<サッカーACL>ガ大阪、一瞬のスキ逃さず 毎日新聞 9月17日(木)0時30分配信

○ガ大阪3-2全北(韓国)●(サッカーACL・16日)

後半ロスタイムに入り、試合終了が近づいていく。スコアは2-2。「アウェーゴール」が、ガ大阪に重くのしかかっていく。このまま試合終了を迎えれば敗退する。

敗退濃厚の重苦しい雰囲気を、途中出場した日本代表の米倉が振り払った。前線中央にとどまってフリーになっていた金正也(キム・ジョンヤ)へパスが通 る。そして抜けだした米倉にラストパスがつながる。米倉は相手を背負いながらペナルティーエリア内に入り、最後は左足で蹴り込んだ。「勝つことがすべて だった」。ロスタイム直前の同43分に同点に追い付かれた後の勝ち越しという劇的な展開に、選手は大喜び、そしてベンチはお祭り騒ぎ。「ちょっとはしゃぎ すぎました」と長谷川監督がピッチに足を踏み入れ、初めての退席処分となるおまけまでついた。

韓国のリーグ王者に苦しめられた。序盤から相手は出足が鋭く、中盤での競り合いはことごとく負けた。エースの宇佐美を出場停止で欠いた。それでも「運もあったが、最後まであきらめなかった」と遠藤。相手の攻撃に耐え、一瞬のスキを逃さなかった。

1次リーグで敗退の危機に陥りながらも巻き返し、Jリーグ勢唯一の準決勝進出。4強はガ大阪にとって、優勝した2008年以来のこと。「監督はアジアを制すると言っている。選手も同じ」と遠藤。Jリーグ勢最後のとりでは、アジア制覇を夢で終わらせるつもりはない。

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