G大阪、驚きの黒川先発 宮本監督、超過酷日程へ早くも“脱固定メンバー”

就任4年目となるガンバ大阪の宮本恒靖監督(44)が、早くも夏場の超過酷日程に向けた準備に着手した。

7日のアビスパ福岡戦は今季3試合目で、前節サンフレッチェ広島戦から先発を5人も変更した。新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生の影響で、G大阪は2週間の活動休止をはさみ、広島戦は35日ぶりの試合だった。この福岡戦が中3日で、早くも“脱固定メンバー”の方向性を強く打ち出した。

広島戦を前に、宮本監督は「全員が試合に出られるように準備しておく。限られたメンバーで1年を戦うのは非常に厳しい」と説明していた。福岡戦後は「やはり5、6月ごろからずっと連戦を戦っていくにあたって、チーム全体を上げていく必要がある」と改めて語っている。

3月の中止になった全6試合のうち、5試合は7、8月の東京五輪開催中に組み込まれた。既に決まっていた前後の計4試合を加えると、28日間で9試合の計算になる。1次リーグから出場するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を含め、今後は満足な休息の時間はない。

福岡戦は入れ替えた先発5人のうち、サプライズは元日本代表DF藤春を休ませ、関大から入団2年目を迎えた黒川をJ1初先発に抜てきしたこと。新人だった昨季はわずか、計4分間(2試合)しかプレーさせていない左サイドバックを大胆に起用した。

そして「(黒川の)攻守においてエネルギッシュなところが見られた」と一定の評価を与えた指揮官。「今回の先発は、人生のターニングポイントになる」と意気に感じた23歳。福岡の攻撃にひるまず、推進力を発揮した姿は見事だった。

さらに昨季新人で大活躍のMF山本をベンチに置き、韓国代表の新助っ人MFチュ・セジョンを、安定感のあるFWパトリックではなく、同じブラジル人で新加入のFWレアンドロ・ペレイラも初先発に起用。固定メンバーへの依存度を極力減らす思惑が、垣間見えた。

「その都度、いろんなものを準備して、選手の状態を見極めつつやらないといけない。今年はかなりの連戦になる。いろんなプランを用意してやっていきたい。そういう意味では昨年とは少し違う」

今後は元日本代表GKの東口を温存する日がくるかもしれない。正守護神は19、20年とJ1で全34試合フルタイムに出場し、今季も出場し続けている。ただ5月に35歳になり、第2GKの底上げも必要だ。

細心のチームマネジメントを行うがゆえに、早くも大胆な選手起用に打ってでた青年監督。開幕からの成績は2分け1敗と未勝利だが、目先の試合だけにこだわらず、1年を通しての勝負に挑む。コロナ禍で背負った計6試合中止(延期)というハンディを、どう克服していくか楽しみだ。

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