欧州リーグ覇者 フランクフルト 鎌田大地…久々の日本代表招集 自信がある
今月18日の欧州リーグ(EL)決勝で、前身の欧州連盟(UEFA)カップを制して以来、42年ぶり2度目の優勝を飾ったフランクフルト(独)のMF鎌田大地(25)が読売新聞のインタビューに応じた。欧州強豪クラブの中心選手として大きな自信を得て、日本代表に復帰。ワールドカップ(W杯)カタール大会のメンバー入りへ向け、6月の国際親善試合に臨む。(聞き手・星聡)
ELではチームトップの5ゴールを挙げ、優勝の立役者となった。
優勝翌日のパレードまではすごく喜んだけど、かなり前のことのよう。僕はタイトルとは無縁だったので、「とるのが普通」になったらいい
バルセロナ(スペイン)との準々決勝第2戦では、アウェーの「カンプノウ」でアシストをマークするなど、攻撃の起点として勝利を呼び込んだ。レンジャーズ(スコットランド)との決勝では、PK戦で3人目を務め、冷静に決めた。
バルセロナは小さい頃から一番見てきて、カンプノウで観戦したこともある。試合をするだけでも感慨深いのに、勝ててさらに忘れられない試合になった。決勝はロングボールを使ってきたり引かれたり、なかなかうまくいかなかった。僕は好機を逃していて、PKも外して勝てなかったら……。入って良かった
ツイッターに「自分を信じてやり続けてやっと報われた」とつづった。
僕は「うまいけど戦えない」「うまいけど走れない」と、ネガティブな見方をされてきた。中学では下の学年のチームに落とされたこともあった。親にやめたいと言ったら、「サッカーが嫌いになったからではなく、うまくいかないからやめたいだけ。チームで一番うまくなって、それでもやめたいならいいよ」と止めてもらえた。悪い時に自分を信じて続けるのは難しいけど、やり続けている
「移籍は運や巡り合わせ」難しい決断に
ステップアップを模索するが、昨夏は移籍がうまくいかず、慎重な姿勢だ。
欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝に手が届くようなクラブが一番いい。ただ、若くないし、フランクフルトもCLに出られるので決断は難しい。移籍は運や巡り合わせ
主力として臨んだW杯アジア最終予選では当初、鎌田もチームも不振。途中から控えに回り、今年に入ってメンバーからも外れた。久々の代表戦となる6月の国際親善試合では、欧州タイトル獲得の実績とともに「サバイバル」に挑む。
ここ数年、欧州で素晴らしい成績を残しているフランクフルトで先発を張っている自信がある。ただ、最終的には監督が選ぶことで、出られないからって落ち込むこともない。できることをして、最後は監督が決めることだと思う(おわり)
かまだ・だいち 1996年生まれ、愛媛県出身。G大阪ジュニアユースから東山高(京都)を経て、J1鳥栖入り。1年目から21試合3得点と活躍し、3年目の途中でフランクフルトに完全移籍した。1年目は3試合の出場にとどまり、シントトロイデン(ベルギー)に期限付き移籍。15得点を挙げ1年でフランクフルトに戻り、以降主力として活躍する。日本代表には2019年3月のコロンビア戦でデビューし、16試合出場4得点。



