【G大阪】昌子源の加入効果が見えた劇的勝ち点3…担当記者が読み解く

◆明治安田生命J1リーグ第9節 G大阪2―1横浜C(8日・パナスタ)

G大阪は後半ロスタイムに途中出場したFWパトリック(32)の決勝ゴールで、横浜Cに2―1と勝利して暫定2位に浮上した。この試合では右足首の負傷から復帰した日本代表DF昌子源(27)が、2月のG大阪加入後、リーグ戦初先発。フル出場で勝利に貢献した昌子の加入効果を、G大阪担当の金川誉記者が「読み解く」。

パトリックの劇的弾でつかんだ勝ち点3の裏で、昌子の存在がチームにもたらす効果が見えてきた。先制しながら後半15分にDF藤春のバックパスを奪われて失点し、その後は苦しい時間帯に。そんな中、3バックの中央に入った昌子は「ここ我慢!」「自分たちから(流れを)悪くするな!」と声をかけ続けた。「ぶっつけ本番と言っていいぐらい」と本人も笑った中で、いきなりリーダーシップを発揮した背番号3に、好調のG大阪をさらに進化させる気配を感じた。

右足首の負傷が長引き、5日のルヴァン杯・大分戦で約11か月ぶりの公式戦に出場し、61分間プレーした昌子。中2日で臨んだこの日は、3バックの右に日本代表DF三浦、左に韓国代表DF金英権というレギュラー組と、練習試合を含めて初めてDFラインを形成した。それでも「彼ら(三浦、金)は能力が高い選手。それを生かし、生かされる中でやりたかった」と語り、試合中に修正し合って守備を構築した。

昌子は2月の加入後、まだ自身が負傷している時期から、練習後にチームメートをつかまえては自らの意見を伝え、彼らの声も聞いてきた。「意図的にやっている部分もある。俺がガンガン(意見を)言っていたら、周りも『俺も言おう』となるかもしれない。チームがそういう雰囲気になれば、プラスだと思う」と、新加入の自らが遠慮なく意見をぶつけることで、チーム内に要求し合う空気を作り出そうとしていた。

過去2年は残留争いに巻き込まれるなど低迷したG大阪は、どこかスマートでおとなしい選手が多かった印象がある。そんな空気をぶち壊し、お互いを高め合う空気を作り出す昌子が、チームに与える影響は大きい。この日のプレーは、まだ復帰直後で本来のスピードや迫力は戻り切っていなかったように思う。本来の姿を取り戻し、真のDFリーダーとして君臨するようになれば、今年のG大阪はまだまだ強くなるはずだ。(G大阪担当)

◆パトリックV弾は家族にプレゼント

FWパトリックが、今季リーグ戦初ゴールとなった劇的な決勝点を家族に捧げた。同点の後半ロスタイム、MF井手口のCKを頭で合わせてネットを揺らすと、約100メートル離れた逆サイドのバックスタンドまで一直線に走り、観戦した妻と息子の元へ。この日は再開後、初めて家族がスタジアムで観戦していたと明かし「今まで(観戦を)我慢していた分のプレゼントだと思ったので、きっちり届けに行きました」と笑顔をみせていた。

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