【J1採点&寸評】G大阪2-2川崎|同点弾でG大阪を救った“ナンバー10”をMOMに!2得点に絡んだ川崎の元セレソンの評価は?

G大阪――倉田の執念の一撃で貴重な勝点1
[J1リーグ29節]G大阪2-2川崎/10月19日/パナソニックスタジアム吹田

【チーム採点・寸評】
G大阪 5.5
連覇中の王者に対して先手を取りながらも、その後は防戦一方の苦しい展開が続いたが、倉田の執念の一撃で貴重な勝点1を積み上げた。攻撃に入った時の精度の低さは今後の課題になりそうだ。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
バックパスを受けても丁寧に繋いで起点となり、キックミスも少なかった。川崎戦ではビッグセーブが多いがこの日に限っては相手に上回られ、2失点の場面はほぼノーチャンスだった。

DF
27 髙尾 瑠 5.5
前半はビルドアップに絡み、長谷川に対して粘り強い守備を見せて破綻を許さなかった。川崎が攻勢に出た後半は苦しい対応が続くも、小野瀬がウイングバックに移行してからはいい連携も。

5 三浦弦太 5
相手の1トップに対して厳しく対応。出足の良い守備も見せていたが、1失点目はキム・ヨングォンとの連携が不十分だった上に、2失点目は完全にL・ダミアンに上回られてしまった。

19 キム・ヨングォン 5
韓国代表のワールドカップ予選から合流したばかりで、いつものキレを欠いた。L・ダミアンに空中戦で競り負けたことが最初の失点に繋がり、後半は右サイドで崩される場面も散見。

MF
4 藤春廣輝 5.5(62分OUT)
立ち上がりに、持ち前の走力を活かして登里に突っかけたことがミスを誘発し、失点に繋がった。守備では大崩れすることがなかったが、コンディションの問題で無念の途中交代。

MAN OF THE MATCH
10 倉田 秋 6.5(68分OUT)
一見、いつものような積極的な仕掛けが少ないように見えたが、アンカーの脇のスペースなどをしっかりとケアするなど、守備意識が非常に高かった。チームを救う貴重な同点ゴールを決めるも無念の負傷交代。

21 矢島慎也 6
守備で苦しむ場面が多かったが、倉田や井手口らとの好連係で中央からは崩されなかった。カウンター時にも長いボールで前線を走らせ、攻守両面でアンカーとして奮闘していた。

15 井手口陽介 5.5
アカデミーの先輩である家長を潰すなど、運動量を活かして危険地帯をケア。しかし1失点目は、サイドで車屋につきながらもクロスを上げさせてしまった。攻撃に入った時の細かいミスは減点材料。

34 福田湧矢 5.5
守備では奮闘し、戦う姿勢でチームに活力をもたらした。ただ、仕掛ける意識がやや強すぎて、周囲と噛み合わず、逆に攻撃のリズムを崩す場面も。左サイドに移ってからも守備に追われた。

G大阪――小野瀬は攻守で質の高いプレーを見せる
FW
8 小野瀬康介 6.5
先制点に繋がる強烈なシュートを放ち、監督から求められた相手のボランチのケアなども献身的にこなす。右のウイングバックにポジションを変えてからは、倉田の同点ゴールをお膳立て。攻守で質が高かった。

39 渡邉千真 6(87分OUT)
小野瀬との役割分担がはっきりしており、相性のいい川崎から貴重な先制点をゲットする。懸命に前線で体を張っていたが、サポートがなく孤立する場面も。渡邉を責めるのは酷というものだ。

交代出場
MF
14 マルケル・スサエタ 5.5(62分IN)
藤春のコンディションの問題で急遽ピッチに送り出された。劣勢の展開で懸命にボールに触ろうという努力を見せるも、連係不足のチームの中で持ち味を発揮するには至らず。

MF
29 髙江麗央 5(68分IN)
ルヴァンカップの準決勝では試合に絡めず、やや試合勘を欠いていた状況だったが、倉田の負傷交代でスクランブル起用。攻守両面で試合に入りきれていなかった印象で、運動量も活かせず。

FW
18 パトリック ―(87分IN)
残り時間わずかという状況で起用され、ほとんど良いボールが来なかった。アディショナルタイムには持ち味の推進力で敵陣にボールを運び、相手の反則を誘発するも点を取る気配はなかった。

監督
宮本恒靖 5.5
アデミウソンと宇佐美の負傷離脱という苦しい台所事情で、小野瀬のFW起用は狙い通りだった。ただ、川崎がフォーメーションを変えた後半の猛攻に対しては、適切に修正できず。

