「あなたが選ぶ90年代Jリーグ最強の助っ人外国人」ベスト5結果発表! 3位エムボマ、2位ジーコ…では1位は?《500人アンケート》
Jのピッチを華やかに彩った、世界各国からやってきたスター選手たち。彼らの存在なくして、90年代から現在にかけての日本サッカーの急成長はありえなかった、と言っても過言ではないでしょう。
【ランキング表】読者500人が選ぶ「90年代Jリーグ最強の助っ人外国人」1位から5位を見る
そこで『Number Web』では、「あなたが選ぶ90年代&00年代Jリーグ最強助っ人外国人」というテーマでアンケートを実施。4月21日から26日にかけて、計522票の投票が集まりました。
後編ではいよいよ、90年代のランキング5位から1位までの結果を発表。もっとも多くの票を集めた“最強の選手”は、いったい誰だったのでしょうか。
5位 ドゥンガ(MF) 28票
28票を獲得して5位にランクインしたのは、ジュビロ磐田をJリーグ王者へと導いた“鬼軍曹”ドゥンガです。
ブラジル代表のキャプテンとして1994年のアメリカW杯を制したドゥンガは、翌1995年に来日すると“勝者のメンタリティ”を惜しみなく注入。ボランチとしてゲームメイクをしながら、激しい身振り手振りでチームを熱く鼓舞し、優勝した1997年にはJリーグMVPにも輝きました。
ジュビロ黄金期の礎を築く一方で、1998年のフランスW杯でもブラジルの準優勝に貢献。レオナルド同様、現役バリバリの“セレソン”が日本でプレーしていたことに「今では考えられない」という声も寄せられています。
「戦力としてだけではなく、クラブそのものを変えた選手。彼がいたからこそ、当時の磐田は本当の意味で強いクラブになっていたと思います。まさに最強の選手」(43歳・男性)
「プロフェッショナル!! 全てが好きだった」(34歳・女性)
「ブラジル代表の主将がJリーグでプレーしているなんて、今では考えられない。最強のジュビロの礎を築いた功績大」(61歳・男性)
「最強という言葉をそのまま受け取ると、キャリアといい人間的なものといい、王国ブラジルの闘将ドゥンガがピッタリだと思う」(49歳・男性)
4位 アルシンド(FW) 29票
圧巻の得点力と特徴的なヘアスタイル、そしてコミカルなCMへの出演……。サッカー界を超えて広く一般層からも人気を博したという意味においては、アルシンドを超える外国人選手は今後も現れないかもしれません。
Jリーグ開幕初年度の1993年、ジーコに呼ばれる形で鹿島アントラーズに加入したアルシンドは、抜群のスピードと正確なシュートを武器に大活躍。鹿島では71試合50得点、1995年に移籍したヴェルディ川崎でも38試合19得点という結果を残しています。
アデランスのCMで披露した「アルシンドになっちゃうよ~」「友達ならあたりまえ~」のインパクトも絶大で、当時のJリーグブームに大きく貢献。投票したファンのコメントからも、往年の人気ぶりが窺えます。
「あの髪型のインパクトはすごかった。そしてジーコの存在もすごかったが、それらにも負けず、アルシンドのプレー自体がすごかったので」(44歳・男性)
「鮮烈なデビュー、ユニークな髪型とキャラクター。一発でサッカーファン、アントラーズファンになりました」(54歳・男性)
「『友達ならあたりまえ~』のCM出演など、Jリーグ創設期の立役者だと思う」(46歳・男性)
「大体サッカー選手は格好いいCMに出るんだけど、この選手の出たCMは……。好感も親しみも持てて、すごくファンになった」(55歳・男性)
3位 エムボマ(FW) 32票
あの中田英寿に「反則」と言わしめた身体能力と、すさまじい決定力。規格外のゴールハンターとして鮮烈な印象を残したエムボマが3位にランクインしました。
1997年にガンバ大阪に加入したカメルーン代表のエースストライカーは、Jリーグデビュー戦でいきなり衝撃を与えます。浮き球をリフティングでコントロールすると、豪快な左足ボレー一閃。すぐさまサポーターの心をつかみ、25得点をあげて同年の得点王にも輝きました。
日韓W杯にも出場し、東京ヴェルディを経てヴィッセル神戸で現役を引退するなど、日本と縁深いキャリアを送ったエムボマ。“ボマちゃん”が見せた圧巻のプレーの数々は、いまもファンの心に刻まれているようです。
「インパクトがすごかった! 見ていて度肝を抜かれるとはこういうことかと思った」(39歳・女性)
「スーパーサイヤ人みたいな圧倒的存在感。リーグへの貢献度を考えるとジーコやディアス、ピクシー、ドゥンガといった選手も浮かびますが、『最強』という単語がぴったりなのはやはりエムボマでしょう」(34歳・男性)
「えげつないボディバランスからの強烈な左足のボレー…あんなプレーはエムボマ選手しかできない!」(42歳・男性)
「85分くらいは遊んでいるんですが、サッカーをする5分で必ずゴールを決めてくれる。それくらいあまりにも衝撃的なストライカーでした。ガンバサポにとっては永遠のヒーローです」(62歳・男性)
2位 ジーコ(MF) 139票
