[“ホームで強い”Jクラブランキング]4指標から算出した決定版、1位は意外にも…?
最もホームで強さを発揮するJクラブはどこか――?
この命題、Jリーグのファンなら誰もが一度は考えたことがあるのではないだろうか。
そこで今回は、2010~19年の10シーズンの結果をもとに、4つの指標からランキングを作成した。果たして1位に輝いたのは――?
(文=REAL SPORTS編集部、写真=Getty Images)
Withコロナのホームゲームは勝率が下がっている
サッカー選手にとって、ファン・サポーターが送る応援は何よりの力になる。特にホームゲームでの後押しは選手に勇気と強さを与え、時に実力以上の力を出すこともある。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試合開催を延期していたJリーグは、リモートマッチ(無観客開催)を経て、7月10日から5000人またはスタジアム収容人数50%の少ない方を上限として有観客試合を行っている。だが、歌ったり声を出しての応援や、手拍子、太鼓など鳴り物を使用することは禁止されており、必ずしもホームゲームにおけるアドバンテージを得られているとは言い難いのが実情だ。これは数字にも表れている。
過去10年間のJ1・J2・J3の全9000試合を集計したところ、ホームチームの戦績は3691勝2289分3020敗で、1試合当たりの平均勝ち点は1.48、勝ち点率(※)は49.5%だった。
<※勝ち点率:獲得可能な最大勝ち点のうち、実際にどれだけの勝ち点を獲得できたかを示す数値。計算方法は次の通り。勝ち点率=(勝利数×3+引分数×1)÷(総試合数×3)>
それに対し、今シーズン再開後は141勝92分131敗で、1試合当たりの平均勝ち点は1.41、勝ち点率は47.2%と減少している(8月30日時点)。この傾向は特にJ1に顕著で、過去10年間のホームチームの平均勝ち点が1.49(1272勝735分1053敗)だったのに対し、今シーズン再開後は1.31(38勝25分43敗)と、実に12%も減少している。もちろん今シーズンの戦績はシーズン途中の段階で計算しており、対戦カードが一巡しているわけではないため、アップルトゥアップルの比較になっているとはいえないが、それでもやはり観客数や応援スタイルの制限が、ホームアドバンテージを減退させる要因になっているといえるだろう。
逆にいえば、通常通りの開催であれば、それだけホームチームが有利だといえる。では、Jリーグの中で、最もホームで強さを発揮するクラブはどこだろうか? 今回は2010~2019シーズンの10年間のJ1の戦績をもとに、4つの指標からランキングを作成した。
(1)ホームゲームで最も勝ち点を取ったのは?
1つ目の指標は、ホームゲームでの戦績だ。
ホームゲームでどれだけ勝てているのか。まずはシンプルに、勝ち点を1つ目の指標としたい。J1在籍シーズン数で差が生まれないよう、1試合当たりの平均勝ち点でランク付けした。
<※ランキング内の略称はJリーグ公式サイトの表記に準ずる>
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[(1)ホーム勝ち点ランキング]
1. 川崎F 1.86pt/62.2% (93勝38分39敗/10シーズン)
2. 鹿島 1.83pt/61.0% (94勝29分47敗/10シーズン)
3. G大阪 1.75pt/58.4% (75勝43分35敗/9シーズン)
4. 浦和 1.69pt/56.5% (83勝39分48敗/10シーズン)
4. 広島 1.69pt/56.5% (83勝39分48敗/10シーズン)
6. 柏 1.66pt/55.4% (65勝31分40敗/8シーズン)
7. 横浜FM 1.65pt/54.9% (78勝46分46敗/10シーズン)
7. C大阪 1.65pt/54.9% (64勝32分40敗/8シーズン)
