来季J1で戦えるチームはどこだ! 佳境迎えた「残留争い」&「昇格争い」の行方
秋も深まった10月、W杯アジア最終予選で森保ジャパンが“崖っぷち”の戦いを強いられた傍ら、Jリーグでは“残留&昇格争い”が佳境を迎えている。
「J1残留争い」では15日現在、20位の横浜FC(勝点22、得失点差-41)から19位の仙台(勝点23、得失点差-26)、18位の大分(勝点24、得失点差-27)、17位の湘南(勝点27、得失点差-7)までの4チームが自動降格圏。残り7試合であることを考えると、16位の徳島(勝点29、得失点差-18)、15位の清水(勝点32、得失点差-14)、14位のG大阪(勝点33、得失点差-14)、13位の柏(勝点34、得失点差-12)までが“危ない位置”にあると言える。
夏以降の変化としては、5月から11戦勝利なしだったC大阪が、8月末から9月頭にかけての4試合で3勝を挙げて勝点39の12位にまで盛り返したこと。反対に、コロナ禍での延期分を消化して“安全圏”に入ったかに思えたG大阪が、8月下旬からの7試合で1勝1分5敗と黒星が先行し、再び危険が迫っていること。何より、7月まで2勝5分15敗で断トツの最下位だった横浜FCが、夏の移籍期間に新外国人を大量補強した効果で8月以降は3勝2分4敗と健闘し、残留ラインの16位まで勝点差7まで詰めたことだ。
下位チームから順位別に最近3試合の成績を見ると、横浜FCが1勝1分1敗(4得点7失点)、仙台が1分2敗(2得点4失点)、大分が1勝1分1敗(1得点1失点)、湘南が1分2敗(2得点4失点)、徳島が2勝1敗(5得点3失点)、清水が2勝1敗(4得点4失点)、G大阪が1勝2敗(4得点9失点)、柏が1分2敗(2得点6失点)。横浜FCの出入りの激しさと大分の得点力不足、G大阪の不安定な守備が目立つが、果たしてどう影響するか。この代表ウィークの間にどうチームを立て直し、戦い方を再確認し、自信を取り戻せるかが重要になる。
そして命運を左右するのが、今週末の第32節と来週末の第33節である。今週末の10月16日に横浜FC対徳島(20位対16位)、清水対柏(15位対13位)、同17日に大分対仙台(18位対19位)が直接対決。さらに来週末の10月23日には、湘南対横浜FC(17位対20位)、徳島対大分(16位対18位)が控える。様々な思惑が混じり合う中、最下位の横浜FCが徳島を下せば、残留圏まで勝点4。2連勝できれば、残留争いが混沌とする。だが、横浜FCがここで2連敗すれば、ほぼ残留は不可能なものになる。
一方、J2の上位2チームが自動昇格する「J1昇格争い」は、早くも結果が見え始めている。現在、全42節中33節を終え、首位が磐田(勝点72、得失点差+27)で2位が京都(勝点70、得失点差+25)。3位以下が、長崎(勝点61、得失点差+16)、新潟(勝点60、得失点差+23)、甲府(勝点60、得失点差+21)であり、残り9試合ではあるが、磐田&京都の2強で“ほぼ決まり”の状況となっている。
2シーズンぶりのJ1復帰を目指す磐田は、鈴木政一監督の下で攻守に連動したアグレッシブなサッカーを目指し、序盤こそ苦しんだが、5月から7月にかけて8戦8勝の快進撃を見せると、8月以降も7勝3分で10戦負けなしを継続中。中盤でレジェンドMF遠藤保仁がゲームをコントロールし、最前線では優良助っ人FWルキアンが得点源だけでなくチャンスメークとしても機能し、チームの完成度は非常に高いものになっている。
2010年シーズン以来のJ1復帰を目指す京都も、エースFWピーター・ウタカを筆頭に高い個人能力を持つ選手が揃い、4月から6月にかけで15戦無敗(11勝4分)を記録。リーグ最少の27失点(33試合)の堅守もあり、安定感抜群の戦いを続けた。昨年からサッカー専用の新競技場サンガスタジアムを本拠地として使用しており、新時代到来への機運が高まっている状態。過去に何度も昇格と降格を繰り返してきた歴史があるが、今度こそJ1定着が叶う予感を漂わせている。
J1参入プレーオフは行われず、今季の昇格は上位2チームのみ。磐田対京都の直接対決が11月7日の第38節に組まれているが、そこでJ1昇格が決まる可能性がある。例えそこで敗れたとしても、これまでの試合内容、保有戦力を見る限り、大きく調子を崩すことは考えいくい。最終節までもつれ込みそうなJ1残留争いを横目に、J1昇格は早めに、このまますんなりと決まりそうだ。