今季のJ1リーグも残り6試合。混戦の残留争いを制するのはどのチームか|J1リーグ
【国内サッカー・ニュース】ついに今季も佳境に入ってきたJリーグ。最も注目したいのは、やはり4チーム降格という厳しい状況下での残留争いだ。前節、清水エスパルスに勝利した柏レイソルは一歩前に出たが、現在降格圏ギリギリに位置する湘南ベルマーレとの勝点差が「9」と考えると、13位・柏までが残留争いに加わっていると見ていいだろう。残り6試合。残留を争うチームは、どのチームとの対戦カードを残しているかをまとめていく。
残留を確定させたい4チーム
13位・柏レイソル(37)※()内は勝点
降格圏との差が「9」ということで今回紹介するチームの中で最も安全圏にいる柏だが、残りのカードを見るとそう易々と残留が決まったと言える状況ではない。特にここからの2試合は浦和レッズ、名古屋グランパスと対戦。AFCチャンピオンズリーグ争いをしているチームとの対戦は、かなり難しい試合になることが予想されるだけに、そういった試合でどれだけ勝点をもぎとれるかがポイントとなるだろう。
その2試合を終えた後にはセレッソ大阪、アビスパ福岡、北海道コンサドーレ札幌と続く。そして最後に待っているのが、大分トリニータとの直接対決。下位陣が調子を上げている中、ここからの試合で勝点を積み重ねられないと最後が大一番となる可能性がある。ここ最近、ゴール前でのアイディアが光るMF神谷優太らアタッカー陣が、チャンスをしっかりと結実していくことが残留への近道となるはずだ。
14位・ガンバ大阪(34)
前節、浦和との試合で何とか勝点1を手にしたG大阪だが、まだまだ安全圏とは程遠い状況だ。天皇杯を残す点で過密日程になることから、まずは次節からの4連戦が一つのポイントとなる。その連戦で相対するのが、サガン鳥栖、横浜F・マリノス、大分トリニータの3つ(天皇杯では浦和と対戦)。先の二つは上位を争っているチーム、そして最後の大分は残留争いの直接対決となるだけに、ここでの勝点奪取が最後の結果につながっていきそうだ。
連戦が終わった後には名古屋と川崎フロンターレ という強豪2連戦が待つ。そして最後に迎えるのは湘南ベルマーレ。現在降格圏に沈むチームとの試合が最終決戦となるかは、それまでの戦い次第。直近の試合で増えてしまっている失点数を減らし、攻守に安定させることが鍵を握りそうだ。そういう意味でも守護神のGK東口順昭のパフォーマンスに期待したい。
15位・清水エスパルス(32)
安定感の無さを考えると、清水も苦しい戦いが続いている。直近5試合は連敗こそないが連勝もなく2勝3敗。対戦相手の兼ね合いもあるとはいえ、6月から連勝も連敗もないのは何とも言い難いところがある。現在の流れを考えれば、うまく残留争いを乗り切れるような気はするが、注目したいのが次の試合だ。前節、柏に敗れた中で、今節は川崎Fと対戦。ここで首位チームに敗戦を喫すると、久々の連敗を喫してしまうため流れが変わってしまう。その点を踏まえても今節をどう乗り切るかは一つポイントになる。
ただ、そこを乗り切れば、その後はFC東京、札幌、サンフレッチェ広島、浦和、C大阪と続く。残留を争うチームとの対戦がなく、中位陣との戦いが続くことをどう考えるか。ここに来て調子を上げてきたFWチアゴ・サンタナが終盤戦も活躍できるか注目だ。
16位・徳島ヴォルティス(29)
前節の横浜FC戦で痛恨の敗戦を喫してしまったのが徳島だ。ベガルタ仙台、鳥栖と連勝を手にし、そのまま勢いに乗っていこうとした矢先に出鼻を挫かれたのはチームにとっても痛手と言える。この状況で迎える次節が、これまた残留争いの直接対決となる大分。ここで連敗を喫するとズルズルと下がっていく可能性もあり、週末の試合は残留への第一関門となる。勝利が不可欠な試合となりそうだ。
その後は、C大阪、神戸、FC東京、湘南、広島との試合が待っている。上位陣では神戸、残留争いのライバルでは湘南との対戦を残す。特に現在、湘南との勝点差は「1」。そこまでに順位の入れ替わりもある可能性があるが、何にせよ近い順位間にいることは間違いない。残り6試合を考えたときに、そこも一つのポイントになるだろう。キーマンは好調のFW垣田裕暉。現在、2試合連続2ゴールと調子を上げつつあるストライカーには、チームを救うゴールを期待したいところだ。