9. 鳥栖 1.64pt/54.7% (65勝28分43敗/8シーズン)
10. FC東京 1.61pt/53.6% (70勝36分47敗/9シーズン)
11. 名古屋 1.55pt/51.6% (67勝36分50敗/9シーズン)
12. 仙台 1.50pt/50.0% (70勝45分55敗/10シーズン)
13. 札幌 1.43pt/47.5% (28勝13分27敗/4シーズン)
14. 神戸 1.41pt/47.1% (61勝33分59敗/9シーズン)
15. 磐田 1.34pt/44.6% (48勝38分50敗/8シーズン) ※現J2
16. 清水 1.33pt/44.4% (58勝30分65敗/9シーズン)
17. 新潟 1.26pt/41.9% (45勝36分55敗/8シーズン) ※現J2
18. 大宮 1.18pt/39.2% (34勝38分47敗/7シーズン) ※現J2
19. 甲府 1.11pt/36.9% (27勝32分43敗/6シーズン) ※現J2
20. 山形 1.04pt/34.6% (13勝14分24敗/3シーズン) ※現J2
21. 湘南 0.97pt/32.4% (24勝27分51敗/6シーズン)
22. 長崎 0.94pt/31.4% (4勝4分9敗/1シーズン) ※現J2
23. 松本 0.91pt/30.4% (7勝10分17敗/2シーズン) ※現J2
24. 大分 0.82pt/27.5% (7勝7分20敗/2シーズン)
25. 福岡 0.71pt/23.5% (6勝6分22敗/2シーズン) ※現J2
26. 京都 0.59pt/19.6% (3勝1分13敗/1シーズン) ※現J2
27. 徳島 0.24pt/7.8% (0勝4分13敗/1シーズン) ※現J2
<※平均勝ち点、ならびに勝ち点率は、小数点第三位で四捨五入>
参考:優勝チームのシーズン平均勝ち点2.04/勝ち点率67.9%、16位チームのシーズン平均勝ち点0.99/勝ち点率32.8%<※ホームゲームに限らずの数値>
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1位は、2017~18シーズンを連覇した川崎フロンターレだ。過去10年の間に、この2度の優勝の他、2位が1度(※)、3位が1度、4位が1度で、ボトムハーフに沈んだのは2011シーズンの11位だけと、この10年間で最も安定した成績を残している。“等々力劇場”と呼ばれるホームゲームでの強さは、数字にも表れているといえるだろう。特に初優勝を成し遂げた2017シーズンは平均勝ち点2.35pt(12勝4分1敗)/勝ち点率78.4%とホームで無類の強さを発揮した。消化試合数に差があるとはいえ、今季も8月30日時点で2位に勝ち点8差をつけて首位を独走しており、川崎Fの黄金時代は続きそうだ。
<※2016シーズンの年間順位は3位だが、年間勝ち点では2位となっていた。今回のランキングは“勝ち点”をベースにしているため、2位としてカウント>
2位は、Jリーグ史上最多8度の優勝を誇る、鹿島アントラーズだ。過去10年で見れば、2016シーズンにリーグ王者に輝き(年間勝ち点では3位)、その他のシーズンも2位が1度、3位が3度、4位が1度、ボトムハーフに沈んだのはわずかに1度だけだった(2012シーズンに11位)。川崎Fにはわずかに及ばなかったが、熱狂的なファン・サポーターの声援を背景にホームで際立った強さを見せている。
過去10年で3度の優勝を飾ったサンフレッチェ広島は4位タイ、1度ずつ栄冠に輝いたガンバ大阪、柏レイソル、横浜F・マリノス、名古屋グランパスは、それぞれ3位、6位、7位タイ、11位となった。優勝こそ果たせなかったが(※)、浦和は4位タイとホームで安定した成績を残してきたことが分かる。
<※2016シーズンの浦和は、年間勝ち点では1位となっていた>
複数スタジアムを使用しているクラブの共通点は?
