【開幕特集】G大阪、攻撃力武器の“スタイル復活”をかけ新布陣を導入 「今年のキー」は中盤トリオ

G大阪は今季から新システムの「4-3-3」を導入

ガンバ大阪は昨季のJ1リーグを2位でフィニッシュし、天皇杯も決勝まで進出したものの、“二冠王者”川崎フロンターレの壁を超えることはできなかった。今季は4年ぶりに出場するAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と並行して、6季ぶりのタイトル奪取を目標に掲げるなか、“ガンバらしさ”を取り戻すべく新システムも採用。昨季培った守備にプラスして攻撃力に磨きをかける。「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」は、J1開幕戦を総力特集。ヴィッセル神戸との“阪神ダービー”から今季の戦いをスタートさせるG大阪の注目ポイントを紹介する。

今季の“ヒーロー”候補となるのは、まず成熟した中堅からベテランの力だ。新戦力の韓国代表MFチュ・セジョンと縦横無尽にピッチを駆け回るMF井手口陽介が中心となって支える中盤、エースFW宇佐美貴史の爆発力が欠かせない。

今季新加入のチュ・セジョンは2012年に釜山アイパークでプロデビューし、16年にFCソウルへ移籍。18年からは期限付き移籍先の牙山ムグンファFCでプレーしていた。韓国代表として国際Aマッチ28試合に出場する30歳MFは、2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)や19年アジアカップのメンバーに選出された。ロシアW杯ではメキシコ戦とドイツ戦の2試合に出場。ドイツ戦では、後半アディショナルタイムに19年からG大阪でプレーする韓国代表DFキム・ヨングォンが先制点を挙げた後、FWソン・フンミン(トッテナム)の追加点を演出していた。

オールマイティーにプレーできるチュ・セジョンは、宇佐美が「今年のガンバのキー」と話す新システム「4-3-3」の中盤3枚でFWとDF陣を結びつける“潤滑油”の役割が求められる。

もう1人、中盤で欠かせない存在として注目されるのが井手口。昨季は終盤に負傷離脱したものの26試合4得点でチームの2位躍進に貢献。10月度には平均走行距離11.421kmをマークし、7試合のフル出場で8回のインターセプト、34回のこぼれ球奪取、1ゴールを記録して月間MVPを受賞した。攻守の要として、今やG大阪の“心臓”とも言える逞しさを身につけた。

また、昨季に大卒ルーキーでMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)の“後継者”として主力を担ったMF山本悠樹の存在も光る。20日に行われた今季最初の公式戦、富士ゼロックス・スーパーカップの川崎フロンターレ戦(2-3)ではアンカーでフル出場。攻守において高い強度でチームを牽引し、2年目となる今季はさらなる飛躍に期待がかかる。

さらに中盤の競争は激しく、抜群の攻撃的センスを持つ背番号10のMF倉田秋、柔らかいタッチで創造的なパスを演出するMF矢島慎也らがスタメンを狙う。今季は層の厚さもうかがえる。

昨季6得点の宇佐美が得点量産できるか、“ゴールに近い位置”でのプレーに集中

攻撃的なスタイルを再構築するうえで得点力向上のカギを握るのは、やはりエース宇佐美だろう。新加入選手のレアンドロ・ペレイラ、チアゴ・アウベスに加えて、昨季チーム最多の9ゴールをマークしたパトリック、横浜FCから復帰した一美和成や若手コンビの川﨑修平と唐山翔自らが得点源として期待されるFW陣。そのなかでも、G大阪アカデミーで育った宇佐美は今年で29歳を迎える。昨季は人生で初めて筋肉系の負傷に悩まされた。身体の“転換期”を実感し、「選手としてキャリアを長く持たせるため、パフォーマンスを維持するためにもっともっとプラスアルファのトレーニングが必要」と、今オフはジムに通う回数を増やした。

昨季は6得点に終わった宇佐美がどこまでゴールを重ねることができるのか。中盤3枚との連係に力を注ぎ、宇佐美自身も「前で張ってフィジカルで抑えてというタイプでもないから、試合ごとに臨機応変にやりたい。でも、ベースは前の選手やし、前で仕掛けて仕留めるというプレーができれば」と、ゴールに近い位置でプレーすることを心がけていくという。

新システムを採用し、攻撃に厚みを持たせるG大阪。20日の富士ゼロックス杯では2点リードを許すも、昨季3度敗れた川崎相手に追いつく粘り強さを見せた。かつて宮本監督が主力として活躍していた2005年のJ1リーグ優勝に始まり、08年のACL制覇など毎年のようにタイトルを獲得した当時は黄金時代と呼ばれ、魅力的な攻撃を武器にJリーグを盛り上げた。当時を彷彿とさせるような“ガンバ・スタイル”の再来に注目だ。

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