【G大阪】「札幌戦がきっかけに…」10試合不発と苦しんだ宇佐美貴史が湘南戦で2ゴールできたワケ

4日前に練習に復帰したばかりだった
[J1・30節]湘南0-3G大阪/11月3日(日)/Shona BMWスタジアム平塚

9位のガンバ大阪は、4ポイント差の16位湘南と敵地で戦い、3‐0で快勝した。勝たなければ残留争いが厳しくなってくる重要なこの一戦で、2得点の大活躍で勝利を決定付けたのがFW宇佐美貴史だ。

10分に右CKのこぼれ球から小野瀬康介が先制点を決め、1点をリードして迎えた前半アディショナルタイムだった。遠藤保仁とのパス交換から宇佐美が右足でシュートを叩き込み、追加点を挙げる。

50分には自陣で相手ボールを奪った藤春廣輝のロングボールに反応して、対峙するDFをかわしながら左サイドを駆け上がり、左足を一閃。迷いなく振り切った鋭いシュートが、ゴール右に突き刺さった。

自分たちを1本上回る16本のシュートを湘南に浴びたものの、GK東口順昭ら守備陣もきっちり守り抜き、見事に完封勝利を収めている。

2得点の活躍で勝利の立役者となった宇佐美だが、7月20日の20節名古屋戦から、公式戦10試合(リーグ7試合、ルヴァン杯2試合、天皇杯1試合)連続で無得点という苦しい時期を過ごした。

10月4日の28節、5日後のルヴァン杯準決勝(第1レグ)と、いずれも札幌戦で1ゴールずつを挙げ、ようやく長いトンネルから脱出したものの、同13日の第2レグで左太もも裏を負傷し34分に途中交代と波に乗りきれない。4日前にようやく練習に合流したばかりだった。

「怪我の時間もあったので、そういうなかで改めてしっかり考えさせられた」という宇佐美は、次のように続けた。

「足をどんどん振っていかないと。距離に関係なく振れることが自分の強みでもある。そういうなかで一週間しっかりシュートの感覚というか、一連の動作から確認していくような練習の積み重ねができましたし、“迷わず振る”というところでは良い感じになってきたかなと思います」

そして、そのきっかけとなったのが札幌戦だった。

「自分の思い描いている弾道と、飛んでる実際のボールの速度がリンクしてきているなというのはあった。札幌戦で久々に強い当たりができて、そこがきっかけになったかなと思います」

湘南に勝利したG大阪は勝点を38に伸ばしたが、順位は変わらず9位で残留が決まったわけではない。

「今年はもうタイトルを獲れないことは決まっているので、まず最低限、しっかり残留を決めなければいけない。そこから来季につなげていくような試合をして、応援してくれる人たちに見せなければいけない。来季に期待を持ってシーズンを終えられるように、勝てるようにやっていきたい」

残り4試合、迷いを振り切り感覚を取り戻したストライカーの爆発が期待できそうだ。

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