またクラブによっては2つ以上のスタジアムをホームゲームで使用している。今回のランキングとは直接関係ないが、スタジアム別の戦績もいくつか紹介したい。<ホーム開催試合のうち17%[シーズン平均で3試合]以上で使用されているスタジアムに限定>
3位のG大阪は、2015シーズンまで使用していた万博記念競技場での平均勝ち点が1.89pt、勝ち点率63.1%で、なんと1位の川崎Fよりも高い数字だ。パナソニックスタジアム吹田(市立吹田サッカースタジアム)での平均勝ち点は1.56pt(52.0%)と、万博時代に比べて0.33ptも下がっているのは少し寂しい結果だといえるだろう。
7位タイのセレッソ大阪は、キンチョウスタジアムが1.82pt/60.8%、ヤンマースタジアム長居(長居陸上競技場)が1.50pt/50.0%と、こちらも大きく差が開いている。だがこちらはG大阪の場合と異なり、同一シーズンの中でスタジアムを使い分けているという違いがある。<※キンチョウスタジアム(現・長居球技場)は改修工事のため2019~20シーズンは使用されない>
他に、名古屋も同一シーズンの中でスタジアムを使い分けており、パロマ瑞穂スタジアム(瑞穂公園陸上競技場)が1.65pt/55.1%、豊田スタジアムが1.46pt/48.6%となっている。
C大阪や名古屋ほど多くはないが、横浜FMや北海道コンサドーレ札幌も同一シーズンの中でスタジアムを使い分けている。横浜FMは日産スタジアムが1.52pt/50.7%、ニッパツ三ツ沢球技場が2.19pt/72.9%、札幌は札幌ドームが1.39pt/46.4%、札幌厚別公園競技場が1.53pt/51.0%だった。
興味深いのは、いずれも収容人数の少ないスタジアムの方が、良い成績を残していることだ。もちろん、同一シーズンの中でスタジアムを使い分けている場合は、集客の見込める人気クラブ(≒強豪クラブ)との対戦に収容人数の多いスタジアムを使用する傾向にあることが、勝率の差に表れていると考えることもできるだろう。だが各クラブのファン・サポーターからは収容人数の少ないスタジアムの方が応援の一体感が生まれるという声がたびたび聞かれる。ファン・サポーターが生み出す濃密な熱気が結果に結び付いている可能性もあるのではないだろうか。
(2)アウェーよりもホームで強さを発揮するクラブはどこ?
1つ目の指標として、ホームゲームでの戦績を見てきたが、そもそも強いクラブであれば、ホームだろうがアウェーだろうが良い戦績を残せるともいえる。実際[(1)ホーム勝ち点ランキング]の上位に入っていたクラブの顔触れからもそれは明らかだ。
今回のテーマは、「“ホーム”で強さを発揮するクラブ」ということで、2つ目の指標として、ホームとアウェーの戦績を比較し、ホームでの戦績の方が良かった順にランキングしてみたい。
<計算方法=ホームでの平均勝ち点-アウェーでの平均勝ち点>
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[(2)勝ち点ホーム・アウェー差ランキング]
1. 鳥栖 0.57pt (H:1.64pt/54.7%、A:1.07pt/35.8%)
2. 札幌 0.53pt (H:1.43pt/47.5%、A:0.90pt/29.9%)
3. 仙台 0.41pt (H:1.50pt/50.0%、A:1.09pt/36.3%)
4. 山形 0.37pt (H:1.04pt/34.6%、A:0.67pt/22.2%) ※現J2
5. C大阪 0.294pt (H:1.65pt/54.9%、A:1.35pt/45.1%)
6. G大阪 0.288pt (H:1.75pt/58.4%、A:1.46pt/48.8%)
7. 磐田 0.28pt (H:1.34pt/44.6%、A:1.06pt/35.3%) ※現J2
8. FC東京 0.242pt (H:1.61pt/53.6%、A:1.37pt/45.5%)
9. 川崎F 0.241pt (H:1.86pt/62.2%、A:1.62pt/54.1%)
10. 神戸 0.23pt (H:1.41pt/47.1%、A:1.18pt/39.4%)
11. 鹿島 0.22pt (H:1.83pt/61.0%、A:1.61pt/53.5%)
12. 福岡 0.21pt (H:0.71pt/23.5%、A:0.50pt/16.7%) ※現J2
13. 浦和 0.200pt (H:1.69pt/56.5%、A:1.49pt/49.8%)
14. 名古屋 0.196pt (H:1.55pt/51.6%、A:1.35pt/45.1%)
15. 清水 0.18pt (H:1.33pt/44.4%、A:1.16pt/38.6%)
16. 新潟 0.17pt (H:1.26pt/41.9%、A:1.09pt/36.3%) ※現J2
17. 柏 0.15pt (H:1.66pt/55.4%、A:1.51pt/50.5%)
17. 甲府 0.15pt (H:1.11pt/36.9%、A:0.96pt/32.0%) ※現J2
19. 広島 0.14pt (H:1.69pt/56.5%、A:1.55pt/51.8%)
