脱いだG大阪・パトリックが試合後に漏らした「浦和への本音」【浦和対G大阪】90分プラスの劇的展開(1)
【明治安田J1リーグ 第32節 浦和レッズvsガンバ大阪 2021年10月16日 15:04キックオフ】
90+4分、同点となるPKを決めたパトリックはユニフォームを脱いで喜びを爆発させた。これだけの情報ならば、試合終了直前の劇的な同点ゴールに相応しい光景に思えるが、そういうわけでもなかった。
ゴールが決まったのは90+4分だが、PKを獲得したのは91分台だった。
浦和が先制したのは90+1分のことだ。ガンバは試合が再開してすぐ、30秒もかからずにPKを獲得した。アディショナルタイムの表示は7分。ガンバは一気に勢いに乗って逆転勝利に突き進んでもおかしくなかったが、パトリックはボールを取って再開を急ぐのではなく喜びを爆発させた。
ようやくハーフウェイラインまで戻ってきてからも、手の動きだけで済ませる簡易的なものではなく、しっかりと膝をつくポーズをとって神への感謝を示した。ちなみに、それが浦和のベンチに向かってやる形になってしまったことに気づいたパトリックは、両手を合わせてお辞儀をして謝り、スタンドの浦和サポーターにも、煽ったわけではないんだ、というジェスチャーを見せている。
神への感謝は欠かせないものだが、ユニフォームを脱いでイエローカードと引き換えに喜ぶ場面だったのだろうか。勝利への強い意欲を全面に押し出す存在である彼が再開を急がなかったことは意外だった。
■パトリックが試合後に漏らした「めっちゃきついわ」
その後双方に再び決定機があった(結局決まらなかった)ことは関係なく、この時点でなぜ喜びを爆発させ、同点で終えられることに満足したのだろうか。
それは浦和が強かったからだ。
試合後のインタビューで、パトリックは勉強を続けている日本語で「ほんと大変。浦和、めっちゃきついわ」と漏らした。それだけこの試合の浦和は良かった。勝利を強く欲するだけでなく、浦和とタイトル争いを繰り広げていた時代を体験している選手でもあるパトリックがそう判断するくらい、リカルド・ロドリゲス監督が作っている新しいチームは強さを見せた。
ヴィッセル神戸戦、セレッソ大阪戦、と相手の鋭いプレスに大苦戦させられていた浦和だったが、この試合ではガンバが構える形になったことでのびのびとプレーすることができた。