G大阪ACL4強 敗退寸前に米倉ロスタイムV弾 日刊スポーツ 9月17日(木)8時6分配信

<ACL:G大阪3-2全北>◇準々決勝第2戦◇16日◇万博

G大阪が劇的勝利で7年ぶりのベスト4進出を決めた。ホーム全北戦は2-2の後半ロスタイム、日本代表DF米倉恒貴(27)が左足で決勝ゴールを挙げ競 り勝った。引き分けではアウェーゴールの差で敗退していたが、主将MF遠藤保仁(35)の判断で米倉が攻撃的な位置に上がり、一進一退の激戦に決着をつけ た。2戦合計3-2とし、優勝した08年以来の4強進出。日本勢唯一の勝ち残りとなり、30日、10月21日の準決勝では広州恒大(中国)と対戦する。

信じて走り切った。2-2の後半ロスタイム。DF金からのパスを米倉がゴール前まで走り、倒れ込みながら左足で決めた。米倉は「(ボールが)来ることをイメージしていないと走れない。サイドバックでもそう。こんな劇的ゴール取ろうと思っても取れない」と、涙を浮かべた。

劇的弾の舞台裏では、アジア王者を経験する主将の采配が光っていた。2-2で後半は残りロスタイム4分。引き分けでは敗退だった。遠藤は自らの判断で3 バックに変更させた。DF岩下に「お前と藤春、大輝(丹羽)の3人で守ってくれ」と頼み、米倉と金を前へ上げた。結局、この2人が値千金の1点をつかみ 取った。主将は「ヨネ(米倉)は競り合いながらよく決めてくれた」。主将は全3得点に絡む活躍だった。

苦しい展開だった。前半13分にPKで失点。1分後に遠藤のFKを起点にすぐに取り返すも、まだ1-1。すると後半31分、主将からパスを受けた倉田が 思い切り左足を振り抜いた。相手DFに当たるも勢いそのまま、ネットに突き刺した。倉田は「相手に当たったから自分のゴールにならないかと思った。俺たち は1次リーグから厳しい戦いを勝ち抜いてきたから」。

7年ぶりの準決勝への切符をつかんだ。相手はアジア最強の広州恒大。日本代表DF丹羽を出場停止で欠くが、今のG大阪に怖いものはない。遠藤は「誰が出 てもいいように日々練習している。全員を信じてやりたい」。アジア王者の夢を再現するため、もう1度一丸になる。【小杉舞】

◆アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)決勝トーナメント 1次リーグを勝ち抜いたベスト16によるトーナメント。すべてホームアンドアウェー方 式。2試合の得失点差で並んだ場合、アウェーゴール数、それでも並べば第2戦終了後に延長、PK戦を実施。優勝すれば12月のクラブW杯の出場権と賞金 150万ドル(約1億8000万円)を獲得。

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