20. 長崎 0.12pt (H:0.94pt/31.4%、A:0.82pt/27.5%) ※現J2
21. 松本 0.09pt (H:0.91pt/30.4%、A:0.82pt/27.5%) ※現J2
22. 横浜FM 0.07pt (H:1.65pt/54.9%、A:1.58pt/52.7%)
23. 京都 0.06pt (H:0.59pt/19.6%、A:0.53pt/17.6%) ※現J2
24. 湘南 0.05pt (H:0.97pt/32.4%、A:0.92pt/30.7%)
25. 大宮 -0.08pt (H:1.18pt/39.2%、A:1.25pt/41.7%) ※現J2
26. 大分 -0.15pt (H:0.82pt/27.5%、A:0.97pt/32.4%)
27. 徳島 -0.35pt (H:0.24pt/7.8%、A:0.59pt/19.6%) ※現J2
<※平均勝ち点、ならびに勝ち点率は、小数点第三位で四捨五入。同値で並んだ場合は、小数点第四位で>
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トップはサガン鳥栖だ。アウェーでの戦績が16位(36勝38分62敗)だったのに対し、ホームでの戦績は9位(65勝28分43敗)と、その差は圧倒的だ。J1初昇格の2012シーズンから今季で9シーズン連続のJ1在籍。過去にJ2“降格”を経験したことのない、わずかに3つしかないクラブの一つだ。責任企業を持たない地方クラブでありながら、鹿島、横浜FMと並んで記録を継続できている要因の一つに、このホームでの強さがあったといえるだろう。(ちなみに今回のランキングで対象としている10シーズン連続でJ1在籍は、川崎F、鹿島、浦和、広島、横浜FM、仙台の6クラブ)
2位には札幌がランクインした。わずかに鳥栖には及ばなかったものの、アウェーでの戦績が21位(16勝13分39敗)だったのに対し、ホームでの戦績は13位(28勝13分27敗)。2017シーズンの再昇格から今季で4シーズン目と、クラブ史上最長を更新している背景には、やはりホームでの強さは欠かすことはできないだろう。
3位のベガルタ仙台、4位のモンテディオ山形を含め上位の4クラブは、いずれも大きな責任企業を持たない地方クラブだという点は興味深い。まさに地域が一体となって、ピッチ内でもクラブを支えている証しともいえるだろう。
ただ今季は、新型コロナの影響で通常通りの応援ができていないことが大きな痛手となっているかもしれない。中断再開後、ここまでのホームでの戦績は、鳥栖が3分1敗(0.75pt/25.0%)、札幌が1勝4分2敗(1.00pt/33.3%)、仙台が2分3敗(0.40pt/13.3%)と、その強さを発揮できないでいる。ここからの巻き返しに期待したい。
(3)アウェーよりもホームで最も得点を増やしていたのは?
次に、得点と失点も見てみたい。ホームの大声援を背中に受けることで、どれだけ得点を増やし、また失点を減らすことができるのか。それぞれアウェーと比較した数値をランキングした。
まずは得点から。
<計算方法=ホームでの平均得点数-アウェーでの平均得点数>
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[(3)得点数ホーム・アウェー差ランキング]
1. 仙台 0.51pt (H:1.50得点、A:0.99得点)
2. 磐田 0.38pt (H:1.43得点、A:1.06得点) ※現J2
3. C大阪 0.34pt (H:1.65得点、A:1.32得点)
4. 札幌 0.294pt (H:1.37得点、A:1.07得点)
4. FC東京 0.294pt (H:1.44得点、A:1.15得点)
4. 長崎 0.294pt (H:1.29得点、A:1.00得点) ※現J2
7. 名古屋 0.288pt (H:1.58得点、A:1.29得点)
8. 松本 0.26pt (H:0.88得点、A:0.62得点) ※現J2
9. 川崎F 0.24pt (H:1.88得点、A:1.65得点)
10. 柏 0.19pt (H:1.64得点、A:1.45得点)
11. 鳥栖 0.18pt (H:1.26得点、A:1.08得点)
12. 浦和 0.141pt (H:1.62得点、A:1.48得点)
13. 清水 0.137pt (H:1.39得点、A:1.25得点)
14. 新潟 0.13pt (H:1.15得点、A:1.02得点) ※現J2
15. 横浜FM 0.12pt (H:1.49得点、A:1.37得点)
15. 京都 0.12pt (H:0.94得点、A:0.82得点) ※現J2
17. 広島 0.11pt (H:1.55得点、A:1.45得点)
18. G大阪 0.09pt (H:1.75得点、A:1.66得点)
18. 神戸 0.09pt (H:1.41得点、A:1.32得点)
20. 山形 0.078pt (H:0.78得点、A:0.71得点) ※現J2
