【衝撃のJ2開幕!!】チアゴ・アウベスの“超ワールドクラス”「60メートル弾」で快勝の岡山、昨季「失点数リーグ最少2位」チームが見せた「得点力大幅増」の可能性!(1)
■木山監督就任の岡山がホームで快勝
2022年のJ2開幕節で、主役を務めたのはファジアーノ岡山だった。2月20日に行なわれたヴァンフォーレ甲府とのホームゲームで、4対1の快勝を飾ったのだ。
■【動画】岡山FWチアゴ・アウベスの“風をつかんだ”60メートル「超ロングシュート」弾!■
昨シーズン3位で昇格候補にもあげられるアウェイチームに、35分に先制された。ショートカウンターの局面からブラジル人FWウィリアン・リラに突破を許し、松本凪生に押し込まれた。
今シーズンの岡山は、木山隆之監督のもとで新たなスタートを切っている。CB井上黎生人(京都サンガF.C.)、安部崇士(徳島ヴォルティス)、MF上門知樹(セレッソ大阪)、白井永地(徳島)、FWイ・ヨンジェ(仁川ユナイテッド/韓国)らがチームを離れ、多くの新戦力を迎えることになった。
この日のスタメンでは、CBのヨルディ・バイス(京都から加入)と柳育崇(栃木SCから加入)、MF河井陽介(清水エスパルスから加入)、FWチアゴ・アウベス(ガンバ大阪から加入)ら、6人が新加入選手である。Jクラブからの移籍組はいずれも実力者だが、開幕戦は特別な緊張感に包まれる。ホームゲームで白星スタートを切りたい、との思いにも駆られる。ビハインドを背負う時間はできる限り短くしたい。
果たして、0対1とリードされた直後の36分、岡山は同点に追いつく。敵陣でのFKから柳が空中戦に競り勝ち、落としたボールを河井がペナルティエリア右から持ち出してクロスを入れる。ゴール前でフリーになっていたFW川本梨誉が、ヘディングシュートを決めた。清水からの育成型期限付き移籍を延長した20歳が、開幕戦でいきなり結果を出した。
さらに42分、今度は大卒ルーキーの22歳がネットを揺らす。またも敵陣でのFKを川本がヘッドでつなぎ、チアゴ・アウベスが収める。DFと競り合いながら残したボールを、早稲田大学から加入した田中雄大が豪快に蹴りこんだ。
木山監督は「前半は風下で少し難しいなかで、先制点を許したあとすぐに取り返し、さらに追加点を取れた。そこが勝負の分かれ目だった」と振り返る。新型コロナウイルスの影響でメンバー編成に苦慮する甲府を、前半のうちに追い詰めていった。
■チアゴ・アウベスが60メートルクラスの超ロング弾!
後半はチアゴ・アウベスが魅せる。まず52分、自陣で相手のパスミスをカットし、ドリブルでもパスでもなくシュートを選択する。60メートルクラスの超ロングシュートが、相手GKの頭上を越えてネットを揺らしたのだった。
さらに56分、ペナルティエリア内で河井からパスを受け、右足をコンパクトに振り抜く。自身2点目にして、勝利を決定づける4点目が生まれた。
清水、サガン鳥栖、そしてG大阪とJ1クラブを渡り歩いてきた29歳のブラジル人FWは、「自分が2点取ったのは嬉しいけれど、何よりも大切なのはチームの勝利。岡山をJ1へ昇格させるために来たので、開幕戦で勝つことができて良かった」と笑顔を浮かべた。
昨シーズンの岡山は15勝14分13敗で11位に終わったが、失点はリーグ最少2位タイだった。京都のJ1昇格に貢献したヨルディ・バイスと、CBながら際立った得点力を持つ柳を獲得した今シーズンは、昨シーズン同様の守備力を維持しつつ攻撃力を高めていくことがテーマになる。
オーストラリア代表FWミッチェル・デュークが得点源として期待されるが、彼は3月、6月とカタールW杯アジア最終予選に招集される可能性が高い。コロナ禍での海外渡航は不確定要素も含むだけに、デュークが使えない試合も想定しておかなければならない。その意味で、デュークがベンチスタートだった一戦で川本とチアゴ・アウベスがゴールをあげたのは、今後につながっていくだろう。