【G大阪】第3の全盛期を迎えたパトリック 彼を駆り立てる“息子の言葉”
G大阪FWパトリック(33)が10日、神戸戦(11日・パナスタ)を前にオンライン取材に応じ、2位死守と5年ぶりのタイトル獲得への決意を明かした。今季がG大阪在籍6年目となるブラジル人FWは「自分の中の目標として思い描いているのは、来年1月1日に(天皇杯)決勝を戦っていること」と、2位以内を死守して天皇杯のタイトルを目指すという野望を語った。 今季はここまで5ゴールに加え、抜群の高さやポストプレーで攻撃に幅を与え、11戦無敗と好調なチームの原動力となっている。開幕当初はチーム内でも4番手FWだったが、現在は欠かせない存在だ。14、15年にはG大阪の主戦FWとして2年間で公式戦21ゴールを奪って計4つのタイトル獲得に貢献。16年に右ひざに全治8か月の大けがを負ったが、復活して17年には広島で公式戦24ゴールを奪った。昨夏に「心にある一番のチーム」というG大阪へ復帰したが、半年間で3ゴールに終わり、力の衰えが指摘されていた。しかし今季はポジションを再奪取し、攻守に献身的なプレーを披露している。 33歳とベテランの域に達してるが「コンディションは年齢的なところもあり、意識している。クラブハウスにも朝一番早く来るようにして、(筋トレなど)補強もしている。治療もして(帰りに)クラブハウスを出るのも、一番最後かなと思う。家でも食事なども含め、ケアは継続している」と明かす。高いプロ意識に加え、もう一つ彼を支えるのが、小学6年生の息子・フェリペ君の存在だ。 G大阪の下部組織でサッカーをプレーし、父親譲りのパワフルなプレーを誇るフェリペ君。「試合が終わると、彼からのプレッシャーがある。よく言われるのは、なんでこの状況でシュートしなかった、なんでパスしなかった、と。ボールロストした後、なんでマークにいかなかったんだと彼から言われることもある」と明かす。一方でフェリペ君のプレーもたびたび観戦しており「彼もヘディングでゴールを決めたりするんですけど、ボールに向かってアタックしてヘディングする、というところを教えたりしています」という。 そんな息子の存在は、父親・パトリックにとって何より刺激になっている。「Jリーグの得点ランキングを見て、お父さんももっと取らないと、と言われたりもする。要求やプレッシャーはありますが、それが心地よかったり、自分のモチベーションにつながる。彼を見て自分のプレーを直したりもしますし、彼が僕を見て成長してくれたりもある。お互いがいい関係にあると思います」と、柔らかい笑顔で話した。 前節3日の大阪ダービーでは、巧みな胸トラップでC大阪DFヨニッチをかわし、リフティングからのラストパスでMF井手口のゴールをアシストした。すると試合後「すぐに(フェリペ君から)電話が来て、『信じられない、ミラクルなプレーだったよ! あのプレーは僕にも絶対教えて!』と言ってくれました。家に帰ると、ボールを持って僕のことを待っていて、着いてすぐ教える、という状況でした」。 家族の存在を原動力に、3度目の“全盛期”を迎えているパトリック。過去に計4ゴールを挙げている好相性の神戸戦に向けても「毎試合、決勝戦のイメージで臨んでいる。残りもその姿勢を崩さずに」と、すべての力を注ぐことを誓っていた。