21. 鹿島 0.076pt (H:1.64得点、A:1.56得点)
22. 福岡 0.06pt (H:0.91得点、A:0.85得点) ※現J2
23. 大宮 0.042pt (H:1.17得点、A:1.13得点) ※現J2
24. 甲府 0.039pt (H:0.9得点、A:0.86得点) ※現J2
25. 大分 -0.06pt (H:0.94得点、A:1.00得点)
26. 湘南 -0.07pt (H:1.01得点、A:1.08得点)
27. 徳島 -0.35pt (H:0.29得点、A:0.65得点) ※現J2
<※平均得点数は、小数点第三位で四捨五入。同値で並んだ場合は、小数点第四位で>
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トップは仙台。アウェーでの平均得点数0.99(21位)に対し、ホームでは1.50(9位)と、実に1.5倍もの得点を挙げていることが分かった。ホームチームのチャンス時には、ユアテックスタジアム仙台の全方位から「セン!ダイ! レッツゴー!」の声が響き渡る。もしかすると、このチャントがアウェーチームに相当の圧力を与えているのかもしれない。
2位のジュビロ磐田、3位のC大阪を含めた上位3クラブは、いずれも球技専用スタジアムを使用している点で共通しているのが興味深い(※C大阪はキンチョウスタジアムでの平均得点数が1.92と、さらに高くなっている)。よりファン・サポーターの声援がホームチームの力になっているといえるのではないだろうか。
(4)アウェーよりもホームで最も失点を減らしていたのは?
次に失点も見てみよう。<計算方法=アウェーでの平均失点数-ホームでの平均失点数>
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[(4)失点数ホーム・アウェー差ランキング]
1. 札幌 0.65pt (H:1.38失点、A:2.03失点)
2. 山形 0.45pt (H:1.33失点、A:1.78失点) ※現J2
3. 鳥栖 0.38pt (H:1.13失点、A:1.50失点)
4. G大阪 0.37pt (H:1.14失点、A:1.51失点)
5. 神戸 0.35pt (H:1.25失点、A:1.61失点)
6. 福岡 0.32pt (H:1.91失点、A:2.24失点) ※現J2
7. 甲府 0.28pt (H:1.21失点、A:1.49失点) ※現J2
8. 名古屋 0.27pt (H:1.27失点、A:1.54失点)
9. 鹿島 0.26pt (H:0.99失点、A:1.25失点)
10. 徳島 0.24pt (H:2.06失点、A:2.29失点) ※現J2
10. 大分 0.24pt (H:1.38失点、A:1.62失点)
12. 松本 0.18pt (H:1.29失点、A:1.47失点) ※現J2
12. 新潟 0.18pt (H:1.27失点、A:1.45失点) ※現J2
12. 長崎 0.18pt (H:1.65失点、A:1.82失点) ※現J2
15. 浦和 0.17pt (H:1.16失点、A:1.34失点)
16. FC東京 0.16pt (H:1.04失点、A:1.20失点)
17. 広島 0.15pt (H:1.01失点、A:1.16失点)
18. 川崎F 0.15pt (H:1.17失点、A:1.32失点)
19. 湘南 0.12pt (H:1.66失点、A:1.77失点)
20. 柏 0.08pt (H:1.31失点、A:1.39失点)
21. C大阪 0.06pt (H:1.16失点、A:1.22失点)
22. 横浜FM 0.05pt (H:1.07失点、A:1.12失点)
23. 仙台 0.04pt (H:1.31失点、A:1.34失点)
24. 大宮 0.02pt (H:1.43失点、A:1.45失点) ※現J2
25. 磐田 0.00pt (H:1.40失点、A:1.40失点) ※現J2
26. 清水 -0.06pt (H:1.64失点、A:1.58失点)
27. 京都 -0.24pt (H:1.88失点、A:1.65失点) ※現J2
<※平均失点数は、小数点第三位で四捨五入。同値で並んだ場合は、小数点第四位で>
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興味深いのは、[(3)得点数ホーム・アウェー差ランキング]でトップ3に入っていた仙台、磐田、C大阪がそれぞれ23位、25位、21位と下位に入ったことだ。得点ではあれだけ明確にホームとアウェーで差があったにもかかわらず、失点ではホームとアウェーでほとんど差が無いことが分かる。
そんな中、トップに立ったのは札幌だった。アウェーでの平均失点数2.03(25位)はかなり多いといえるが、ホームでは1.38(18位)と、実に32%も減らしている。しかも札幌は[(3)得点数ホーム・アウェー差ランキング]でも4位と上位に入っていることからも、アウェーと比較してホームで躍動していることがよく分かる結果となった。
総合ランキングの発表! 栄えある1位は?
