G大阪、4バック変更の奇襲も実らず敗戦 遠藤が“課題”指摘「まだまだ足りないと思う」

ビハインドの後半にシステム変更 「流れを変える必要があった」と宮本監督

ガンバ大阪は、19日のJ1第11節で浦和レッズをホームに迎え撃ち1-3で敗れた。宮本恒靖監督はビハインドの後半から、トレーニングでも試行していない4バックに変更する奇襲を仕掛けたが実らなかった。

G大阪は前半にFW宇佐美貴史が立て続けにゴール前でシュートを放つも、クロスバーに嫌われるなどなかなかゴールを奪えず。すると、前半24分に自陣でのボールロストから最終的にMF関根貴に先制点を奪われ、同35分には相手のラストパスをカットしようとしたDF藤春廣輝がハンドの反則でPKを献上し、それをFWレオナルドに決められて0-2のハーフタイムとなった。そこまでの流れを、宮本恒靖監督は次のように振り返っている。

「少し攻め疲れしたところがあると思う。データを見返していても、走行距離の多い選手が前にいた。攻め疲れして、相手が出てくる時間帯がある中で、ボールを大事にしようという意識の中でのつなぎにミスが出て1点を失って、少し気落ちしたところがあるし、2点目も前半のあの時間帯でさらにメンタルが難しくなったと思う。そういう意味で、後半しっかり流れを変える必要があったので、システムと人を変えた」

そのシステムと人を変える策が、MF遠藤保仁とFWアデミウソンを入れることによる、3-5-2から4-4-2への変更だった。しかし、後半12分には自陣でのミスからFW武藤雄樹に3点目を奪われ、同15分にMF井手口陽介がコーナーキックから強烈ミドルを叩き込んだが、時すでに遅しだった。宮本監督は「試合のなかで一つくらい決定的なミスは起きるかもしれないが、それが二つ、三つあって残念に思う」と、ミスからの失点を悔やんだ。

一方で遠藤は「練習ではしていないけど、もともと4-4-2のチーム。僕自身はそんなに違和感なくやれたけど、ここ最近はずっと3バックでやっているので、いきなり4バックでやる難しさはあったと思う」と話し、この後半がスクランブルだったことを明かした。浦和の大槻毅監督は元分析担当という肩書からもスカウティングを重視するタイプだが、当然ながらそのデータにはない“奇襲”。しかし、この策も実らなかった。

遠藤が指摘する課題 「選手のアイデアを出しながらというのは、まだまだ足りない」
0-0の状態ではG大阪の方が効果的にゴールへ迫っていたものの、リードを許してからはなかなかペナルティーエリア内に入っていけなくなった。遠藤は「どちらかというと、オープンな試合のほうが今年は多いので、ボールをしっかり握りながら、選手のアイデアを出しながらというのは、まだまだ足りないと思うし、今日の試合でもそれはかなり出ていた部分だと思う。自分たちが何をしたいのかをもう少し示せないと、今日のような試合は難しい」と課題を指摘した。

J1は川崎フロンターレが10勝1分の勝ち点31と完全に抜け出した首位にいるほかは、勝ち点21から同19に暫定2位から同7位の6チームがひしめく大混戦になっている。G大阪は1試合消化が少ない中で勝ち点19を稼いでいるだけに、その課題を克服できるかがこのまま上位で戦い続けられるかのポイントになるのかもしれない。

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