出場した試合では良いプレーを見せ、ボール捌きの良さでメッシ、ネイマール、エムバペの攻撃トリオとの連係も期待できると記述。一方で守備については、特にセルヒオ・ラモス、マルキーニョス、プレスネル・キンペンベの最終ラインは調整が必要であると指摘し、改善すべき点として今回のツアーで最も目立った部分であると綴っている。

他にも、選手層のバランスに問題があり、右サイドのアクラフ・ハキミのバックアッパーが不在で、センターのMFであるエリック・エビンベが代わりを務めざるを得なかったことなどを重視。これについては、RBライプツィヒからノルディ・ムキエレを獲得してカバーしようとしているようだが、同メディアはこのフランス代表DFの攻撃的に疑問符をつけた。

ちなみに英国のサッカー専門サイト『90min』も、「G大阪戦でパリSGが得た5つの教訓」と題した記事で、攻撃陣の好調さ、ネイマールの熱意、サラビアの活躍とその有用性、DFヌーノ・メンデスの初ゴールに注目した他、2点を失った最終ラインの修正の必要性を訴えている。

ガルティエ監督も、G大阪戦で2失点を喫したことを問題視して「やるべきことはまだ多くある」と語っており、補強については、この1週間で最大5人の選手の獲得があり得ると明言している。チャンピオンズ・リーグ制覇を目標に掲げるパリのクラブは、全ての問題や不安点を取り除くことができるか。日本での調整がどれほどの影響を及ぼすかも含めて、今季の彼らの戦いぶりには要注目である。

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