川崎――甘さが露見して逆転優勝の夢が遠ざかる…
【チーム採点・寸評】
川崎 5.5
宮本監督の就任後、過去2戦2敗という相性の悪さはこの日も変わらなかった。後半は、川崎らしい猛攻を見せたものの、最後の詰めの甘さが露見した。逆転優勝の夢が遠ざかる勝点1に。

【川崎|採点・寸評】
GK
21 新井章太 5.5
目立ったミスはなく、枠内に飛んだ反応すべきシュートには適切に対応していた。ただ、失点場面はほぼノーチャンスだった。終了間際にもパトリックに対して勇気あるプレーで適切に処理。

DF
2 登里享平 4.5(69分OUT)
試合開始早々の判断ミスが藤春を自由にさせ、その後もキックミスで小野瀬にボールを渡してシュートを打たれた。後半はパフォーマンスが改善されて2点目に絡むも、2回目の失点シーンでは倉田に競り負けた。

34 山村和也 5.5
2失点はしたものの、自身のミスはほぼなく、読みの良い守備を見せながら、ドリブルで攻撃にも絡む意識を見せた。終盤はL・ダミアンとのツインタワーでゴール前に迫るもシュートを打てず。

5 谷口彰悟 5.5
ゴール前で相手のシュートにも粘り強く身体を張ってブロックした。しかし、1失点目は渡邉の動き出しをケアしきれなかった。

7 車屋紳太郎 5.5
前半は攻撃参加の回数が少なかったが、後半早々には深い位置まで攻め上がり、大島の同点ゴールを演出した。致命的な破綻は許さなかったが、小野瀬に対して寄せきれず、クロスを許して2失点目に関与。

MF
14 中村憲剛 5(78分OUT)
攻守両面において機能不全だった感も。芝にてこずったのか、やや中村らしくないボールタッチもあり、怖いプレーが皆無のままに。途中交代も当然の出来だった。

6 守田英正 5.5(HT OUT)
一度、クロスの対応で渡邉につききれなかったものの、その後は最終ラインの前のスペースを適切にケアしていた。交代は戦術的なものではなく、コンディションによるものだった。

10 大島僚太 6.5
やはり、川崎の攻撃の中心であることを証明する。ボールに絡むだけでなく、中盤の並びを変えた後半は、相手の嫌な位置に顔を出して攻撃を牽引。L・ダミアンが競ったボールを得点に繋げた。

41 家長昭博 4.5
福田へのラフプレーを含めて、やや苛立っていたか。後半は右サイドで起点となり、2ゴール目を演出。らしいプレーを見せたが、その後2度の決定機でシュートミス。決めるべき場面だった。

16 長谷川竜也 5.5
押し込む場面までは行くのだが、仕掛けの迫力と精度を欠いていた。後半はより意識が高まり、積極性が出ていた印象だが、やはり最後のクオリティが課題と言える。

川崎――L・ダミアンはシュートやポストプレーで攻撃を牽引
FW
9 レアンドロ・ダミアン 6.5
前半はややチームの攻めが単調で、三浦に狙い撃ちされて苦しんでいた。ただ、押し込み始めた後半は2得点に絡むなど攻撃を牽引。シュートだけでなく、周囲を活かす上手さもあり、決定機を影で演出。

交代出場
MF
25 田中 碧 6(HT IN)
後半からボランチで投入されるとU-22代表遠征の疲れを見せることなく、中盤を活性化。登里が負傷交代したあとは、右SBとしても奮闘し、無難なプレーで大崩れすることはなかった。

MF
28 脇坂泰斗 6(69分IN)
登里の負傷で急遽ピッチに送り出されたが、中盤の底で攻撃のアクセントとなり、カウンターの場面では家長の決定機をお膳立てするなど、存在感を十分に見せていた。

MF
22 下田北斗 ―(78分IN)
同点に追いつかれた苦しい状況の中で投入され、限られた時間で試合の流れに入るのが精一杯。時折技術の高さを見せたが、決定的なチャンスに絡むようなプレーはなかった。それでも目立ったミスはなかった。

監督
鬼木 達 5.5
自陣に引いて守り、割り切った試合運びを見せてきたG大阪に対して、後半は形を変えて流れを引き寄せたのは評価できる。家長の決定力さえあれば勝ち切れる試合だったが、選手起用はやや裏目に出た感も。

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