【韓国メディアの視点】現地専門誌記者がG大阪に警告「全北の攻撃力は城南やソウルのそれとは次元が違う」 SOCCER DIGEST Web 8月25日(火)16時30分配信

元FC東京のエドゥーを引き抜かれた影響で調子はやや下降気味だが……。

 いよいよ始まるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝。全北現代はKリーグ勢唯一の8強進出チームとしてG大阪との対決(※8月26日に全州で第1戦)に臨むが、国内での直近3試合では今ひとつ調子が上がらない。

8月15日には浦項スティーラーズに0-3の敗戦を喫し、同19日の全南ドラゴンズ戦は2-1で勝利したものの先制点を許した。同22日にはリーグ戦6位 の仁川ユナイテッドにも0-1で敗れている。今季も国内リーグ首位を独走し連覇確実とされる常勝軍団の突然の低調ぶりに、「ACL目前に慌しい全北」(ス ポーツ紙『スポーツ・ソウル』)とメディアもやきもきしている状況だ。

サッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のホン・ジェミン記者も言う。
「攻撃的な全北に対し、対戦相手は守備に徹してカウンターを狙ってくる。その術中にハマッてしまうのが最近の不調の原因だが、夏場にあったチーム状況の変化も無関係ではないだろう」

夏の移籍市場が解禁となった7月、全北は今季から加入した元FC東京のエドゥーを中国2部リーグの河北■夏に引き抜かれた。見返りとして40億ウォン (約4億円)以上の移籍金が入ったとの噂だが、今季14得点・3アシストを記録してKリーグ得点王ランキング首位を走っていたエドゥーが抜けた穴は簡単に は埋まらない。

代わって、アスレチック・ビルバオでのプレー経験もある190センチのスペイン人FWウルコ・ベラ、韓国代表でカタール・リーグでプレーしていたイ・グ ノ、08年~12年まで全北に所属したあとUEAに渡ったブラジル人MFルイスを補強したが、イ・グノは4試合・1得点、ルイスは5試合・1得点・1アシ スト、ベラは3試合無得点に止まっている。
「まだ1か月なので当然だが、補強した選手がまだチームにフィットしていない」(ホン・ジェミン記者)という。

「ただ、この戦力補強もACL制覇を意識してのこと。全北は今季、なにがなんでもACL決勝進出がノルマになっている。そのために母体企業のヒュンダイ自動車も多額の支援を惜しまない。

一説には選手補強費だけで300億ウォンは使ったとも言われているし、選手もチェ・ガンヒ監督もACLタイトルへの意欲が強い。すでに国内リーグは独走状態にあるので気の緩みもあったのだろうが、ACLは必死の覚悟で挑むだろう」(ホン・ジェミン記者)。

個の爆発力はあるが、試合のリズムを作る選手の不在が懸念材料。

 その全北現代と対戦するG大阪について、韓国メディアはどう見ているのだろうか。
「昨季Jリーグ三冠を達成し、今季ACLでも城南FCやFCソウルを退けた。全北にとって簡単な相手ではないが、チームとしてパワーがあるのは全北。特に 攻撃力ではG大阪に勝る。先に述べた新戦力に加え、イ・ドングッ、左サイドのレオナルド、韓国代表でも台頭しているMFイ・ジェソンなど攻撃陣の個の力 は、ガンバが対戦してきた城南やソウルのそれとは次元が異なる。彼らの個の力にはG大阪も手を焼くのでは」(ホン・ジェミン記者)

ただ、全北現代にも不安要素はあるとホン・ジェミン記者は続ける。
「攻撃がサイドに偏り、ボールも先に述べた特定選手にしか集らない。韓国代表のキ・ソンヨンやG大阪の遠藤のように、バランスよくボールを供給し試合のリズムを調整できる選手がいない。

また、今季は4バックの顔ぶれを固定できず守備の組織力が落ちる。特に相手のカウンター攻撃への対処が鈍く、縦パス1本であっけなく失点しまうケースも 多い。攻撃力はあるが、チーム全体としてのバランスが整っていないことが今季全北の悩みの種となっている。ガンバとしてはそのウィークポイントを突ける か、どうかでは?」

韓国では「全北 vs G大阪、ACL韓日戦で避けられない勝負」(『ヘラルド経済』)と報じられている今回の対決。果たして第1戦に勝利するのは……。

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