【J1採点&寸評】松本×G大阪|松本の勝利は目前だったが……倉田の劇的な同点弾でG大阪が勝点1をもぎとる SOCCER DIGEST Web 9月20日(日)20時42分配信

失点に絡んだ喜山、岩間は厳しく採点。2トップは及第点以上の働き。

【試合内容】
互いに持ち味を出し切った末、1-1のスコアで勝点1を分け合う結果に。

先手を取ったのはホームの松本。7分、右サイドを攻略すると、田中のクロスからオビナが豪快にネットを揺らす。その後は自陣ゴール前で粘り強く守る松本に対し、G大阪が一方的に攻める展開となる。

迎えた後半、G大阪は倉田を投入し、4-2-3-1へのシステムチェンジなどで攻勢を強めたが、なかなか松本ゴールをこじ開けられない。

このままタイムアップかと思われたアディショナルタイム、宇佐美のクロスを倉田がヘッドで押し込み、G大阪が土壇場で同点に追いついてみせる。

G大阪にとっては劇的な、松本にとっては悔しさが残るドローゲームとなった。

【チーム採点・寸評】
松本 6
7分に幸先良く先制点を奪った後は、全員がよく走り、よく耐えた。それでも、前節同様、アディショナルタイムに同点ゴールを許してしまうあたりに、チームとしての未成熟な部分が垣間見える。格上相手に引き分けという結果は悪くないが、ダメージのほうが大きい勝点1だった。

G大阪 5.5
ACL準々決勝第2戦で出場停止だった宇佐美を含め、中3日で迎えたこの試合では、全北現代戦から先発5人を入れ替えて臨んだ。早い時間帯に先制を許し、苦しいゲーム展開となったが、最後の最後に途中出場の倉田が殊勲の同点弾を決めて、最低限の結果を手にした。

【松本|採点・寸評】
GK
1 村山智彦 6
宇佐美の枠内ミドルを二度防いだほか、クロスに対しても果敢に飛び出してピンチを未然に阻止。最後の失点はGKを責められない。

DF
11 喜山康平 5.5
不慣れながらも、3バックの左で2試合連続の出場。アグレッシブに戦ったが、倉田への寄せがあと一歩足りず、痛恨の失点を許した。

4 飯田真輝 6
187センチの長身を存分に活かし、自陣ペナルティエリアに“鍵”を掛けた。だからこそ、守備陣のリーダーとしては最後の失点が悔やまれるだろう。

30 酒井隆介 5.5
3バックの右でプレーし、時折見せるオーバーラップで攻撃を活性化。それでも、存在感は希薄だったか。

MF
36 安藤 淳 6
左ウイングバックとして出場し、及第点の出来。特に攻撃面ではセンスを発揮して、いくつかのチャンスを演出してみせた。

5 岩間雄大 5.5
アンカーとしてG大阪の強力な攻撃陣に対峙。失点シーンでは宇佐美のクロスに反応したものの、撥ね返せず……。

3 田中隼磨 6.5
右サイドで攻守両面において出色のパフォーマンス。オビナの先制ゴールをアシストしたクロスは見事だった。

26 キム・ボギョン 6
加入後、自身初のホームゲームでスタメン出場。際立ったプレーは少なかったものの、献身的な働きで中盤を引き締めた。

8 岩上祐三 5.5
セットプレーではフリーの飯田に合わせられないなど、精度が今ひとつ。流れのなかでは精力的に振る舞い、チームを鼓舞した。

FW
23 工藤浩平 6.5
豊富な運動量を武器に前線をかき回した。鋭い飛び出しと的確な落としで、先制点の起点になるプレーも。

9 オビナ 6.5
7分の先制弾は、ふたりのDFをものともせずに力強く右足を振り抜いた。その後は攻守ともによく走るなど、要所で頼りになった。

交代出場
MF
6 岩沼俊介 6
64分にキム・ボギョンとの交代で途中出場。特大のインパクトを放ったわけではないが、地道にスペースを埋めるなど、計算できる戦力として奮闘した。

FW
39 阿部吉朗 ―
オビナと2トップを組み、前線から圧力をかけたが、時計の進め方にベテランらしい老獪さが欲しかった。

監督
反町康治 6
打つべき手は打ち、格上相手との大一番で互角の戦いに導いた。交代カードを一枚残したのも、相手のパワープレーに対して現状維持が次善の策だと判断したため。

ACLでヒーローになった米倉だが、この日は不発に終わる。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
失点シーンは相手のオビナを褒めるべきか。出番自体は少なかったが、的確なプレーでゴールを守った。ただ異議でもらったイエローカートは余計だった。

DF
14 米倉恒貴 5
劇的なゴールを決め、ACLでチームを4強に導いたヒーローもこの日は不発。7分の失点に絡んだほか、クロスの精度も物足りなかった。

5 丹羽大輝 6
試合全体を通じて、数少ない守備の局面で冷静に処理するなど、CBの仕事はほぼ問題なくこなしていた。

6 金 正也 5.5
オビナに対して、終始後手を踏んだ印象。負傷欠場した岩下の代役としては、少なからず迫力に欠けたか。

4 藤春廣輝 5.5
効果的なオーバーラップを繰り出し、左サイドの攻防で優位に立つ。とはいえ、フィニッシュに絡むことはできなかった。

MF
15 今野泰幸 6
巧みなポジショニングで中盤を支えながら、相手のラフなロングボールのこぼれ球をよく拾っていた。

21 井手口陽介 5
21試合ぶりの先発出場も、気合いが空回りしたか。パスやシュートでミスが頻発し、前半のみのプレーで交代を命じられた。

13 阿部浩之 5.5
正確なクロスを何度か供給するも、ゴールには結びつかず。相手に脅威を与えるだけの怖さが少々足りなかった。

7 遠藤保仁 5.5
攻撃のタクトを振るったが、決定打を欠く。得意のプレスキックでも、本来のキレがなかった。

FW
39 宇佐美貴史 6
“消える”時間帯も少なからずあったが、アディショナルタイムに左サイドからの質の高いクロスで倉田の同点弾をお膳立て。

24 赤嶺真吾 5
リーグ戦初スタメンで宇佐美と2トップを組み、前半にシュート3本と気を吐いたが、それでも特筆すべき活躍は見られず。

交代出場
MF
11 倉田 秋 6.5
後半のスタートからピッチに立ち、惜しみないスプリントでチームの力になった。そして最後は勝点1をもぎとる値千金の同点弾をゲット。

FW
29 パトリック 6
前線の基準点となり、エリア内でも危険な存在に。ゴールは奪えなかったものの、圧力をかけて相手を疲弊させた。

MF
19 大森晃太郎 ―
78分に途中出場して、右サイドを任されたが、思うようにプレーに絡めず。積極的に仕掛ける姿勢を見せたかった。

監督
長谷川健太 5.5
中3日の連戦で先発5人を入れ替えたが、攻めあぐねるチームを好転させる策を見出せず。選手の頑張りでなんとか痛み分けに持ち込んだ。

Share Button