「ヤットさんにモノを言える人がいない」“新加入”昌子源が明かしたG大阪と鹿島の大きな違い
「開幕前にしてはフワッとしている」
「鹿島に恩は感じていたけど、タイミングもあって、ジュニアユースの時にお世話になったガンバに移籍することに決めました」
1年半プレーしたリーグ・アンのトゥールーズを退団し、2月3日にガンバ大阪と電撃契約を交わしたのが昌子源だ。比較的おとなしかった今季の移籍市場で、最もインパクトを与えたディールのひとつと言っていいだろう。
7シーズン半に渡ってプレーした鹿島ではなく、ジュニアユース時代を過ごしたG大阪への復帰を果たした日本代表CBは、14日に行なわれたJリーグのキックオフカンファレンスで取材に応じ、その“新天地”の印象をこう表現した。
「正直、思ったより静かだなと。開幕前にしては、ちょっとフワッとしているかなと個人的には感じています。鹿島はもう少しピリッとしていた。これがガンバのスタイルなのかもしれないですけど……」
なかでも気になったのは、練習でのこんな場面だった。
「ゴール前でミスをしてあわや失点というシーンがあって、結局ゴールにならなかったからなのか、(ミスをした選手に対して)誰も何も言わなかった。僕のなかでは、それはあり得ない。まだリハビリをしてる立場だったんで、その時は言うのを我慢しましたが、『そんなプレーを試合でするのか』という感じだった」
年齢に関係なく、良くないプレーは指摘し合う。それが鹿島では当たり前だった。
「鹿島では、(小笠原)満男さんにも言っていたし、満男さんもそれを期待してくれていた。ヤットさん(遠藤保仁)も同じ考えだと思う。ヤットさんにモノを言える人がいないような雰囲気になっていると思うので、そこは変えていきたい」
気になった点は、キャプテンのDF三浦弦太やベテランのGK東口順昭に伝えている。逆に「弦太から『今日の練習ピリッとしてました?』と訊かれることもある」という。
「ガンバは4年間タイトルから遠ざかっていますが、優勝争いをしなければならないチーム。本来いるべき位置に戻さないといけない。攻撃的なイメージがありますけど、それも守備の安定があってこそ。その手助けを僕がしたい。セットプレーではゴールを狙いたいし、チームを勝たせられるセンターバックでありたい」
豊富なタレントを抱えながら、2015年の天皇杯制覇以来、タイトルから遠ざかっているチームにとって、鹿島で数々の栄冠を手にしてきた男の加入は、計り知れないプラスアルファをもたらすかもしれない。