降格圏を脱出できるか
17位・湘南ベルマーレ(28)
下位陣で現在、調子を落としているチームを挙げるなら湘南か。前節の鳥栖戦こそ1-1のドロー決着に終わったが、リーグ戦では6試合勝星なし。また、天皇杯を含めても、9月上旬に山口智監督が就任してから一つも勝利を手にすることができていない。この状況をいち早く止め、勝点を積み重ねていかなければ、浮上することはできないだろう。
そんな湘南にとって大一番となるのが次節だ。対戦相手は現在19位の横浜FC。下位に位置しながら両者の調子は真逆に近いが、ここでライバルを蹴落とせるかで大きくその後の戦いが変わってくる。横浜FC戦を終えると、札幌、広島と対戦し、ラスト3試合が全て残留争いのライバルとの対決となっている。仙台、徳島、G大阪との3連戦が待っていることを考えると、湘南が残留争いの鍵を握るチームと言っていい。キーマンはチーム内得点王のFWウェリントン。彼がどれだけゴールを奪えるかで湘南の行末が決まってきそうだ。
18位・大分トリニータ(27)
ここに来て調子を上げているチームの一つが大分である。直近5試合を振り返っても、3勝1分1敗で失点がわずかに1。チーム一丸となった守備は仙台や湘南との直接対決で光り、勝点の積み重ねに成功した。この流れを続けていけば、降格圏から抜け出すことも決して難しい問題ではないと言えるだろう。
ただ、前述の湘南同様、大分も残留争いの鍵を握るチームの一つとなる。まず次節に徳島との直接対決が待つ。互いに負けられない一戦となるが、大分としては2015年以来、徳島から勝利を手にすることができていない。この大一番で難敵を倒せるかは、今後に影響を与えてくるはずだ。またその後、福岡、G大阪、鹿島と続き、横浜FC、柏と対戦する。G大阪、横浜FC、柏は残留争い直接対決になる可能性を秘めており、大分は最後まで気の抜けない試合が続く。堅守に加えて、好調MF町田也真人を中心に攻撃陣がゴールを奪うことで降格圏を抜け出したい。
19位・横浜FC(25)
大分と同様に調子を上げてきているもう一つのチームが横浜FCだ。残留圏となる16位の徳島とは勝点4差。ここ3試合で2勝1分と結果が付いてきていることを考えれば、残り6試合で差をひっくり返す可能性は低くない。それこそ前節は徳島との撃ち合いを制して勝利。チームとしてもラストスパートをかけており、ここから一気に勝ち点を積み上げていく雰囲気すら感じさせる。
前述したように次節は湘南との大一番が待つ。ここで勝点3を取れば、まずは湘南に並ぶことができる。横浜FCにとっては勝利が不可欠な試合となるだろう。湘南戦を終えると、鳥栖、福岡、神戸と戦い、37節で大分と直接対決。そして最後に札幌との対峙することになる。ポイントは大分戦までにどれだけ上との差を縮めることができるか。その時点で降格圏を脱出することができていれば、大きく残留に近づけそうだ。キーマンは救世主の活躍を見せるFWサウロ・ミネイロ。絶対的エースのプレーから目が離せない。
20位・ベガルタ仙台(23)
順位を含めて非常に厳しい状況に陥っているのが最下位の仙台である。直近4試合は1分3敗。それも清水、徳島、柏、大分と残留を争うライバルに対して勝点を積み上げることができなかったのは、さらに自分たちを追い込むことになってしまった。
残りの対戦カードを見ても仙台には茨の道が待つ。今節に広島と対戦してからは、神戸、名古屋と、ACL争いを繰り広げるチームと激突。その先に湘南との直接対決を迎え、さらに先には福岡、鹿島との対戦が待ち受けている。仙台としては直近16試合で1勝という状況を跳ね返し、ここから連勝することができるかがポイント。キーマンに推したいのは先発出場を続けるFW赤崎秀平だ。攻撃陣でフル稼働している彼にゴールが生まれてくれば、ピッチに変化を促すことができるだろう。