ここまで、[(1)ホーム勝ち点][(2)勝ち点ホーム・アウェー差][(3)得点数ホーム・アウェー差][(4)失点数ホーム・アウェー差]の4つの指標でランキングを見てきた。最後に[総合ランキング]を発表したい。
[総合ランキング]のポイントは、各ランキングで発表したポイント数を単純に合算したものとする。[(1)ホーム勝ち点]のポイント数が他に比べて高くなっているが、やはり実際にホームでどれだけ勝っているかを最も重要な指標と考え、これをベースにしながら残り3つの指標をエッセンスに加えたものと考えてもらいたい。
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[総合ランキング]
1. 札幌 2.90pt ((1)1.43pt/13位、(2)0.53pt/2位、(3)0.29pt/4位、(4)0.65pt/1位)
2. 鳥栖 2.76pt ((1)1.64pt/9位、(2)0.57pt/1位、(3)0.18pt/11位、(4)0.38pt/3位)
3. G大阪 2.50pt ((1)1.75pt/3位、(2)0.29pt/6位、(3)0.08pt/18位、(4)0.37pt/4位)
4. 川崎F 2.49pt ((1)1.86pt/1位、(2)0.24pt/9位、(3)0.24pt/9位、(4)0.15pt/18位)
5. 仙台 2.46pt ((1)1.50pt/12位、(2)0.41pt/3位、(3)0.51pt/1位、(4)0.04pt/23位)
6. 鹿島 2.39pt ((1)1.83pt/2位、(2)0.22pt/11位、(3)0.08pt/21位、(4)0.26pt/9位)
7. C大阪 2.34pt ((1)1.65pt/7位、(2)0.29pt/5位、(3)0.34pt/3位、(4)0.06pt/21位)
8. FC東京 2.30pt ((1)1.61pt/10位、(2)0.24pt/8位、(3)0.29pt/4位、(4)0.16pt/16位)
8. 名古屋 2.30pt ((1)1.55pt/11位、(2)0.20pt/14位、(3)0.29pt/7位、(4)0.27pt/8位)
10. 浦和 2.21pt ((1)1.69pt/4位、(2)0.20pt/13位、(3)0.14pt/12位、(4)0.17pt/15位)
11. 広島 2.09pt ((1)1.69pt/4位、(2)0.14pt/19位、(3)0.11pt/17位、(4)0.15pt/17位)
12. 柏 2.081pt ((1)1.66pt/6位、(2)0.15pt/17位、(3)0.19pt/10位、(4)0.08pt/20位)
13. 神戸 2.078pt ((1)1.41pt/14位、(2)0.23pt/10位、(3)0.08pt/18位、(4)0.35pt/5位)
14. 磐田 1.99pt ((1)1.34pt/15位、(2)0.28pt/7位、(3)0.38pt/2位、(4)0.00pt/25位) ※現J2
15. 山形 1.94pt ((1)1.04pt/20位、(2)0.37pt/4位、(3)0.08pt/20位、(4)0.45pt/2位) ※現J2
16. 横浜FM 1.88pt ((1)1.65pt/7位、(2)0.06pt/22位、(3)0.12pt/15位、(4)0.05pt/22位)
17. 新潟 1.73pt ((1)1.26pt/17位、(2)0.17pt/16位、(3)0.13pt/14位、(4)0.18pt/12位) ※現J2
