【番記者の視点】G大阪、磐田MF遠藤保仁との再会で見えた課題 強度不足が招いた失点

◆明治安田生命J1リーグ第4節 磐田1―1G大阪(12日、ヤマハ)

G大阪は試合終盤に、途中出場したFWレアンドロ・ペレイラのゴールで追いつき、昇格組・磐田との一戦を何とかドローに持ち込んだ。先制点は許したが、その後は終始、試合のペースは握っていたように見えた。片野坂知宏監督はフォーメーションを何度も変え、最後はFWパトリックとレアンドロの“ツインタワー”でゴールをこじ開けた。

前向きなドロー。そんな感覚で取材に臨んだが、MF倉田の言葉には強い反省の色がにじんだ。終盤に追いついたことを「大きいっちゃあ大きい」と語りながらも「試合内容的には、勝たないといけない。みんな満足していないと思う。(問題は)前半、入りの強度の低さやと思う。このレベルで試合していても、強いチームにはならない」と振り返った。

前半15分の失点。ボールを失った場面から、磐田への完全移籍後の初対戦となるMF遠藤を起点に4本のパスをつながれ、MF大森にシュートを放たれるまで、一度もボール保持者にアタックできなかった。G大阪守備の間をついた遠藤の縦パスや、アシストした鈴木のポジショニング、さらにダイレクトで正確なシュートを放った大森と“元G大阪組”のプレーも見事だったが、攻守の切り替えで後手を踏んだ。片野坂監督も「選手もすごく気持ちを入れて試合に出ていきましたが、なかなかトップギアに上がらなかった。ハーフタイムには、切り替えのところ、パワーを出さないと、このゲームはひっくり返せない」と伝えたという。

片野坂監督が「球際、切り替えのスピード。今のサッカーはそのレベルが上がり、強度は上がっている。我々もそこで戦わないと上位にはいけない」と語ったように、今季のチームで常に強調されていた部分が、一瞬緩んだ前半の立ち上がりに不用な失点を招いた。遠藤は、磐田は、その隙を見逃さなかった。

試合後、倉田に遠藤とのマッチアップについて聞くと「やっぱりうまいっすね。独特の間合いでボールを持たれて飛び込めなかった」と振り返った。今季倉田が務めるポジションは、かつて遠藤の指定席だったボランチ。倉田はそのポジションでゲームコントロールに加えて、時には相手DFラインまでプレッシャーをかけるなど、豊富な運動量と球際の強度で、片野坂監督の目指すスタイルを体現しようとしている。くしくも遠藤との再会が、現在のG大阪が抱える課題を改めて浮き彫りにした。

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