139票を集めて2位に選ばれたのは、言わずと知れた“神様”ジーコでした。この世界的なレジェンドが日本サッカー界に与えた影響の大きさは、あらためて強調するまでもないかもしれません。
Jリーグ開幕前の1991年に鹿島アントラーズの前身である住友金属(当時JSL2部)と契約し、来日したジーコ。ペレに比肩するほどのセレソンの英雄が、プロリーグのない日本にやってくる……。その驚きはいかほどのものだったのか。当時を知るファンからは、
「こんなにすごい人が日本に来てくれた! って思いました」(43歳・女性)
「あのジーコが日本に、という衝撃とその後も鹿島アントラーズにジーコスピリットを植え付けた影響は計り知れないものがある」(55歳・男性)
といった声が寄せられています。
40歳となって迎えた1993年のJリーグ開幕戦でいきなりハットトリックを決め、まごうことなき「世界レベル」を見せつけたジーコ。技術面はもちろんのこと、選手たちの生活態度からクラブの設備に至るまで、あらゆる面でプロとしての基準を示し、改善を促しました。
Jリーガーとしての実働期間は決して長くありませんでしたが、常勝軍団・鹿島アントラーズの礎を築き、日本サッカーをステップアップさせた功績は、リアルタイム世代ではない若年層にもしっかりと語り継がれているようです。
「選手としての実績、後々に与えた影響、様々な要因においてベストプレイヤー」(25歳・男性)
「ジーコはプレーだけじゃなくメンタル面までサッカーの全てをJリーグに教えてくれた!」(18歳・男性)
「日本人全員がサッカーの世界レベルを感じた初の体験だったので。日本人のサッカーレベルを何段階も引き上げてくれたと思う」(40歳・男性)
「所属した鹿島のみならず、日本サッカー界に与えた影響は計り知れません。プロフェッショナルとは何か、勝ちにこだわるとはどういうことか。世界トップレベルの選手がJリーグ発足時に見せてくれた思想や姿勢が、のちの選手や監督・コーチ、関係者にどれほどの影響を与えたでしょうか。その功績すべてに敬意を表し、投票しました」(50歳・女性)
1位 ストイコビッチ(MF) 168票
“ピクシー”の愛称で知られるストイコビッチが、168票を集めて堂々の1位に輝きました。
イビチャ・オシム監督が率いるユーゴスラビア代表の10番として1990年のイタリアW杯で活躍したストイコビッチは、1994年にマルセイユから名古屋グランパスに移籍します。判定基準の違いや激しやすい性格もあって退場処分を受けることも少なくありませんでしたが、徐々にJリーグにフィットすると世界的なテクニシャンの本領を発揮。ドリブル、パス、シュート、フリーキックと、超高水準なプレーでゴールとアシストを量産しました。1995年には、17得点29アシストという驚異的な成績でJリーグMVPに選ばれています。
「卓越したボールテクニックとシュート技術に魅了された。中盤でのドリブルやパスでも、ゴール前のシュートシーンでも、いつも余裕のある姿に格の違いを見せつけられた」(44歳・男性)
「生で観てみたいと思う選手。キャリア絶頂期を日本で観ることができて幸せです」(39歳・男性)
「私はマリノスのサポーターだが、1人だけ選ばなければいけないとなると、やはりストイコビッチ選手。プレー全てがスペシャル。お手本になる選手だと思った。グランパスの監督時代、日産スタジアムでのマリノス戦ではバックスタンドで観戦していて、目の前で『革靴ボレーシュート』からのゴールインを目撃し、大いに感動した」(64歳・女性)
「単純に見ていて楽しい。サッカーはこんなに自由で楽しいものなんだと再認識させてくれた選手だったと思います」(44歳・男性)
雨中で見せた掟破りのリフティングドリブルや、天皇杯決勝での相手DFとGKを翻弄するフェイントからのゴール、さらに監督時代の“革靴ダイレクトシュート”など、名場面を数多く残したストイコビッチ。多くのファンが、遊び心あふれる華やかなプレーを投票理由にあげていました。
「サッカーを好きになったきっかけの選手。雨の中、リフティングしてボールを運ぶ姿を見て、サッカーをしたいと思いました!」(32歳・男性)
「リフティングドリブル。美しすぎます。監督時代の『革靴シュート』も含め、“華”で言ったら彼がピカイチだと思います」(46歳・男性)
「主審へのイエローや革靴ダイレクトボレーなど、印象的なシーンも多くて楽しませてくれました」(39歳・男性)
「選手としてはもちろんですが、監督として決めた伝説の革靴シュートも強烈に印象に残っています。適当に蹴ったように見えたのにしっかりゴールマウスをとらえ、ちょっと自分でもおかしかったのか、笑いを堪えているような表情で歓声に応えた姿もかわいらしく、いろんな意味で最強だと思います」(47歳・女性)
ジーコとの一騎打ちを制したストイコビッチが1位という、まさにレジェンドの競演となった90年代のランキング。近日中に00年代以降の外国人選手ランキングも発表予定です。そちらも楽しみにお待ちください。