宇佐美&柿谷、“天才”2人が思い描く将来のビジョンとは? 「チャンスがもらえたら…」

【宇佐美貴史×柿谷曜一朗“天才対談”|第8回】現役引退後のビジョン…宇佐美は「指導者」

新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断するなか、ガンバ大阪FW宇佐美貴史とセレッソ大阪FW柿谷曜一朗が、オンラインでFootball ZONE webの独占インタビューに応じた。アカデミー出身で、幼少期から“天才”と呼ばれ続けてきた2人。G大阪とC大阪という強烈なライバル関係を持つ両クラブのエースは、互いのプレーをどのような目で見てきたのか。連載全8回の最終回は「未来」。将来は「監督」になりたいと明かした宇佐美が思い描くビジョンについて、柿谷も共感する――。

互いに宿敵クラブのエースとして戦いを続ける宇佐美と柿谷。G大阪、C大阪で育ち、海外挑戦も経験したが、再び愛するクラブへと戻ってきた。まだまだ、偉大な存在となるMF遠藤保仁(G大阪)や森島寛晃氏(C大阪社長)の背中を追う立場ではあるが、将来についてどのような考えを持っているのか。

宇佐美「指導者の勉強をしたいですね。サッカーに携わりながら指導者になる勉強をしたい。そういうビジョンはある。チャンスがもらえたら、監督になりたい。何年かかるか分からんけど、(現役が)終わったらじっくり勉強したい」

柿谷「S級(ライセンス)取るのって大変やん?」

宇佐美「でも楽しいらしいですよ。(G大阪コーチの山口)智さんに聞いたら、すごく楽しかったって言ってました。グループで(ライセンスを)取れるし、もちろん海外研修とかあるけど、同じ道を志した人同士で『俺はこういうサッカーをしたい』とか『こういう選手が大事やと思う』というのを結構熱く語り合えるから、その瞬間は童心に帰れる。すごい大変やけど、すごい楽しかったって言ってました」

将来、指導者を目指すことを明かした宇佐美。そのビジョンに映る景色を想像すると、2人にある“共通点”が見えてきた。

2人が口を揃えてチームに「欲しい」と話した選手は? 「捨てるとこがない」

宇佐美「意外やけど、俺が最初に欲しがるのは、中盤の底のファイター、(ヴィッセル神戸MF山口)蛍くんみたいな」

柿谷「(G大阪MF井手口)陽介みたいな? 俺も。その選手さえおったら周りは自由にやれるっていう」

宇佐美「意外と10番タイプで自由奔放にっていうんじゃなくて、アンカーでファイトできてチームのためにやれる選手か、めちゃめちゃ前で収めてくれる大迫(勇也)くんみたいなタイプを最初に求めると思う」

柿谷「俺も今(C大阪の)GMで誰か獲れるなら蛍やな。すべて融通利く」

宇佐美「捨てるところがないんですよ、ああいう選手。俺、捨てるところありすぎて(笑)。蛍くんは捨てるところない。どんな監督からも必要とされる、陽介も。言い方が悪いけど、使いやすい。どのシステム、どのメンバーでも組ませられる。(監督が)まず構成を考える時に『蛍は絶対で』って、そこから。いやあ、いい選手ですよね」

柿谷「ほんまにそう」

宇佐美「心臓がないと人が生きられないのと一緒で、強く脈を叩いてくれる選手が欲しいですね」

切り裂くようなドリブルやコンパクトな振りから放たれる力強いシュートで観客を魅了する宇佐美と、誰も考えつかないようなアイデアや正確な技術で人々を楽しませる柿谷。幼い頃から期待を背負い、時には壁にぶつかり、挫折も味わった2人は、誰よりもクラブを愛すること、誰よりもファンを愛するという共通のマインドを持ち合わせている。今はまだ両クラブのエースとしてプレーしているが、将来もサッカーに“恩返し”するため、まだ続く道のりを歩む。“天才”と呼ばれてきた2人。だが、そんな肩書きには目もくれず、これからもただただ好きなサッカーを突き詰めていく。

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