生粋のサポ、2年前の天皇杯でゴールも。関西学院大3年FW山見大登が22年シーズンからG大阪加入!
ガンバ大阪は7日、関西学院大のFW山見大登(3年=大阪学院大高)が、2022年シーズン新加入選手として仮契約したと発表した。山見は、50mを6秒ジャストで走るスピードを活かしたドリブルが武器のストライカー。加入にあたって、山見は「地元が豊中市なので、ずっと小さい頃からガンバを応援していた。パナソニック・スタジアム吹田でガンバのユニフォームを着て、活躍したいと思っていたので、加入が決まって嬉しい」と喜びを口にした。
高校時代、暇を見つけてはゴール裏で声援を送っていたほど、生粋のG大阪サポーターが、憧れのチームへの加入を決めた。高校時代はほぼ無名で、「高校でサッカーを辞めようと思っていた」。実際、高校2年生のコース選択では、建築関係の仕事に携わる父に憧れ、理系のコースを選択したが、高校3年生になったタイミングで、関西学院大OBである小野原明男監督に関学への進学を勧められ、心が変わった。
「やるからには負けず嫌いなので、上を目指してやりたい」。そう振り返る山見は、大学に入学してすぐに交代の切り札としてAチームでの出番を掴んだ。一躍脚光を浴びたのは、入学して2か月ほどで挑んだ天皇杯2回戦のG大阪戦。途中出場でピッチに入った山見は、見事なカットインから決勝点をマークし、ジャイアントキリングの立役者となった。「ガンバ戦で意識が変わった。通用しない部分もあったけど、通用した部分も多くて、自分の中で自信になった」。
大学に入ってからは、ドリブルとシュートの精度が向上。また、DF裏への抜け出し一辺倒だった高校時代と比べ、足元でボールを扱う技術も高くなった。その結果、2年目の昨年は得点ランキング4位の11得点をマーク。今年3月に行われるはずだったデンソーカップの関西学生選抜にも選ばれた。
そうした活躍が評価され、今年3月上旬にはG大阪の練習に参加。「紅白戦では自分の特徴であるドリブルやシュートから、点が獲れた。攻撃面で自分の特徴を出せたと思うし、そこを評価されていると思ったからこそ、結果を残していかなければと思えた」。その一方、攻守の切り替えや守備の強度は課題を痛感し、以降の練習で切り替えの速さを意識するようになった。
関学の先輩であるMF山本悠樹が関西学生サッカーリーグでの山見の映像をチェックし、ガンバのFWとして活躍するためのアドバイスをしてくれたのも大きかったという。また、サガン鳥栖のFW林大地も小学生時代に所属した千里ひじりSCの先輩で、「悠樹くんや、大地くんが1年目から活躍しているのは、刺激になる。自分もプロで点を決めて活躍したいという想いが強かった」。
シンデレラストーリーのような大学での活躍によって、掴んだプロのステージだが、ここで終わりないことは山見自身が一番理解している。「宇佐美(貴史)選手やパトリック選手がいて、レベルが高いチームであるのは間違いない。そこでも、結果を残していかないとプロの世界では通用しない。もう一度あのピッチに立って、歓声を浴びたい」。パナソニック・スタジアム吹田は、サポーターとして熱狂してきた舞台だが、今後は自らの活躍によってサポーターを熱狂させるつもりだ。