18. 清水 1.59pt ((1)1.33pt/16位、(2)0.18pt/15位、(3)0.14pt/13位、(4)-0.06pt/26位)
19. 甲府 1.58pt ((1)1.11pt/19位、(2)0.15pt/17位、(3)0.04pt/24位、(4)0.28pt/7位) ※現J2
20. 長崎 1.53pt ((1)0.94pt/22位、(2)0.12pt/20位、(3)0.29pt/4位、(4)0.18pt/12位) ※現J2
21. 松本 1.44pt ((1)0.91pt/23位、(2)0.09pt/21位、(3)0.26pt/8位、(4)0.18pt/12位) ※現J2
22. 福岡 1.29pt ((1)0.71pt/25位、(2)0.21pt/12位、(3)0.06pt/22位、(4)0.32pt/6位) ※現J2
23. 大宮 1.16pt ((1)1.18pt/18位、(2)-0.08pt/25位、(3)0.04pt/23位、(4)0.02pt/24位) ※現J2
24. 湘南 1.07pt ((1)0.97pt/21位、(2)0.05pt/24位、(3)-0.07pt/26位、(4)0.12pt/19位)
25. 大分 0.85pt ((1)0.82pt/24位、(2)-0.15pt/26位、(3)-0.06pt/25位、(4)0.24pt/10位)
26. 京都 0.53pt ((1)0.59pt/26位、(2)0.06pt/23位、(3)0.12pt/15位、(4)-0.24pt/27位) ※現J2
27. 徳島 -0.24pt ((1)0.24pt/27位、(2)-0.35pt/27位、(3)-0.35pt/27位、(4)0.24pt/10位) ※現J2
<※総合ポイント数は、小数点第三位で四捨五入。同値で並んだ場合は、小数点第四位で>
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総合1位は札幌。[(1)ホーム勝ち点ランキング]こそ13位だったが、勝ち点、得点数、失点数ともにアウェーと比較して圧倒的にホームで優位性を示していることが、今回のランキングであらためて分かった。ホームで強いということは、それだけホームの観客動員数にも影響を与え、また観客動員数が増えればホームでの強さにもつながる。実際に札幌はその好循環をつくり出す理想的なクラブ運営ができているといえるだろう。
続けて、鳥栖、G大阪、川崎F、仙台、鹿島が名を連ねた。やはりホームで強い印象のあったクラブが顔をそろえており、こうしたホームでの強さが優勝争いを繰り広げたり、J1で長く戦い続けられたりしている要因といえるのではないだろうか。
今回は4つの指標から、ホームで強さを発揮しているクラブをランキング形式で追った。だが今回の集計方法が、本当の意味で“最もホームで強さを発揮するクラブ”を割り出せているかといえば、決してそうではないだろう。「こんなやり方もあるんじゃないか」「こんな指標を入れた方がより実態に近くなるんじゃないか」などのアイデアがあれば、ぜひコメントしてほしい。次回以降の記事制作で生かさせていただきたいと思う。
(おまけ)J1・J2・J3全カテゴリーでの総合1位は?
おまけに……、
今回は2010~19シーズンのJ1の戦績をもとに、同期間にJ1に所属したことのある27クラブを対象としてランキングを発表した。これが、J1・J2・J3全てのカテゴリーを含めたら、どんなランキングになるだろうか?
