【THIS IS MY CLUB】「全カテゴリーで優勝を」名手フェルナンジーニョが語る鳥取の魅力と注目選手「J1でもやれるのは…」

「3位に入った2018年を超える成績を…」

現在J3のガイナーレ鳥取はJリーグ加盟10年目の節目の年を迎えた。今シーズンは過半数の選手が入れ替わるなどフレッシュなチームで、「情熱」をスローガンにJ3優勝、J2昇格を目指している。

今回、サッカーダイジェストもその一員となっている「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE – 」と称して、各クラブの「在籍最長選手」へのインタビューを実施。鳥取では、在籍6年目で10番を背負う、FWフェルナンジーニョにクラブへの想いを語ってもらった。

――今シーズンのチームの注目点は?

「攻撃面です。自分が経験してきたチームのなかでも攻撃力のあるチームだと思う。良いサッカーを披露できると思うので、リモートマッチが終わったら、ぜひ観てください。我々の良さが出せるように、もちろんディフェンスをしっかりすることも重要です。いくら点を取っても勝てなくては仕方ないので、安定感を持ってプレーしていきたいと思います」

――今シーズンの目標は?

「チームとしては、もちろん優勝してJ2に行けるように頑張りたい。個人的にはJリーグ全てのカテゴリーでの優勝を達成ということにあります。2018年は9ゴール・11アシストで、チームも3位でした。今年はそれを超える、12ゴール・12アシストをして、チームを優勝に導ければと思っています」

――2005年にJ1のガンバ大阪で、2012年にはJ2のヴァンフォーレ甲府で優勝を経験しています。J3はまた違う面も多いのでは?

「環境面や待遇面もあり、J3に若い選手が集まるのは仕方のない。ただ、その中でモチベーションが高く、情熱のある選手はJ2、J3とステップアップしていく可能性が大いにあります。実際に、2018年に加入し、1年目でJ3得点王となった(浦和レッズFWの)レオナルドはあっという間にステップアップしていった。ほかにも、馬渡和彰(湘南ベルマーレDF)や、中山仁斗(水戸ホーリーホックFW)は、最初からサッカーに対する姿勢や情熱が素晴らしかった」

――今年は15選手が加入するなど、過半数が入れ替わりました。注目の新加入選手は?

「トレーニングを見ていても動ける選手が多くて、その中でも5、6人は活躍が期待できる選手がいると思っています。J1でも通用する選手だと思うのは、FWの大久保優選手(関西大から加入)です。いまJ1に行ったとしても、ゴールを奪えるでしょう」

――今季の鳥取は、昨年のチーム内得点王の林誠道選手がFC今治へ移籍。ワントップのポジションをいずれも新加入の大久保、ジョアンデルソン、田口裕也の3選手で争う恰好です。

「3人の中での競争というのももちろんあります。ただ、各々に合わせた形で僕がハマっていければ良いと思うので、3人の持ち味をみながら、彼らに多くのアシストをできるように今後コンビネーションを磨いていければいいと思っています」

「ブラジルに戻って、引退も考えました」

――コロナ禍による自宅待機中は、どのように過ごしていた?

「いつも家族を大切に考えているので、隔離生活中も妻や子供と過ごす時間を大切にしていました。もちろんチームから与えてもらった、トレーニングメニューはやっていました。ただ、年齢も年齢(39歳)なので、休むこと、身体を休ませることも重要だと思っています。リフレッシュしてピッチに戻れてとても幸せです」

――母国のブラジルではコロナウイルスの感染者が急激に増えている状況です。先日はフェルナンジーニョ選手の古巣でもあるヴァスコ・ダ・ガマで19人の選手が感染したというニュースもありました。

「世界中でコロナウイルスの感染が広がるなか、当初からブラジルのことを危惧していました。どうしてもブラジル人は楽観的な部分もあって、今回のコロナ禍ではそれが不利に働くと思っていました。自粛というのも難しいだろうなと。誰もが経験したくなかったことだと思いますが、今回のことをきっかけに、自分をコントロールしたり、ルールを守ったりということの大切さを知って、ひとつの教訓としてほしいと思います」

――ブラジルと日本のサッカーの違いはどんなところがありますか。

「日本ではやはりチームプレーが優先される。団結力があり、攻守ともにみんなでプレーする。ブラジルでは、もちろんみんな走るし、守備もしますが、個人個人の役割の方が比率が大きい。1対1の局面の激しさなども違います。文化面では、日本の礼儀正しさはとても気に入っていて、ブラジルも見習うべきだと思う」

――2017年にいったん鳥取からプロキャリアをスタートさせたブラジルのフェホビアリアへ移籍しました。古巣での引退を考えていた?

「メンタル面で疲れた部分もありました。ブラジルに行って、サッカーをしながら、引退も考えました。子供たちにサッカーを教えるプロジェクトで再び日本に来る機会があったのですが、そのなかで、まだ選手としてやれるような話を頂いたので、しっかりと結果を残したいと思い、鳥取に帰ってきました」

――ガイナーレ、そして鳥取という場所にも愛着を持っている?

「クラブとしてはJ3で発展途上ですが、規模は小さいですけど結果も残しつつあります。今まさに成長している、そんなクラブです。環境もすごく良いです。鳥取県には大山があって、冬は雪も降ったりします。景色も最高だし、夏は海も近くて、すごく良いところだなと思っています。自分だけでなく、家族も、いろいろ場所を転々としてきたけど、鳥取はすごく過ごしやすい。今は一番のお気に入りです。子どもも米子で生まれていて、とても特別な場所です。(インタビューの)1週間後に息子が5歳になるんですよ」

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