中村敬斗独白!ベルギーからトップリーグへ欧州2年目の挑戦
G大阪からベルギー1部シントトロイデンに期限付きで再移籍したFW中村敬斗(20)が本紙の取材に応じた。新型コロナウイルスで世界が混沌(こんとん)とする中、ベルギーリーグは欧州主要リーグでは先陣を切って8日に開幕。新天地で迎える欧州挑戦2年目に課したノルマ、そして同年代のMF久保建英への思いを率直な言葉で語った。
オランダ1部トウェンテを経て迎える欧州2年目のシーズン。新型コロナウイルスの影響を受けながら、中村は懸命に新天地に溶け込もうとしていた。
「ベルギーはオランダとは違って、よりフィジカル的に強い選手が多い印象ですね。後は個々でいく。アンデルレヒトとかは戦術的だったけど、去年の映像を見ると“個”が強い。そしてシントトロイデンはチャンスのあるクラブだと感じます。僕以外にも日本人の選手やスタッフもいて、より自分と向き合える環境だと思います」
欧州デビューとなった昨季は開幕戦で鮮烈な一発を叩き込み、アヤックスからも得点を奪った。17試合4得点。1年目としては及第点だが、チーム事情で本来の2年契約が1年に短縮された。オランダ現地紙では“メンタルが打ちのめされた”と報じられた。だが一笑に付す。
「それは事実ではありません。どこから持ってきた情報なんでしょう。メンタルが打ちのめされていたら2年目も欧州でやりたいとは思わないですよ。オランダでは自分のドリブルと得意な形でのフィニッシュは通用していたと思うので、今年もさらに磨きをかけていきたいと思います」
DF冨安健洋(ボローニャ)やMF鎌田大地(Eフランクフルト)ら、シントトロイデンからステップアップした選手は多い。また、アンダー世代から切磋琢磨(せっさたくま)してきたMF久保建英(マジョルカ)とは「よく連絡を取る」仲だ。「リーガで得点を結構取っていた。凄いと思いますし、僕もベルギーで活躍してトップリーグへというイメージはあります」。同年代への尊敬は隠さない。ただ一方でこうも言う。
「自分を誰かと比較するつもりはありません。自分は自分。立ち位置を冷静に見て、やれることをやるだけ。今季はコロナで見に来られない方がたくさんいる。そういう方へ向けて必死でプレーしてガムシャラさを見せたい。120%の力を出し、少しでも力や勇気になってくれれば良いなと思います」
初戦は9日のヘント戦。昨季同様、ベルギーでも開幕戦からエンジン全開で挑む。
◆中村 敬斗(なかむら・けいと)2000年(平12)7月28日生まれ、千葉県我孫子市出身の20歳。三菱養和ユース所属の17年にU―17W杯出場。1次リーグ初戦ホンジュラス戦の3得点を含む4得点を挙げた。高校2年生ながらJ複数クラブからオファーが届き、18年にG大阪入り。同年2月24日のリーグ開幕・名古屋戦でプロデビュー。11月24日の長崎戦でJ1リーグ初得点。19年7月にオランダ1部トウェンテに期限付き移籍。1メートル80、75キロ。右利き。