そこで、2010~2019シーズンのJ1・J2・J3の全カテゴリーの戦績をもとにした、全クラブのランキングも発表したい。計算方法は同じだ。10シーズンの全カテゴリー・全試合を対象に[(1)ホーム勝ち点][(2)勝ち点ホーム・アウェー差][(3)得点数ホーム・アウェー差][(4)失点数ホーム・アウェー差]でポイントを計算し、その合計の総合ランキングとする。カテゴリーによって、試合数、レギュレーション、対戦相手の強さなどが異なるため公平性のあるランキングとはならないが、あくまで“おまけ”だと思って楽しんでもらいたい。
<※編集注:上記J1ランキングに登場のクラブに関して、下記の全カテゴリーランキングではJ2・J3在籍時代の戦績が加算されるため、J1ランキングのポイントとは異なる>
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[総合ランキング<全カテゴリー>]
1. 札幌 3.063pt (J1:4シーズン、J2:6シーズン)
2. 鹿児島 3.059pt (J2:1シーズン、J3:2シーズン)
3. 長野 2.98pt (J3:6シーズン)
4. 藤枝 2.89pt (J3:6シーズン)
5. 千葉 2.86pt (J2:10シーズン)
6. G大23 2.81pt (J3:4シーズン)
7. 鳥栖 2.61pt (J1:8シーズン、J2:2シーズン)
8. 水戸 2.54pt (J2:10シーズン)
9. 川崎F 2.49pt (J1:10シーズン)
10. FC東京 2.47pt (J1:9シーズン、J2:1シーズン)
11. 仙台 2.46pt (J1:10シーズン)
12. 山形 2.444pt (J1:3シーズン、J2:7シーズン)
13. G大阪 2.443pt (J1:9シーズン、J2:1シーズン)
14. 琉球 2.441pt (J2:1シーズン、J3:5シーズン)
15. 神戸 2.437pt (J1:9シーズン、J2:1シーズン)
16. 愛媛 2.41pt (J2:10シーズン)
17. 鹿島 2.39pt (J1:10シーズン)
18. 名古屋 2.37pt (J1:9シーズン、J2:1シーズン)
19. F東23 2.33pt (J3:4シーズン)
20. 東京V 2.32pt (J2:10シーズン)
21. 柏 2.31pt (J1:8シーズン、J2:2シーズン)
22. 相模原 2.29pt (J3:6シーズン)
23. 浦和 2.21pt (J1:10シーズン)
24. 沼津 2.122pt (J3:3シーズン)
25. 秋田 2.116pt (J3:6シーズン)
26. C大阪 2.11pt (J1:8シーズン、J2:2シーズン)
27. 広島 2.09pt (J1:10シーズン)
28. 岡山 2.07pt (J2:10シーズン)
29. 松本 2.00pt (J1:2シーズン、J2:6シーズン)
30. 磐田 1.97pt (J1:8シーズン、J2:2シーズン)
31. 大分 1.94pt (J1:2シーズン、J2:7シーズン、J3:1シーズン)
32. 群馬 1.934pt (J2:8シーズン、J3:2シーズン)
33. 岩手 1.931pt (J3:6シーズン)
34. 横浜FM 1.88pt (J1:10シーズン)
35. 徳島 1.84pt (J1:1シーズン、J2:9シーズン)
36. 大宮 1.83pt (J1:7シーズン、J2:3シーズン)
37. 栃木 1.79pt (J2:8シーズン、J3:2シーズン)
38. 福岡 1.78pt (J1:2シーズン、J2:8シーズン)
39. 長崎 1.75pt (J1:1シーズン、J2:6シーズン)
40. 湘南 1.74pt (J1:6シーズン、J2:4シーズン)
41. 熊本 1.73pt (J2:9シーズン、J3:1シーズン)
42. 京都 1.69pt (J1:1シーズン、J2:9シーズン)
43. 横浜FC 1.68pt (J2:10シーズン)
44. 金沢 1.67pt (J2:5シーズン、J3:1シーズン)
45. 北九州 1.665pt (J2:7シーズン、J3:3シーズン)
46. 新潟 1.663pt (J1:8シーズン、J2:2シーズン)
47. 清水 1.655pt (J1:9シーズン、J2:1シーズン)
48. 山口 1.63pt (J2:4シーズン、J3:1シーズン)
49. 福島 1.58pt (J3:6シーズン)
50. 讃岐 1.541pt (J2:5シーズン、J3:1シーズン)
51. 岐阜 1.537pt (J2:10シーズン)
52. 富山 1.52pt (J2:5シーズン、J3:5シーズン)
53. C大23 1.47pt (J3:4シーズン)
54. 鳥取 1.32pt (J2:3シーズン、J3:6シーズン)
55. 町田 1.27pt (J2:5シーズン、J3:2シーズン)
56. 甲府 1.19pt (J1:6シーズン、J2:4シーズン)
57. YS横浜 1.10pt (J3:6シーズン)
58. 八戸 -0.29pt (J3:1シーズン)
<※総合ポイント数は、小数点第三位で四捨五入。同値で並んだ場合は、小数点第四位で>
<※略称はJリーグ公式サイトに準ずる>
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<了>