絶対的フォワード不在でも…攻撃性能を発揮した山中亮輔【浦和対G大阪】90分プラスの劇的展開(2)
【明治安田J1リーグ 第32節 浦和レッズvsガンバ大阪 2021年10月16日 15:04キックオフ】
特に、強い対人守備だけでなく縦へのパス、そして自ら持ち上がるプレーも積極的に見せるアレクサンダー・ショルツが左のセンターバックにいることで、山中亮輔が攻撃性能をいかんなく発揮した。左サイドから幾度となく決定的なクロスが入り、ガンバがそこに人数をかけるようになれば江坂任が中央からゴールに迫り、とワンサイドゲームとなった。
中央からリズムを作っていた平野佑一は「簡単に外、外、外とテンポを出していけば外からも崩せるし、外に行けば間からも崩せる」と試合を振り返ったが、プレスに襲われずに考える時間が存分にある状態の浦和はそれを見事に実行した。前半だけで3-0、のような結果でもおかしくないほどだったが、ゴールだけが生まれなかった。
終わってみれば、点取り屋のキャスパー・ユンカーが内転筋周りの違和感で大事を取ってメンバー外となったことが悔やまれる試合となってしまったが、汰木康也や江坂のポジショニングの良さや、柴戸海が後方に加わってショルツが大きくせり出す形で山中を活かせること、ゴールが生まれなくてもひたすら自分たちの形をやり続けることなど、絶対的なセンターフォワードがいない中でチームとしてポジティブな要素が多く見られた。
■負けないのではなく勝つ試合を
ACL出場権獲得に向けて、負けないのではなく勝つ試合を続けていかなければならないが、パトリックが同点であれほど喜ぶほどの強さを出せてはいる。 「決まりだしたらもっと上に上がっていく」(山中)と信じて今の戦い方で突き進むしかない。プレスを受けた時の改善がどうなっているのかも、これからの試合で見ることができるだろう。
■試合結果
浦和レッズ 1-1 ガンバ大阪
■得点
90+1分 江坂任(浦和)
90+4分 パトリック(ガンバ)