堂安律、高2で誓った「東京五輪で金メダル」目標は今も変わらず…「反骨心」という才能

6年前に思い描いた姿で、MF堂安律(23)=PSV=は東京五輪を迎える。2015年、G大阪でプロデビューした高校2年生は「東京五輪で金メダルを取りたいです。主役になれるチャンス。その時は日本代表に入って、欧州で活躍しておかないと。金メダルなんて言えないですよね」と屈託なく笑っていた。その言葉通り、日本代表、欧州でもまれた経験を携え、この舞台にたどり着いた。

一番の武器は、重圧や批判などの外圧をエネルギーに変えるタフさだ。そのスタイルのきっかけになったのが小学4年生時、C大阪のセレクションに不合格となった挫折。「絶対中学ではC大阪からオファーをもらって、断ってやる」と誓いを立てた。その通り、中学ではC大阪からの誘いを断りG大阪ジュニアユースへ。この経験が原点となった。

G大阪ジュニアユースで堂安を指導した鴨川幸司監督(現FCティアモ枚方アカデミーダイレクター)は、堂安を初めて見た印象を「家長や宇佐美を最初に見たインパクトほどではなかった」と思い返す。家長昭博(川崎)や宇佐美貴史(G大阪)らの中学時代と比べるとスピードなどで劣り、突出した才能を見せていたわけではなかった。

ただ、鴨川監督は「誰にも負けへんぞ、というメンタリティーがあった。うまいな、で消えていく選手はいっぱいいた。今思えば、律は消えていく選手と全然違った」と語る。家長や宇佐美との比較は、堂安を奮い立たせる最高のスパイスだった。G大阪でともにプレーした宇佐美も「高2で(プロに)来たときから、負けてたまるか、と気の強さは感じていた。海外に行って、メンタルのずぶとさもさらに増した」と語る。

メンバー入りが決まった際「目標は金メダル。期待をパワーに変えられるように頑張ります」と改めてぶれない目標を掲げた。五輪での背番号は10。エースナンバーの期待と重圧は、さらに堂安を奮い立たせる。

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