G大阪は音楽との融合 新たなファン層の開拓…関西4クラブに聞いた コロナ禍からの打開策
日本代表などの活動期間を終えて、J1リーグは18日から再開し、前半の17節を終えた。新型コロナウイルスの影響で一時期は無観客開催を強いられたスタジアムには客足が戻りつつあり、一部で「声出し応援」の実証実験も行われている。18日の横浜戦(パナスタ)で音楽と融合したイベントを開催したG大阪など関西4クラブに、コロナ禍での現状と新たな方策を聞いた。
スタジアムがライブ会場と化した。18日の横浜M戦。サッカー×音楽の新イベントと銘打たれた「GAMBA SONIC」に、今季の選手入場曲「Bolero」を歌うアーティストの「Def Tech」が来場。選手入場時に同曲、ハーフタイムは「My Way」を披露した。まだ声出し応援は戻らない中でも、音に合わせリズムに乗るサポーターも数多く見られた。
「試合以外でもお客様に楽しんでもらうため、サッカーと親和性が高い音楽イベントを開催しよう」というアイデアから「GAMBA SONIC」が誕生。まだG大阪への興味が薄い人々が初めて足を運ぶきっかけとするため、J―POP・DJとして活躍する「DJ和」も招き、幅広い層の来場を呼び掛けた。
同カードは1万9039人で、目標の2万5000人には届かなかった。しかし7月のホーム3試合では「サマーフェスティバル」と銘打ち、スタジアム内で打ち上げ花火を実施。8月14日の清水戦は「GAMBA EXPO」として、記念ユニホーム付きチケットを販売する。急激にファンが増える“魔法”はないが、さまざまな施策でスタジアムに熱狂を取り戻す。
◆本拠地と観客動員 G大阪の本拠地は2016年から使用する「パナソニックスタジアム吹田」(4万人収容)。ホーム平均観客数は19年の2万7708人から、無観客や50%などの入場制限があった影響で20年は7602人、21年は5346人。現在、関西4クラブの本拠地はすべて2万以上収容可能の専用スタジアム。G大阪のほか、C大阪、神戸もコロナ前の水準に届いていないが、京都は20年の新スタジアム完成、今季からのJ1昇格で19年より観客動員は上回っている。
■「声出し応援」再開 エリア&人数を順次拡大へ
〇…Jリーグは5月、コロナ禍で禁止していた声出し応援の段階的導入を決定した。今月11日のルヴァン杯プレーオフステージ・鹿島―福岡戦(カシマ)、翌12日のJ2・東京V―岩手戦(味スタ)でホーム、ビジター計3000人までの声出し応援エリアを設置。前後左右を1席ずつ空けた配置とし、不織布マスクを着用した上で実証実験が行われた。7月はJ1、J2の6試合で検証され、同エリアは7000人まで拡大される予定。8月中には希望するクラブ全てが同エリアを導入できるよう進める。