【G大阪】J1通算500試合出場の遠藤保仁が「楢崎越え」を誓う。「フリューゲルス時代の先輩に負けないように頑張る」 SOCCER DIGEST Web 10月17日(土)21時7分配信

「長沢だけに合わせた」のコメントに滲み出たキックへの自信。

これぞキックの名手というアシストだった。

G大阪が1点リードで迎えた59分、セットプレーのキッカーは遠藤保仁。浦和のエリア付近で両軍が入り乱れるなか、背番号7の正確無比なパスから途中出場の長沢駿が頭で合わせた。結果的にこれが決勝弾となり、G大阪は2-1で勝利を収めたのだ。

この試合でJ1通算500試合出場を飾った遠藤は、FKの場面についてこう振り返る。

「フェイントをかけた時の状況で決めようと思っていたので、(事前には)なにも考えていなかった。一回フェイントをかけた時に、長沢の動きも見えた。ちょ うど良い角度とスピードで入って来たので、あれは長沢だけに合わせて蹴った。1点目同様、多分、(長沢が)触らなくても入っていたと思う。あれだけ高い選 手がいるとターゲットにもしやすい」

「長沢だけに合わせた」「触らなくても入っていたと思う」の言葉に、キックへの自信とベテランの矜持が滲み出ていた。

浦和戦ではパトリックや倉田秋を出場停止で欠き、遠藤はトップ下でフル出場。「今までもやっていたので、特に問題はなかった」と序盤からチャンスに絡 み、開始7分には阿部浩之のクロスに飛び込むと、直接触りこそしなかったが、ボールはそのままゴール左隅へ。ボランチからトップ下にポジションを変えて も、状況を見極める判断力と急所を見抜く嗅覚は群を抜いていた。

終わって見れば、遠藤は全2得点に絡む活躍で勝利に貢献。自らのメモリアルマッチに花を添える形となった。

J1通算100得点まであと2ゴールも「まずはチームの勝利が第一」(遠藤)。

 J1通算500試合出場を達成しても、いつもの遠藤がそこにいた。淡々とクールに自らの記録について語る。

「これまで良い時も悪い時もあったけど、どうしても負けられない戦いで結果を残せたのは嬉しい。高校卒業後、すぐプロのピッチに立てたのが大きかった。怪 我が少ないのはありがたいことだし、監督やチームメイトに支えてもらった。(500試合出場は)周りのサポートのおかげだと思っています」

周囲への感謝を口にしながらも、その視線はすでに501試合目に向いている。

「これから先も(出場を)続けたい。僕よりはるかに上を行っている(横浜)フリューゲルス時代の先輩(楢崎正剛/J1通算600試合を先日達成)がいるので、負けないように頑張っていきたい」

そして、J1通算100得点も目前に迫る。現在98ゴール。「得点に絡むのは重要だし、(出場同様)やっぱり積み重ね。まずはチームの勝利が第一。たくさん点に絡みながら勝っていきたい」。

一体どこまで数字を伸ばすのか――。世間の期待を一身に背負いながら、35歳の偉大なベテランは、これまでのようにまた飄々とプレーし続けるのだろう。

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