【解説】パリSGなぜ日本ツアー? アパレルコラボで若者に高い認知度、他年齢層ファン獲得狙い

新銀河系軍団が、日本にやって来る! フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)は26日、都内で記者会見し、今夏の日本ツアー開催を発表した。

7月20日に川崎F(国立)、同23日に浦和(埼玉)、同25日にG大阪(吹田)と計3試合を行う。フランス代表の至宝、FWキリアン・エムバペ(23)がレアル・マドリードへの移籍から急転、5月21日にPSGとの契約を25年まで延長した。オールスターそろっての日本ツアーに「NFT(非代替性トークン)チケット」は超破格の1000万円に設定。この夏、すべてにプレミアムな時間が到来する。

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<解説>

PSGにとっては18~19年の中国、シンガポールツアーに続く3度目のアジアツアー。目的はマーケティングの拡大にある。若者の間では、アパレルラインからのアプローチで「PSG」の認知度は高い。ナイキの「ジョーダン」と「PSG」とのスニーカー、アパレルのコラボレーションは抽選販売となるほど、人気を高めている。サッカーチームと知らず、デザイン性から、とりこになる人も少なくはない。今回の来日で「PSG」の名をさらに広げたい考えがある。

既に東京、名古屋には公式ストアを構えている。また、日本駐在員を配置し、PSGの「eスポーツチーム」も設立するなど、さまざまなアプローチを試み、日々の日本の新鮮な情報をつかむことに成功している。アジア太平洋地域代表のセバスチャン・ヴァゼル氏は「アジアでの人気は、過去10年間で常に成長を続けており、日本には何百万のPSGのファンがいる」と確かな手応えを感じている。かねて考案してきた日本の地での直接的なPR。実際に世界のスーパースターを目の前で見られる機会を提示することで、さまざまな年齢層のファン獲得につなげていく構えだ。

◆PSGと市場価値 選手の市場価値を算出するドイツ発の専門サイト「トランスファー・マーケット」によると、世界で最も高い選手はエムバペで1億6000万ユーロ(約216億円)。今回対戦するJ1クラブで見れば、浦和DF酒井宏樹が350万ユーロ(約4億7250万)で日本人の最高額だ。その差は45分の1ほどになる。なお過去の移籍では17年夏にバルセロナからPSGに移ったネイマールの2億2000万ユーロ(約290億円)が最高額で、これに続くのも17年夏にモナコからPSG入りしたエムバペの1億4500万ユーロ(約180億円)。そのエムバペは、25年までの契約延長で年俸は世界最高の約78億円になると言われる。

◆パリ・サンジェルマン 1970年に設立。11年にカタールの投資庁の子会社であるカタール・スポーツ・インベストメントが買収。過去には元ブラジル代表ロナウジーニョ、元イングランド代表ベッカムらも在籍。女子サッカーチーム、ハンドボールチーム、柔道チームなども展開。フランスで最も成功したクラブと言われている。今季は、初優勝を狙った欧州チャンピオンズリーグは16強でRマドリードに逆転負けを喫したが、国内リーグでは2季ぶり10度目の優勝。

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